金属の折り紙



医者やって何年経っても意外な症例というのはある。

糖尿病性ケトアシドーシスで来た患者さん。
まあ、普通の1型かirAEの劇症1型やろ。と思ってたら、GAD抗体陰性で、インスリン分泌も保たれていて、異所性ACTH産生によるクッシング症候群だった。

振り返ってみると、DKAなのに、カリウム低いし、劇症というにはHbA1cも高いし、色素沈着あるし、感染ないのに白血球高くて左方移動してるし。
後から考えれば典型的な所見が揃っているのに、無視してました。

経験が豊富なので、考えなくても答えに辿り着けることが多いのですが…今回のように事前確率が低い稀な疾患の場合は経験が邪魔になることもあるのですね。
ちなみに経験とカンでスパンと診断するのをヒューリスティックというそうです。

つーか、異所性ACTH産生によるDKAなんて英語論文にできるくらい稀だろ。

wikipediaより
(かくしょうバイアス、confirmation bias)とは、認知心理学社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている。

これって老害のことじゃん!?

↓読んで認知バイアスについて勉強します。