1958年、チキンラーメンが初めて発売されました。

その広告は、「お湯をかけて3分待てば、おいしい

ラーメンの出来上がり。ぜひ、どうそ」でよかった。

つまり、物理的特性を語ればよかったんです。

ライバル商品がありませんから。

それが、あちこちでライバルが登場してくると、

広告の事情も変わってきます。

 

たまごポケットを作りました、とか、

そのまま食べてもおいしいよ、とか、

新しい食べ方を提案して、ほかのインスタント麺との

差別化をはかります。

つまり、広告が、「モノ」から「コト」へと移ったのです。

これは、チキンラーメンだけでなく、広告全般に

言えることです。「コト」は、「生き方」までも含みます。

きょうは、そんな「生き方」コピーに注目します。

 

飲むときは、ただの人。(眞木準/サントリーウィスキー)

 

わたしは、笑ってコラえて!の朝まではしご酒や、

吉田類の酒場放浪記が好きなんですが、なんといっても、

みんなでワイワイ飲んでるときの顔って、いいもんなんです。

そんなとき、立場や役職、しがらみなんかは、

全部取っ払って、「ただの人」として、飲んでいたいものです。

 

家族の顔を想いうかべると、生きて行けると思う。

                (仲畑貴志/インスタントコーヒー)

 

「ほんとうに、そうだよなあ」とうなったコピー。

仕事に代わりはあっても、家族に代わりはないですからね。

忙しい毎日のなかで、コーヒーを飲むひと時くらい、

そう思って、生きてみてもいいのかもしれません。

 

生きるが勝ちだよ、だいじょうぶ。(仲畑貴志/セゾンカード)

 

誰しも思春期に、「死とは?」とか「生きるとは?」と考え始めます。

私ももれなくそうでした。いろんな本を読んでみて、

「うーん、生きる目的って、こういうものなのかあ」と

ぼんやり思ったりもしています。

けど、大人になると、毎日に生きるのが結構しんどくて、

「生きるために生きる」のも悪くないよな、と思ってしまいます。

このコピーは、いろんなときに、支えになるものだと思います。

 

「売ってナンボ」のコピーですが、

深い洞察力を働かせて、人の生き方にまで影響するものを

こしらえることもできるんですね。

 

今日も、このブログに遊びに来てくれて、ありがとうございます。

なんか、チキンラーメン食べたくなってきた。たまごあったかな?

 

 

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☆付録 「私が選ぶ広告コピーベスト10!」一覧表

 

①死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。

②つまんない広告をする企業は、ほぼ、つまんない。

③結婚しなくても幸せになれるこの時代に、

                私は、あなたと結婚したいのです。

④きれいなおねえさんは、好きですか。

⑤hugry?

⑥ベンザエースを買ってください。

⑦恋が着せ、愛が脱がせる。

⑧うまいんだな。これがっ。

⑨おかん、うまい。でも、多い。

⑩生きるが勝ちだよ、だいじょうぶ。

 

〈次点〉

・男は、体のどっかで、20才。

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