友人、オススメの本〜


 

 

昨日に続き、緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)について。

2023年に新診断基準が策定されました。

 

 

 

 

**Definite(確定):**
1. 経過のどこかの時点で、膵島関連自己抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体、膵島細胞抗体(ICA)、Insulinoma-associated antigen-2(IA-2)抗体、亜鉛輸送担体8(ZnT8)抗体、インスリン自己抗体(IAA)※)が陽性である。
2. 糖尿病の診断時にケトーシスもしくはケトアシドーシスがなく、ただちに高血糖是正のためのインスリン療法が必要ではない。
3. 経過とともにインスリン分泌能が緩徐に低下し、糖尿病の診断後3ヶ月を過ぎてからインスリン療法が必要になり、最終観察時点で内因性インスリン欠乏状態(空腹時血清Cペプチド<0.6ng/ml)である。

**Probable(可能性あり):**
1. 経過のどこかの時点で、膵島関連自己抗体(GAD抗体、ICA、IA-2抗体、ZnT8抗体、IAA※)が陽性である。
2. 糖尿病の診断時にケトーシスもしくはケトアシドーシスがなく、ただちに高血糖是正のためのインスリン療法が必要ではない。
(注意: インスリン療法が必要になるのは緩徐であり、急速ではない)
3. インスリン分泌能が緩徐に低下し、典型例では糖尿病の診断後6ヶ月以上※を要する。

※注釈:
- ※膵島関連自己抗体(IAA)は、インスリン治療開始前に測定した場合に限る。
- ※典型例は6ヶ月以上である。

 

 

これまでは、GAD抗体陽性であっても、インスリン分泌は保たれていて、どうするかなという症例もありましたが、診断名を書くことができるようになりました。

DPP-4阻害薬の可能性などにも言及されていますが、保険診療上は、2型とつけないといけませんね。

実臨床とガイドラインと保険診療の齟齬には困ります。