ある弁理士さんと雑談していたところ、その先生から、この業界の難しさのような
ところをお聞きした。
自分のように弁理士を目指して勉強している人は、特許制度はもちろん、特許権を
取得することの難しさというものがわかっているからいい、昨今では知財検定なるもののほか、
知財専門の大学院コースなどもあり、充実がはかられてはいる。。。。。
結果、その裾野は広がってきているのではないか。
しかし、あまりに無知な人も多い。
「餅の横方向と上下方向に切れ込みを入れた商品は、餅の横方向に切れ込みを入れる特許とは、
別物なので、特許権侵害とはならない.......。」
おおおお。8億円はだてに動きませんぞ。
「特許権とは、特許出願をしてしまえば、あとは勝手に特許庁が審査して、弁理士さんが
なんとかしてくれる.....。」
おおおおおおおおおおおおおおお。
まあ、気持ちはわからないでもない。
「プロな弁理士さんが特許出願してくれれば、拒絶理由通知なんてくるはずがない。」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。
こらっ、ちょっと待てー!
こんなことを考えている人がいたとしたらビックリである。
っていうか、特許権は永久に取れないかもしれない。
実際、世の中の出願で審査請求された案件のうち、8割以上、9割以上は必ず一度は拒絶理由を
受けていると思う。
○許庁の審査○が、適当に検索キーワードを打って出てきた他人の発明から、明細書の図面を
見ながら、この発明は、あの発明に似ているなあ、、、、、
じゃ、進歩性なしだな、とりあえず拒絶理由通知を打っておくか.......。
そんな感じで発明としてはまったく違うけど、とりあえず一回拒絶理由でも出してみた、なんてことは
全然あってもおかしくないのである。
もちろん特○庁の○査官としての仕事するためには、諸所の勉強をしているのは間違いないが、
(少なくとも自分が知る範囲では)拒絶理由通知はナン百回やっても、法には触れないし、
免職されるというようなこともないだろうと思う。
もちろんひどいのは査定などに響くことはあるだろうが。
結局、拒絶理由はいくらでも出せるといえば出せるし、そこから先は審査○VS発明者+弁理士の
根気との闘いになるのである。
そこを弁理士があたかも便利屋のように万能と思われ、すべて任せておけば何でもできるというのでは、
弁理士が発明者を名乗ったほうがいいような気がするが、どんなものだろうか。
発明者がそんな拒絶理由でパッタリ特許取得をあきらめてしまうとすれば、その人は残念ながら
最初から特許権の享有者とはなりえない人なんだと思われても文句は言えない気がする。
そして、自分が弁理士だったら、多少売り言葉に買い言葉になるようなことがあって、多少おせっかいと
言われても、やるべきことはやっておくような感覚で、たいした拒絶理由(言いがかりに近いもの)では
ないことと、(無責任といわれないように)今回の拒絶理由を回避しても、今後も拒絶理由はくる可能性が
あるから、ここから先の判断は発明者である依頼人にゆだねることを書面などに簡単に記載して
送付するようなことをするかもしれない。。。。。
おせっかいかもしれないけど、仮に顧客が特許制度を知らない発明者であっても、その人の利益を守る
ことも、弁理士の業務なのかもしれないのだから。