アタシは、やぶ探検が好きだ。
(ジジ? おいで。)
かあさまが、呼んでいる。
まだ、戻りたくないアタシ・・・・・・・無視する。
(ジジ。 来い!)
今初めて、かあさまに気づいたフリをして、
振り返ってあげる。
(ジジ!! 来ぉいっ!!)
野太い声になっている。
アタシ、おしっこしているフリをする。
(あ、おしっこだったのね。 ごめん。ごめん。)
かあさまの声が、やさしくなる。
しばらく行った分かれ道で、
アタシは、海に行きたいのに、
かあさまは、山に行こうとしている。
アタシは立ち止まって、
「海にしようよ。」
と、アピールしてみる。
(今日は、山に行くよ。)
かあさまが、ひっぱる。
アタシ、お座りしてみる。
(ほら、行くよ。)
かあさまが、いらだつ。
アタシ、首をかく。
カキ カキ カキ・・・・
(あ、ごめん。 ごめん。 首がかゆかったのね。)
やさしいかあさまは、アタシを待っていてくれる。
アタシ、かあさまの気が変わるのを、
待っている。
カキ カキ カキ カキ・・・・・・カキ カキ カキ・・・・・・・
これを読んで、かゆくなってきたあたなも、
カキ カキしながら、
ぽちっと、お願い。