現在私たちの自治会は非常に揺れています。


今回は自治会でサポートしているある楽器のサークルです。実は小学生のサークルで、先生を呼んで月に2回レッスンしています。参加している児童は20人くらいといったところでしょうか。傍から見ますと習い事サークルです。


このサークルがこの度「県民文化祭」への出演があるそうで、この出演のために30万円を出せとの申請がありました。


30万円の内訳を見ますとまぁ、何から何まで入っています。大人子どもあわせて19人の交通費、宿泊費、食事代、車の運転手の謝礼など顎足つき一泊二日で30万円です。


これとは別に年度の初めに50万円の補助をしています。つまり今回の申請を認めると合計80万円をわずか20人の子どもたちのサークルにお金を突っ込むことになります。


このサークルの代表者がこのブログでも度々出てくる「気に食わなければ怒鳴り散らす元役員」の方です。


実はこの方は元隣の市の職員でした。つまり地方公務員です。


あまりに請求額が高いので臨時役員会を開催しました。いくらこの元役員の方が怖いからと言ってこんな無茶な申請は認められません。ほぼ役員全員がこの申請を認めるわけにはいかないという意見でした。


ところが一人だけ出すべきという意見がありました。


なんと自治会長です。。。


もちろん元役員に恫喝されることを恐れているということもあるかもしれませんが、話を聞くと、

「今年は行事も中止になってお金を使っていないのだから30万円くらい出したらどうだ」というようなことをおっしゃっていました。


私を含め他の役員は皆唖然としました。「30万円くらい。。。」


実は自治会長も公立学校の先生だった方で地方公務員です。


この時は公務員出身者と民間の一般事業会社や個人事業者とのお金に対する認識のギャップを痛感しました。


やはり民間にいる者はイヤというほど売上とコストを気にして生きてきています。一個売って何円の儲け、一個作っていくら、コスト削減策が頭の中を駆け巡ります。それだけではありません。同業者との競争、海外企業との競争、債権回収、期日決済にもさらされます。会社にいれば販売効率向上、生産性向上が突きつけられます。あちこち駆けずり回り、這いずり回ってお金を稼いでいます。30万円稼ぐことは容易ではありません。しかも上司や株主に報告し、業績についてあれこれ言われるのです。


しかし公務員は少なくともこの売上やコストを気にする場面はほとんどありません。お金は納税者が納めてくれる、お金を使う方で予算を着実に執行することが仕事です。報告と言っても上司も売上やコストを気にする人ではないですし、議会も皆さんの税金から給与を支払われています。


長い間そのようにしていますと、お金は使うためだけのものという考えが染み付いてしまっているのでしょうか。もちろんすべての公務員がそうだとは申しませんが。


自治会会員さんだって同じだと思います。先の会社で一生懸命働いて得たお金から会費を支払っているのに、全く自分たちに還元されない僅か20人での県民文化祭出演経費に30万円も使われたらちょっと一言言いたくなるでしょう。私たち役員だってどうやって説明したらいいのかわかりません。


つまりは自治会全体の財政規模を踏まえたバランス感覚が重要になってくると思います。いくら自治会の事業を一生懸命やっていたとしても経費負担が莫大で重荷となればその事業は続けるべきではありません。


このようになると、公務員って自治会役員には適さないのではないかと思います。これまでは市役所との折衝や手続などで大いに経験を活かしていただけるかと思っていましたが。。。


自治会の2000世帯5000人と元役員1人のどちらの考えをとるのか、二人の元公務員を中心にまだまだゴタゴタは続きそうです。