詩■あの歌から | 次回予告-WEBネタ格納庫-

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ほら手が見えたよ
なんて小さな指なんだろう

はじめて触れたのは人間の温度だったはずなのに
君が生まれた感動にすべてが見えない



君は手から産まれた
そして紅い体を抱く

君は生まれたときから音楽を生む喉を持っていたから
紅を抱く必要はなかったのに

それなのに君は紅い体をいつも大事そうに抱えている

月見る夜も

太陽が降る朝にも

風がやむ昼にも


君には声があるから
本当は必要がないんだ



君はいつも抱えている
自分の心か何かのように


気づいておくれ君の音楽はひとつで十分なんだ


黒と赤と白と君


君に抱かれたそれは
幸せそうにこちらを見て瞬きをしている


君に撫でられ喉もないのに声をあげる



さようなら


君のその温もりが血のないそいつを生かすなら
もう僕は必要ないだろう



そいつは死ぬことはない



君は手から産まれた
紅い体を抱えるために