第19回 ヴィクトリアマイル | Apocalypse NoW

第19回 ヴィクトリアマイル



パドックでは文句なく

ウンブライルとマスクトディーヴァがよく見えたんだけど……

ナミュールもわるくはないけど、気迫漲るという感じではなかった……

それでも悪くても3着までには来ると思った……

ほかはサウンドビバーチェ。テンハッピーローズのデキもいい。大きく荒れれば5枠の2頭かもと冗談まじりに……笑

あと8枠のフィールシンパシー。ドゥアイズもよかった……



スタートでナミュールとルージュリナージュが出遅れる。モリアーナはスタートは出たけどテンに行けず同じく後方からの競馬に……

観衆はどよめいたけど、もともと後ろからいく馬だし、大勢に影響はなかったはず……

前半3ハロン過ぎモリアーナとナミュール。最後方にルージュリナージュの隊列で通過する


前半3ハロン33.8と桜花賞やNHKマイルより流れる。


逃げるコンクシェルと番手を行くフィールシンパシーの後ろでルメール騎乗のフィアスプライドががっちり勝ちに行く競馬を試みてる。併走するのは秋華賞馬のスタニングローズ。


4コーナーを回ってコンクシェルとフィールシンパシーの叩き合いは残り300mでコンクシェルが止まり、フィールシンパシーが先着する。フィールシンパシー12着、コンクシェル13着だけどその差は3馬身差……


その後ろの攻防はフィアスプライドとスタニングローズ。戦績的にはスタニングローズが上だけど、実際は残り300m地点でスタニングローズが脱落。あっさりと決着がついた。生き残ったフィアスプライドはゴール板まで勝ち負けを争うことになる。スタニングローズはフィアスプライドと3馬身差9着に……


その後ろウンブライルがマスクトディーヴァと並んで中段を追走している。川田のアクションを見てるとスタートを出たあといつも通り下がりそうになる馬を、隣を走るマスクトディーヴァに併せるように意図的に動かしているようにみえる。4コーナーを回る時には従来は先行馬であるサウンドビバーチェとウンブライルが馬体を併せて回り、マスクトディーヴァはその後ろという流れ……

ウンブライルはサウンドビバーチェとの追い比べには勝って一時は3着の可能性もあったが、最後まで伸び切ることができずにその後ろにいたドゥアイズに交わされてしまう。

手応え十分に直線に入ったマスクトディーヴァはサウンドビバーチェとドゥアイズの間を突こうとするも外のドゥアイズが譲らず進路が開かず完全にブレーキ。そこから内を縫って進路を探しつつ伸びて来たが3着まで来るのが精一杯だった。


先週のNHKマイルも直線の有利不利があったけど今週も再燃

さらにマスクトディーヴァに取っては東京新聞杯での悪夢再びとなる。不完全燃焼。アンラッキーとしか言いようがない。


流れは前半5ハロンが56.8。後半5ハロンが58.0となり、完全な前傾ラップとなった。

逃げ組は止まり、かといって完全な追い込み競馬にもならず、全体的には緩急のない流れで、こうなると馬によっては脚が溜まられない馬もいたように思う。当日の府中が前が止まりにくい馬場だったのも影響して、それらの要素が複雑に絡みあっての直線の攻防となった


後方待機組では本来先行して競馬をするハーパー。不振が続くキタウイングは別として流れ的には前が止まらない以上タフな競馬となり万事休す。ルージュリサージュ。モリアーナ。ナミュールの追い比べは迫力不足で上位を脅かすほどの伸び脚ではなかった。それでもこの中で最先着したのは1番格下のルージュリサージュ。レベルが違うはずのナミュールが1番伸びなかったという逆転現象が起きる。



重賞未勝利。2着すらなく、今までオープンではリステッドレースの朱鷺ステークスの1勝のみ。それもサーマルウインドとクビ差の辛勝しかなかったテンハッピーローズが悠々としまいを伸びし、ゴチャつく2着馬以降を1馬身1/4切り捨てての完勝。滅多に見ることのできない究極のジャイアントキリング!!


テンハッピーローズは21年6月より17戦中15戦が1400戦であり、いつもは後ろから末脚を伸ばして上がり33秒台を連発して足りない競馬を繰り返していたが、1600戦の2戦では中段から競馬ができていて、それがこの大一番で実を結んだ!?道中8番手から外目をスムーズにノープレッシャーな競馬。常識的に考えれば1ハロン距離が伸びたからといって確実に33秒台で伸びるとは限らないのだけど……近走2戦の上がりは34.0と33.2で、あと出しで見れば可能性もなくはなかったか……笑




蛇足として、テンハッピーローズのキャリアの中、唯一のスポットライトと呼べるのは20年10月30日のG3アルテミスステークス。このレースでテンハッピーローズは2馬身1/4差で3着に入った。この時勝ったのが、のちにG1を3勝するあのソダシである……



直線、完全な勝ちパターンだったフィアスプライド(この馬は強い!)を外からひと脚違う末脚で伸びてくる馬を誰もが一瞬ナミュールだと思い違いしたかも知れない……笑

そういった意味で、テンハッピーローズはナミュールの見事な代演を果たしてといえる。

まさに一世一代の名演であった!!


そしてこの勝利によって

繁殖としての違う未来を確実に掴み取った。



鞍上の津村騎手はキャリア21年目、48戦目にしてのG1初制覇。同期の川田や藤岡佑介、吉田隼人騎手らの影に隠れ続け脇役であり続けても、いつかは報われ、スポットライトを浴びる日が来ることを人馬一体となって証明した……

その時ジョッキールームでは、津村騎手を推す声一色に包まれたという……笑



まさにたった1レース……


1分30秒後に

世界は劇的に一変した……!!!




追伸


14番人気。4番人気。1番人気と入って

3連複の配当が43750円。ナミュールが飛んでこの配当は全くつかないとしかいいようがない。

テンハッピーローズ本命対抗で勝った人は万々歳だろうけど、穴馬として見出した人は全く報われなかったのではないだろうか……