こんにちは晴れ


今回は『紅の豚』について書きます。

『紅の豚』は1992年7月18日に公開された長編アニメーション作品。
原作、脚本、監督は宮崎駿監督。
プロデューサーは鈴木敏夫プロデューサー。



『紅の豚』は当初、日本航空の機内映画用に作成する短編映画の予定だったそうです。(スタジオジブリから日本航空に話を持ち掛けたという背景)
しかし日本航空とタッグを組んだ制作が始まったものの、宮崎監督と鈴木プロデューサーのやりとりの中でどんどん内容が分厚くなり増えていきます。最終的に鈴木プロデューサーからここまでするなら長編アニメーションにしましょう!と提言して今日の長編映画『紅の豚』があるということです。

この日本航空との当時のやり取りには面白いエピソードがあるのですが、また別の機会に書くことにします!(鈴木敏夫プロデューサー著書の『天才の思考』を読むと分かります)

また、制作にあたっては宮崎駿監督から「スタッフを一新して、全ての重要な仕事を女性に任せよう」と提案があり、作画監督や美術監督、録音演出など、、重要な役回りを全て女性で固めた映画でもあります。
(女性だけに任せることになった経緯も多々あるのですが割愛します。上記に記した本を読むと分かります。)
『紅の豚』という男性的な映画を女性が作る。
まさに作中、ピッコロ社でポルコの飛行艇を女性たちだけで直したシーンそのものです。
(以上のエピソードは鈴木敏夫プロデューサー著書『天才の思考』より)



『紅の豚』の良さは、、、
青い海に真っ赤な飛行艇というコントラストの美しさ
軽快でコミカルな音楽
登場人物のウィットに富んだジョークや切り返し
愛おしいキャラクターたち
飛行艇のカッコ良さ
ストーリーの流れ
、、挙げたらどんどん出てきます、、、

映像の美しさはジブリ作品全般においてですが、それぞれ美しさの種類が違います。

『紅の豚』の美しさは、、
何と言っても真っ青な海と空に真っ赤な飛行艇というコントラストじゃないでしょうか。


アドリア海に浮かぶ飛行艇はカッコよく、美しい。

飛行艇乗りに憧れます✈︎

大の飛行機好きで知られる宮崎駿監督の想いの詰まった作品な気がします。

かく言う私も大の飛行機好きで、それが高じて航空会社に入社した程です。(現在は別の仕事をしています。)
宮崎駿監督は戦闘機など含めて空を飛ぶもの全般の飛行機好きなので、私とはまた違うかもしれません、、、

私にとって飛行機は無限の可能性を秘めた乗り物です。
そして空には夢がある。
その空を飛ぶ飛行機にも夢を乗せている様で憧れやカッコ良さを感じます。

飛行機が好きだからこの作品が好きというのは必然的な気もしますが、それ以外の理由もあります。そしてその良さが分かってきたのは30代になってからでした。

まず、私がいま1番好きなジブリ作品は『紅の豚』と『もののけ姫』ですが、昔は『紅の豚』は圏外でした。
というのも、ストーリーの内容が分からないのが大きかったですし、何となく大人向け(特に男性向け)映画な気がしていたからです。
けれど大人になってから観ると、難しい用語も理解できますし、大人っぽい要素に良さを感じて好きになりました。

そして、糸井重里さんのキャッチコピー
「カッコいいとは、こういうことさ。」

糸井重里さんはコピーライターとして活躍され、複数のジブリ作品のキャッチコピーを担当されています。
中でもとりわけ私が好きなキャッチコピーはこの
「カッコいいとは、こういうことさ」。
他にもありますが、それはまた別の記事にしようと思います!

この一言が作品の全てを物語っている気もします。

今の時代"イケメン"という言葉を多用する風潮がありますが、外見的要素が強く、ちょっと軽い感じを持っている(私の主観ですが)のに対して真のカッコ良さとはまさに『紅の豚』ではないかと思っています。

ポルコは外見は豚です。敬遠される見た目を持っているのにカッコいい。
身だしなみに気を付けている所なんかはダンディで素敵と思わせます。
幾つになっても身だしなみは大切ですし、心掛け一つで出来る自分次第のものです。

そして、あの渋く低い声。
多くを語らずボソっとカッコいい台詞を言う所もシビれます。
今は亡き森山周一郎さんという方が声優をされました。

左から宮崎駿監督、加藤登紀子さん(ジーナ)、
森山周一郎さん(ポルコ)


作中、カーチスとの一方的な戦いに敗れて2日間姿を見せなかったポルコが心配するジーナに電話しているシーンで、
「程よく痩せたぜ」と言うのはウィットに富んだジョークだなと思います!
その後の「飛ばない豚はただの豚だ」はあまりに有名なセリフです。

切り返しもカッコいい。

言葉のチョイスが経験を積んだカッコいい大人の男性といった感じがします赤ワイン

まさに「カッコいいとは、こういうことさ」です!

因みに「飛ばない豚はただの豚だ」をネタやギャグにされていることがありますが、それも良いのですが、実は奥深くて素敵な意味合いがこの一言にあることも分かって欲しいななんて思います。
「飛ばない豚はただの豚だ」=飛ばないと意味がない、飛ぶしかないんだ、だから俺は飛ぶみたいな意志の強さや夢とロマンを感じます。
自信がない時や不安な時に思い出したい一言です。

そして音楽、、、
これまた久石譲さんの生み出した一曲一曲が全部マッチしています。

イタリアぽさのあるお洒落で大人な曲調(イタリア楽器マンドリンの様な、もしくはそのもの?)
戦闘シーンの軽快さ
マンマユート団のコミカルな曲調
ジーナの大人な色気と美しさが表されたような曲調、、、
それぞれがまさにこのシーンにピッタリ!という曲です。
音楽からして大人な雰囲気も出てます。

サウンドトラックの中でも「Porco e Bella」や「帰らざる日々」はロマンチックな感じがして特に好きですし、
加藤登紀子さん(ジーナ)の歌う「さくらんぼの実る頃」とエンディングの「時には昔の話を」も大好きでよく聴きます。



次はキャラクターについて、、
愛おしいキャラクターばかりなのはジブリ作品に共通する所だと思います。

ポルコ・ロッソボトルタバコ
ポルコがいかにカッコいいかは上で述べたので、少し付け足すくらいにしておきます。
カッコいいだけではなく、可愛らしい一面もあるポルコ。
作中最初の子供たち救出騒動の時、あの渋く低音の声で沢山の子供たちをあやす姿はギャップがあって可愛い一面です。



ジーナ赤ワインハット
「アドリア海の飛行艇乗りは皆んなジーナに恋をする」
まさにその通りの美しさがあり、チャーミングさや聡明さも兼ね備えた勇敢な女性。
加藤登紀子さんの低音ボイスがまた色気があって魅力的な大人の女性を演出し、まさにジーナという感じがして好きです。

ジーナの様な女性になりたい!と本気で思っています。



次はフィオシャンパンキャップ
可愛らしい見た目と真逆で男勝りで強い飛行機の設計士。元気で明るい純粋な少女な面もあって、ちゃっかりしてる所も頼もしい。
ジブリ作品の女の子と言えばこう!という様なキャラクター。



マンマユート団ボスコインたち$
乱暴な言葉遣いで荒々しい空賊団のボスなのにどこかマヌケな所があったり、フィオに言われるがままに素直になる所も可愛い憎めないキャラクター。
ポルコとカーチスとの最後の一戦で記念写真を撮るシーンでは、自分がフィオとツーショットを撮りたいから周りを殴り飛ばしてちょこんと手を添えて満足そうに写るシーンは好きなシーンの一つです☺︎


カーチスアメリカサングラス
自分が大好きで自分に酔ってる所が途中から可愛らしく見えてくるカーチス。
恋に落ちやすい所も本当はピュアな心を持ってるのではないかなと思います。
ジーナが「私あなたのそういうバカっぽい所好きよ」という言葉通り、ちょっとバカっぽさがいい感じがします。



ジブリ作品の中でも荒々しい男たちがちょっとぬけていたり、バカっぽかったりする所は大きな魅力の一つな気がします☺︎
「天空の城ラピュタ」に出てくる空賊ドーラ一家の男たちなど。


私の中では宮崎駿監督らしい描き方だなと思うところです!

ひとまず『紅の豚』については今回はこの辺にしておきます豚

ではまたあしあと