札幌を出発し、まずは日本海側のオロロンラインを経由しながら、ひたすら北を目指すことにしました。


(オロロンライン、留萌郡小平町にて)


今回のソロツーリングの到達目標地点は、日本最北端と通常は呼ばれている“宗谷岬”です。


宗谷岬の海のかなた43kmの地点には樺太(サハリン)があります。


先の大戦で本土決戦が行われたのは沖縄だということは有名ですが、当時日本の領土であった樺太(南樺太)でも本土決戦が行われていたのです。


それ以降樺太全土は現在もロシアが実効支配を続けている歴史的複雑さを示している島であるわけです。


この様にいま戦時下にあるロシアは、日本とは因縁の深い隣国なのです。


まだ“旅”の途中ではありますが、今回の“旅”の折り返し点である宗谷岬は、日本人であれば様々な思いが去来する特別な岬であるわけです。


(宗谷岬平和公園からの遠景)


“宗谷岬”は稚内の町に突き当たり右折し、宗谷湾沿岸をしばらく走ると見えてきます。


私はバイクを運転しながらこの“宗谷岬”が見えたとき大きな声でこう叫びました。

「やってきたぞ!」

何故か岬が見えてきたときに少し泣けてきました。


それは単にここまできたかという達成感なのか、それともこの年齢になったことにより涙脆くなったからなのか?


そうではなく、北の大地の哀しい過去を思ったからなのか?


ヨーロッパ、大西洋に面したポルトガルにロカ岬というところがあります。


その地にはこう記された石碑が建っています。


“ここに陸終わり海始まる”


(SNSより拝借)


はたして日本の最北の地、宗谷岬に立った旅人(日本人)はここでなにを感じるのでしょうか?







宗谷岬のモニュメントのすぐ近くには遠く樺太の方向を見つめる“間宮林蔵”の銅像も建っています。


故、間宮林蔵がいま生きていたならいったい何を思うのでしょう。





大分、ツーリングの四方山話としては重いものになってしまいましたが、忘れてはいけない日本の歴史の真実を考えることもまた“旅”の大切な要素だと思っています。




(宗谷丘陵にて)