『もうやめだ辞め!全部やめる!』








『俺がいなくなれば全てが終わる』








『俺だってもう限界なんだ。』







『頭のおかしい奴を相手にしてると
こっちまで頭がおかしくなる』











そう言って彼は首を吊りました。












首を吊った衝撃で周りのものが落ちる音が
聞こえてきて、わたしは叫びました。











「おいていかないで」











「わたしのことも連れてって」











「お願いだから一緒にいきたい」













わたしは必死に自分の手首を切りました。










彼は苦しかったからか激しく動き、
ロープがちぎれて下に落ちました。









むせて咳き込んでいる声が聞こえて、
生きてることを確認しました。












彼はとても大柄なので、
ロープがもたなかったようです。












電話の向こうで彼は号泣していました。











わたしは彼を失う恐怖と



彼をここまで苦しめる彼の親への怒りと



彼を責めてばかりいた自分への怒りで
感情がごちゃ混ぜになって、






過呼吸になりました。








苦しくて必死に袋を探しゆっくり呼吸をするわたし。











呼吸がおさまる頃には彼も落ち着いていて、


たくさん謝ってきました。












一体、なにをしたら彼の親は彼を
解放してくれるのだろう。













釈放されてから彼はできることは
なんでもしてきたと思います。










毎月150万以上は確実に入る売り上げも
全額渡したし







貯金3000万も渡したし







車もバイクも買ってあげたし







自分が以前住んでいたマンションも
譲ってあげたし









彼の両親は何もしなくてもお金が入ってきて
何不自由ない暮らしをできている。












そのせいで私たちは引っ越して4ヶ月ほど経つのに

まだ家具家電が揃っていない部屋で
暮らしています。











今まで値段など気にせず買い物をしていた彼が
割引されているものを選ぶようになったり

スーパーで500円を超える肉を見ると
『高っ!』と迷うようになったり


そんな彼を見ると切なくなります。












彼の1日の中で1番幸せな瞬間は、
仕事で汚れた体で帰ってきて、
体を洗う前の冷えた体のまま
湯船に浸かることだそうです。



そんなことを1番の幸せって思うって、
どれだけ常に我慢して生活しているか
わかりますよね。



唯一の安らぎタイムだそうです。












わたしは彼の父親を今後も許すことが
できないと思います。









結婚するとなっても
わたしは会いたくありません。








もし子供ができても会わせたくありません。












こんなに私たち2人を苦しめてきて、
いい時だけいい顔をする人なんて
家族にすらなりたくありません。












わたしは精神的に強いわけではないので
我慢の限界が来るのが早いのかもしれませんが



彼は本当に体力的にも強くて
精神的にもわたしよりは強いはずなのに


その彼が号泣して首を吊ることになるって
それだけのことをされてるからですよね。










吊った原因が彼の親だけではないかもしれない。





きっと彼はわたしに支えてほしかったはずなのに
わたしも一緒にパンクして彼を責めたから
余計に死にたくなってしまったのかもしれない。










すごく反省をしました。







1番大事で愛している彼を苦しめてしまった。







実際、わたしが死のうとしたのも
彼の親だけで無く彼のことも原因の一つ
だったのでお互い様ではありますが、










どちらかだけが頑張る

どちらかだけが我慢する

どちらかだけが戦うわけではなく




一緒になってやっていかなければならないと
改めて思うことができました。
















もうこれ以上苦しめないでほしい。







彼のが刑務所に入っている間
彼の親が仕事を代わりにやってくれていた。




そこは感謝してもしきれません。







でも、彼が入っていた2年半の間の売り上げを
超える額をもう既に渡してきています。









それだけしても邪魔してきて
金ばかり吸い取ってくる親って、
なんなのでしょうか。








いつになったらわたしたちは
彼の親から解放されるのでしょうか。










彼の親が早く死んでくれるのを願っている
わたしは悪い人間なのでしょうか。