じゃーん。

朝になったらメダカの池が凍ってた。



今日は論文紹介です。


Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors and Risk of Retinopathy in Patients With Type 2 Diabetes

JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2348431. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.48431

この研究は、SGLT2iと2型糖尿病(T2D)患者の視力を脅かす糖尿病網膜症の関連性を調査しました。台湾の3,544,383人の患者データを分析した結果、SGLT2iはDPP-4阻害薬、ピオグリタゾン、スルホニルウレアと比較して、視力を脅かす網膜症のリスクが有意に低かったことが明らかになりました。

方法
1. デザインと参加者:
新規ユーザーおよびアクティブコンペアターデザインを適用したコホート研究。
台湾の国民健康保険研究データベースから取得したデモグラフィックおよび臨床データを使用。
2009年1月1日から2019年12月31日までの新たに診断されたT2D患者を対象に、2020年12月31日までの追跡を実施。
2. プロパンシティスコアマッチング:
2016年1月1日から2019年12月31日までの期間にSGLT2i vs DPP-4i、SGLT2i vs ピオグリタゾン、SGLT2i vs スルホニルウレアを受けた患者を対象にプロパンシティスコアマッチングを実施。
3. 被験薬の投与期間:
2016年1月1日からSGLT2i、DPP-4i、ピオグリタゾン、およびスルホニルウレアの治療を開始。
4. 主なアウトカムと解析:
主なアウトカムは参加者の視力を脅かす網膜症。
マッチングされたケースとコントロールグループ間の視力を脅かす網膜症の相対的ハザードを評価するためにCox比例ハザード回帰モデルを使用。

効果
•SGLT2i投与群は、DPP-4iに比べて視力を脅かす網膜症のリスクが有意に低かった(調整ハザード比[AHR] 0.57、95%信頼区間[CI] 0.51-0.63)。
•同様に、SGLT2iはピオグリタゾン(AHR 0.75、95%CI 0.69-0.81)およびスルホニルウレア(AHR 0.62、95%CI 0.53-0.71)に比べても有意に視力を脅かす網膜症のリスクが低かった。

副作用:
•SGLT2i群は、他の薬剤と比較して有意に低い視力を脅かす網膜症の発生率を示したが、副作用の具体的な数値はこの要約からは提供されていませんでした。

これは、SGLT2iが糖尿病腎症のリスクを減少させるだけでなく、T2D患者の糖尿病網膜症の進行を遅らせる可能性があることを示唆しています。

要点:
1. SGLT2iは、DPP-4i、ピオグリタゾン、およびスルホニルウレアと比較して、視力を脅かす網膜症のリスクが有意に低かった。
2. この研究は、SGLT2iがT2D患者の糖尿病腎症のリスク低減だけでなく、糖尿病網膜症の進行を遅らせる可能性があると示唆しています。
3. これらの結果は、SGLT2iが糖尿病患者の糖代謝制御以外の広範な影響を理解する一助となります。

感想
なんでも効くよー。SGLT2阻害薬!
昔、スタチンが敗血症に効くという論文がありました。
少し前は、メトホルミンがなんにでも効いてました。
次はがん抑制かな。
自分も腎症に対して積極的に使っています。表面だけでなく論文を読む力が必要です。