映画 『君たちはどう生きるか』 | Apocalypse NoW

映画 『君たちはどう生きるか』




寝静まった町
灯火管制?

空襲警報?

半鐘


空が赤く燃えている……


火事!?


遠くに見える火元


風に乗って火の粉や燃えカスがここまで飛んでくる


火元は母さんの働いている病院

なんでだ?!!

それは、これから降ってくる禍いの予兆……?


「ぼくも行きます!」


現場に駆けつける

最早手遅れ……



業火


炎の中に見た母の面影……



町中を当たり前のように走る戦車の列



戦争が始まって三年目

母さんが亡くなった……


戦車の葬列……

道の両脇でそれを見送る民衆


四年目……

疎開する



『 君たちはどう生きるか 』



疎開先

まだ鉄道も通っている……

お出迎え……

母さんのそっくりさん……!?

夏子さん

妹?


「あなた」!?


お父さんの勝一はそのまま乗り合いバスに乗って工場へ、眞人はこのままお屋敷へ……


自分の役どころを察して、さっさと動く


新しいお母さん?!

すでに父親とは密な関係が築かれてる……!

いつの間に……!?笑


お腹の中にはすでに弟?!妹?!

いつの間に……!!笑


家内の妹とくっつく……

それはある種のタブー?



武運長久

武人としての命運が長くつづきますように……

それは儚い願い……


出征してゆく若者……

この田舎町にも戦争の靴音は確実に……



ひとを殺しに行くことが

お国の為に戦うことが

そこで名誉の?戦死をすることが

当たり前のように

万歳された時代……



迎えの車は人力自転車……



丘の上にある広大なお屋敷……


獅子瓦の上にサギの姿


眼下に見える軍需工場

そこが父親が働く場所


表玄関から屋敷内に入る

それを出迎えるように青サギが飛んできて

枝に止まる


歴史ある建てもの

屋敷全体がアートでできている……


よく手入れされている

長い長い廊下……


さっきの青サギがどう見ても意識的に?!

廊下を滑空してくる……

挨拶代わり?

それは滅多にない光景……?


のぞき屋の青サギ……?


青サギが飛ぶこのお屋敷周辺と

それ以外に引かれてる境界線……!?


ここはなにかを創作する場……?



家には

生気溢れる七人のばーさん

ハウスキーパー役?!


そのそばに寝たきりのじーさん……

その横に手を握るもうひとりのじーさん

生気なくくたびれてる……


東京土産は

数々の缶詰。お砂糖。タバコ……



「なんにもないと」

「いいがねぇ」



大伯父が遺した

屋敷内に点在する創作の萌芽……



新しい住まいは離れの二階

用意されていた自分の部屋


ベッドカバーが

プロペラ柄のように見える


部屋に入ってすぐ寝入ってしまう

キレイな寝顔……


夏子の口紅


窓の外に青サギ

間違いなく意識的に

何んらかの用がある……?!



そこで見るのは火事の悪夢……


業火の中


「かあさーん」

「まひと!」


告げられる「さよなら!」


「いまいくよ!」



自室から外に出る……



池にいる青サギの姿

眞人の姿に呼応するかのように羽ばたく

自由に飛べる空……

森の奥へ……


敷地内にある塔の天窓の中へ……

そこが青サギの棲家?


あとを追う眞人


泥濘


そこは草木に覆われた

四階建て?の廃墟 


「眞人さーん」


今呼んだのは夏子さん……


眞人を探す夏子たちの声

呼び止める声には耳を貸さず

廃墟の中へ……


入り口が塞がれている……


それでも入ってゆく……


青サギの羽に導かれて……


体がギリギリ入るくらいの隙間、割れ目

その中に無理矢理体をねじ込もうとする

その先に見える階段

その先に広がる世界……

一度入ってしまったら

戻れる保証はないのに……?!


「ぼっちゃーん」


今呼んだのは

ばーさんたちの声……



とどまる

手の中の羽が消えていた……


大伯父が建てた塔……


とても聡明で

本を読みすぎて

頭がおかしくなった……!?


ある日読みかけの本を遺したまま

跡かたもなく姿を消した……


塔の地下には迷路のようなトンネルがあるらしい……!?


祖父が閉じた塔の入り口……



2100時


眠れない



階段の上で寝入ってしまう

業火の悪夢

母が助けを呼ぶ声が聞こえる……


「マヒト」

「たすけて!」


言葉が変わってきてる……?


帰って来る父親……

「おかえりなさい」

「ただいま」

階下でみる

男と女の姿……

それは見たくなかった姿……!?

母親として?父親として?女性として……?




翌朝

朝食

新しい家族の風景


サイパン島陥落

以後、これによって

東京空襲がはじまる……


新しい学校


DATSUNで通学


転校生


反感を買う

いさかい、ケンカ


大きなダメージはない……


帰り道

わざと自らの頭に石を……

手加減なし……?!それは暴力的!?

顔を伝う真っ赤な血、結構な量……

それは少年が様々な伏線のもとにつくった

悪意のフィクション


工場から飛んで帰ってくる父親


「ころんだだけさ」


ウソをつく……

ここが出番とばかりに熱を帯びる父の姿

大事な息子

息子の仇討ち?!

学校にクレーム!?

勝手に動きだすストーリー


騒ぎの中

そのまま寝入ってしまう……



「マヒトタスケテ……」

「マヒト!マヒト!」


言葉を喋る青サギ


それは母の台詞……?


追い払う

それは向き合いたくない現実……?


魚を丸のみ……


「オカアサン、オカアサン……」


それは眞人の台詞……?



自らのケガの所為で寝こむ……


頭痛


枕元に夜通し?看病のばーさん


天井、足音

屋根の上を歩いてる……?

青サギの足音がどうしようもなく気にさわる


ベッドを抜け出し

木刀片手に青サギ退治……!?


自ら向かってくる青サギに

木刀一閃も先端を喰い取られる


「お前は何者だ」


青サギの口に人間のような歯が生えている


青サギから告げられる言葉

「母君のもとへ案内しましょう」

「死んじゃいない」

「遺体を見ていない」

「母君はあなたの助けを待っている」

それはさっき夢の中できいた言葉


かあさんが生きている?

それは真実なのか?願望にすぎないのか?

出まかせなのか?


大勢の池の鯉

大量のヒキガエル

大合唱!!


「おいで下され」


眞人の体を覆い尽くすヒキガエル

これはヤバい現象なのか?!!



呼び止める声がする……



継母が放つ鏑矢



悶絶する青サギ


青サギの中に何かがいる……?!

二重構造……!?


「お待ちしております」


言葉がかけられる

自分が行くべき場所……!?


気を失う……



水中……

ゆっくりと浮上してゆく……

ベッドの上で目覚める……



犯人探し!?

300円寄附

勤労奉仕ばかりの学校

父親のストーリーは勝手に進んでる……



止まる鉄道……


夏子の具合が悪くなってゆく……



あれは夢……?!

ボロボロに崩れる木刀……

ふしぎなことがたくさんあるお屋敷?

すりガラスの外に青サギの影


「見事なものだろう」

「美しいですね」


家に持ち込まれる戦争……

前後を工員たちに持たれて……

たくさんの戦闘機の風防

それは棺桶に見える……?!


この時期まだ

まともに戦闘機を量産できたのか?!



「おいしくない」


ばーさんたちと昼食を囲む


タバコモドキ

イタドリの葉で吸ってる気分を味わってる

じーさん



悪阻?!


からだの中に心臓をふたつ持つこと……



自分の時もたいへんだったらしい……?!



夏子さんのお見舞い

ベッド脇に置かれてる弓矢

頭の傷のことを詫びられる……

薬指に結婚指輪


ついでに持ち出すマッチ



窓ガラスの向こうに青サギ

口の中からもうひとつの顔が見えてる


「あなたはダーレ?!」


ポケットに忍ばせていた

折りたたみナイフを構える

いつの間にか武装した……!?


「お待ちしております」


かけられる言葉……


気がつけば常に青サギの存在がある……



じーさんをたらしこんで

タバコと引き換えに得たナイフ

砥石で切れ味アップ!!


青ダケでつくる手づくりの弓矢


クギ?の矢尻

殺傷能力……

羽根のない矢

うまく飛べない


ひとりのばーさん(きりこさん)から

タバコ(ひかり)ひと箱を条件に

本物の弓矢との交換を持ちかけられる


それは大人の取り引き……?

死の商人ごっこ……!?


タバコが無くて幸いした?!


出来たばかりの弓矢を手に

戦場へ……これはごっこの域なのか?


落ちていた(わざと?)

青サギの羽を拾いあつめる……



夏子さんが森の奥に入ってゆく

のを目撃する……



青サギの羽を矢の羽根に……

切れ込みを入れごはん粒を接着剤にして


試し打ち

壁に突き刺さる


かなりの破壊力

大幅戦力アップ


眞人の中にある

好戦性……!?



机の上に積まれてあった本が崩れ落ちる

その中にあった「君たちはどう生きるか」


「大きくなった眞人くんに」


それは母からの伝言……


思わず読み耽る……


泪……


いなくなってしまったのは眞人ではなく

夏子さんの方……


「ぼくもいく!」


それは以前眞人が言った言葉……


弓矢を手にして……



見なくなった青サギ



アーチ状になった「トトロ」っぽい

樹木に覆われた真っ暗な樹林の中

きりこばーさんとふたりで捜索に向かう


連れのきりこさんはとり目

夜は見えない……

いきたくないといいつつ

ついていくきりこばーさん


かつてあった径


夏子さんは

来たくて来たんじゃない?

ならばなにゆえ?



径はあの塔につづいてた……



別の裏口?

誘うように明かりが灯る


ひとりでゆく……


塔の主の声は屋敷の血をひくものにしか聞こえない……?


このまま夏子さんがいないほうが

好都合……?


止めても聞く耳なし……

イヤだイヤだといいながら

きりこばーさんもついてゆく……


中に広がる空間


入り口が

入場を待っていたかのように崩れる……


壁画から浮き出てくる青サギ


導かれる……


サギの足音……


壁を埋め尽くす本棚

莫大な本に囲まれて……


その中心に

寝かされていたおかあさん?


あなたの母上……

今、それは誰のこと……?


ふれると液化してしまう

「惑星ソラリス」のように

イメージされたみず……?



死者の冒涜とは?


実体のないもの……


なにをもってそれをウソというのか?


なにが本当のことなのか?

ひとのいう本当とはなんのことなのか?



青サギの挑発……


弓を射る

風切りの7番


誘導ミサイルのように

あとをつけ回す

くちばしを射抜かれる

みずからの羽根の所為?!


青サギの中にいた

本体があらわになる……


鳥ニンゲン?


飛べなくなったトリ


飛べない鳥はただの……



人格はひとつとは限らない……



そもそもひとには外づらがあり

その中に他人には見せない部分を

多々抱えているのが常である……


普段見せない自分をみせるということは

その相手に対するひとつの突きはなしといえるのではないか?こんな自分を受け入れてくれるのかどうか?さらしてしまえばそこで関係が終わってしまう可能性は十分にあり得ること……



忠告?!

一転して逆のことをいう青サギ……


そこはいってはならないとこ?

いかない方がいいところ?



夏子さんのもとへ

自らの意志で……


「ご武運を」……!?

それは以前目にした言葉……



沈みゆく体……

「ナウシカ」の流砂のように……



言葉と体はウラハラ……

きりこばーさんもしずんでゆく



かつて浮かんだ水の中を

どこまでも沈んでゆく

深い眠りの底へ……?!


異世界?

マルチバース?

空想の世界……?


そこは寄せては返す波打ち際……

沖を航行するいくつもの帆船

それは「風立ちぬ」の飛行機の葬列と似てる



そこだけに樹林


その前に巨石


そぐわない金の門扉


白ペリカンの群れ



「ワレヲ學ブ者ハ死ス」


今まで積み上げられれきた知恵を学ぶだけでは十分とは云えない。自らの思考やいしをそこにくわえなければ、さきはみえている……



巨石の下に広がる深遠……


群がる白ペリカンたち


「いこう」「いこう」「いこう」……

「クイにいこう」「タテ」「アルケ」


旺盛すぎる行動……


墓の門?!


一艘の帆船

船を操る若い女

駆けつける


火を吹く鞭

ペリカンどもを追い払う


「たて」「コイ」


それはさっきペリカンたちにいわれた言葉……


墓の王?

納めた?


青サギの羽根はお守り?!


風を読む女

「クラリス」とおんなじように……

そう言えばあの時も樹海に迷い込んでしまった「アスベル」を厳しい口調で導いていたっけ……



風をつかまえる


風と波と雲と……


沼がしらにやられた傷は

眞人の傷と酷似



しまい(姉妹)波がくる




漁……!?

漁師?!


巨大な獲物、大物


「老人と海」みたいに船の脇にくくりつける


上から来た

下の世界


父さんのスキなひと……


死臭

生きてるからこそする臭い



死者の世界……



殺生するのはわたし……


汚れ仕事……


漁の分け前……


ぞくぞく住人たちが群がってくる


わらわら

これはもちろん

「コダマ」や「ススワタリ」……

腹わたの大好物らしい……



いただきます。


解体ショー


返り血をあびる……


さかなのハラワタをモロにみて

気絶してしまう……



若い女の家

テーブルのしたで

寝かされている眞人……


そのまわりを囲んでいる

六体のばーさんたちの人形


護衛?


女の人はキリコさん?!!笑

そう言えば一緒に沈んだはずのきりこばーさんは行方知れずだった……みれば着物の柄がおんなじだった……


ここのキリコさんはこのひとひとり……!?



緑に囲まれたキリコさんの家



機は熟した!?


わらわらたちが宙に浮かび

空を昇ってゆく……


二重螺旋を形成する


転生する

人間予備軍


飛来するペリカンたち


ペリカンにとってわらわらは

喰い物?

ジェノサイド!?

人口抑制?

寿命……?

自然の摂理……?


あっちのせかいでは

ペリカンは赤ん坊を運ぶ役目だったはず……


立ち昇る火柱

ヒミさま?


花火みたいに火の粉が拡散する

その火の粉が焼夷弾のように

ペリカンたちを燃やす


わらわらたちも無事ではすまない

飛び火をあびて燃えている


戦禍


それはおかあさんの火事の悪夢?

それとも戦火の犠牲になる子供たちの姿……



「ヒミさま!ありがとう!」


それは正しい行いだったんだろうか?

犠牲はつきものなのか?



生まれていった先にはどんな世界があるのだろう?どんな家に生まれおちるのだろう?

なんでみんな平等に生まれてこれないのだろう……?



寝つけない……


物音


よろよろになった一羽のペリカン

飛べない鳥は……

死ぬしかない……!?



眞人の手にはなにかを守る?ための武器……



わらわらを喰うために

この地獄にいる?!

それがわれわれ……


連れてこられた……?!


来たくて来たんじゃない……?!

それは召集令状?


喰うべきものが喰えなければ

次はなにを喰う……?!

喰えなければ生きていけない……


高く遠くへ飛んでも

いつも同じところにたどり着くだけだった

上の世界になどいけたためしなどなかった

空があるのにどこにもつづいていない……


この下りは「猪神様」の死に際……



この世界で果てしなく繰り返される

死と誕生と搾取と殺生の日々……


その隙をみて、数多のものたちが

なにかを抱いて数えきれないほど飛びたった……

それは本当の話……!?

しかし、現実にあるのはいまのこの世界……

こんな世界しか描けないのか!?

それはなぜなんだだろう……?!

とらわれた貧しいこころのままに……



人間が持つホンモノの武器……

想像力がどんどん失われている……!?



いつまで経ってもここから

抜け出せない……



飛べなくなったわらわらはただの……?


飛べなくなった青サギ……


サギの役割とは?


抜けバネ


夢先案内……?


埋葬

するのは人間だけ……

なんで埋めなければならないんだろう?

死体が朽ちてゆく様を見たくない?

死体に意味なんてあるんだろうか……?

死体の役割とは……?



青サギとふたりで

水くみの手伝い……


ののしり合いながらも

それでもつかず離れず

目標達成を目指す


心臓は食わないし

八つ裂きにもしないし

羽根をちぎってもなにも起きない……


仲直り?

ハタからみればともだちにしか見えない……


イマジナリーフレンド……?



ウソツキ

ずるい

ずる賢い


生きるチエ


ウソは本当

本当のウソ


すべての青サギはウソつき

それもウソ……


本当のことを一切言わないと

それは本当のことになる……?!



キリコさんから

バディになることを

決められる


互いにののしり合いながらも

目標達成を目指す姿はバディの典型……笑


おやかたさまはおおおじ?


夏子さん捜しの旅……


キリコさんから

きりこさん人形を託される

お守り


「また会える?」

「さあな」


抱きつく!!

それは若いキリコさんだったから?!笑


若いキリコさんとわらわらたちに見送られて

もう避けては通れない確信へ……


旅はみちづれ……



ここは昔、大伯父が想い描いた世界……!?



現世

村をあげての大捜索……

さがせるところはすべて探した……?!

夏子と眞人とばーやがひとり……

神隠し……?!


ばーやのあいこが

勝一に聞かせる昔話……


ある日

空から降ってきた火の塔……


謎は謎のまま

ずっと

ほったらかしに……


それに遭遇、接近したのが大伯父……

建物でまわりをおおった……!?

なぜ!?


工事中にいくつもの事故

何人もの死者……


眞人の母親のヒサコも一年間行方不明に……


大伯父も塔の中に消えたまま……


その後、眞人の母親は

なにごともなかったかのように

まんまの姿で戻ってきた……



話を聞いて

塔に捜索に出ようとする勝一

腰に日本刀。左手にチョコレート

右手にランタンのフル装備……笑



鳥ニンゲンの脚は

役立たず……?

山道歩行には向いてない……?

これはホント?



鳥の脚はなんのためにある……?



くちばしの穴をふさげば

また飛べるようになる……?


木の枝を加工して

突っ込んでみると

見事に青サギの姿にもどることができた……


これは青サギのくちぐるま……?


しかし、その穴はあけた者にしか

ふさぐことができないという……


木の棒はヌケやすかった……

くちばしの穴が完治するまで

ふたりはどんなに毒を吐きあったとしても

ふたりでひとり

一緒にいるしかない……?


眞人は青サギの吐く毒を完全否定することができない……

青サギはさっさと眞人を見捨てることができない……



であった家の主は

大きなインコ……

もとはニンゲンの家だった……?

とって変わったインコ……


大伯父が持ち込んだ

ペリカンとインコ……?!

増殖中……!?


それはこの世界には存在しなかった

外来種……?!


それはこのせかいを保つためのキーパー?!


それはなんでも喰らい尽くす

欲望の化身……?!


煩悩を克服するのが……

煩悩があるのがニンゲン……?



青サギが囮になることを申し出る……

それはあり得なかった言葉?


石壁の上を全速力で走る青サギ

鳥ニンゲンの時とはまるで別人だ!!笑


青サギの姿を視認すると

ガツガツ一斉に襲ってくる……


インコたちが青サギに群がっているスキに

家の中に侵入する眞人


離ればなれになる……


中はインコたちで埋めつくされていた……

作戦は無駄骨……?!

両側に並ぶインコの手には大皿が……

背後には包丁やナタを隠しもっている……


部屋の奥にある作業台


この世界でも

赤ちゃんには敬意をもっている……?!

しかし

眞人は欲望の対象でしかない……?!



にんげんもそうだと思うけど

子供は食べない……

つかまえても逃がしてやる……

それは慈悲でもなんでもない

もっと大きくなって

うまそうになってから喰らうのだ……

単なる執行猶予のようなものでしかない……笑



赤ん坊はわらわらとなって現世で産まれるのではないのか?この世界で生まれるとしたら、赤ん坊とはなにを指すのだろう……?



突然上がる火柱



その中に浮かびあがる顔、ヒミ様……

その姿は火事の業火の中でみた

母親のヒサコに酷似……


夏子さんを探すために

火柱の中に引き込まれる……


ここで初めて眞人は

母親の面影とひとつになる……



ゆき先は火のある場所

暖炉

ヒミの家……



向かいに見える

屋敷にあった同じ塔……

それは異なるせかいとじかんをつなぐ装置……?



ヒミがつくる

たっぷりのバター?とジャムをぬった食パン

思いだす母の手料理……



母さんは死ぬ……

父さんも死ぬ……

自分もいつか死ぬ……


生きてる時間をかんがえると

死んでる時間の方が圧倒的にながい……笑



窓の外を逝く船団……



庭は迷宮への入り口……


塔をまもっている?

インコの兵士……?



建物内の両脇に無数につづくとびら……


それは時空を超えて

様々な世界とつながっている……?


132番


それがかつていた眞人の世界……

戦争真っ只中の世界

向こうをのぞくと

捜索中の父親たちの姿がみえた……


追っ手にはさみ打ちにされて……


扉をうまいこと使って

インコたちを向こう側の世界に追いやる


向こう側の世界に出ると

大きなインコたちは

本来のインコの姿にもどる……


父親の勝一を

クソまみれにして……笑



「眞人がセキセイインコになっちまった!!」

勝一はみたまんまを信じるもの……?



ヒミ様は眞人を産むまえの若いすがた……?

これから月日を経て勝一と出逢い

眞人を産むことになるのだが

当然この時点で勝一のことは知らない

このとき前もってヒミは未来の結婚相手

をみたことになる……

やっぱタイプなのかな……?笑



深部へ向かう

眞人とヒミ……


石壁にとって

ふたりは招かれざる客……



夏子がいる産屋……



天井から

夏子のまわりを囲むように吊るされた

依り代……?


今度はさわらない……


異物である眞人の行く手をはばむ……


「むかえに来ました」

「帰りましょう」


「帰りなさない はやく」

「出て行って!!」

「あなたなんて大キライ」


それは決して口にしてはいけないタブー


激しい抵抗にあう……

それはいままで見たこともない夏子の姿……


「かあさん」

「母さん かえろう!!」


それは眞人がはじめてくちにした言葉……



たすけられなかった母さん

今度こそたすけださなければならない?!



大いなる石の主……?

それは最初にあった墓の王の巨石と

関係あり……!?



「そこにふすわが妹を…ここなる息子となる者の元へかえしたまえ……」



「王蟲」に返した「王蟲」の子ども……



それがいま現在のあるべき姿……

ヒミ、妹と息子のことを救う……


夏子母さんの存在が大きくなってゆくに従って

弱まってゆくヒミの力……?

力尽きる……とらわれの身に……



目を覚ますとひとりだった……



ひかりの向こうで眞人を待っていた大伯父……


大伯父がする首飾りは

まるで「王蟲」の目のようだ……


テーブルの上に積まれている8つの積み木

微妙なバランスの上に立っている……

三角と球体と円すいがひとつずつ……

なんでそんなバランスのとりにくいいしを

選ぶんだろう……?

あとは四角形だけど

わざとバランスをとりにくい組みかたにしてるのではないか……!?



「これで世界は一日は大丈夫だよ……」


その台詞に動揺する眞人……


いしのちから……


あとを継ぐ者……?


血縁……?


契約……?


うつくしい世界?

みにくい世界?


積み木をひとつ足すことによって

変わる世界……?


き(木)(気)ではなくいし(石)(意志)の問題……


悪意……

それはにんげんが生来もっている

おもいおもいやまいのこと……


憔悴……


若くあるべきこのせかいで

大伯父だけがひどく疲れきり老いている……



目を覚ますととらわれの身……



天空の真っ白い石は

研ぎ石にかわり

かつての眞人とおなじように

丁寧に包丁を研いでいるインコ……


大量の野菜や果物、食材

そこは調理場


たすけに来た青サギ

鳥ニンゲンの姿で……

仮面をかぶって……


ここから逃げるためには

暴力はつきもの……!

手にした骨で相手をなぐりつける……


それは「2001年宇宙の旅」で

人類が最初に手にした武器……



とらわれてしまったヒミ……

ひつぎのようなケースに入れられて……


大伯父のもとへ


同行するのはインコ大王とその手下……


取り引き……?

すべてをインコのもとに……!?


石の中はインコでいっぱい?

もういっぱい!?めいっぱい……!?

暴発寸前!?


禁忌……


こうなったのは大伯父の所為……!?

大伯父が描いたせかい崩壊の危機……

こんなことになるとは想ってなかった!?

これが望んでいたせかい……?



最初にあった役割は

そのうちその範囲を超えるようになり

増殖し歯止めがきかなくなり

タブーがタブーでなくなる危機……


そもそもルールとはなに……?



よくもわるくも

タブーはいつか破られるためにある……!?

破れなくなった時が人間の終演……


なんらかの問題を解決したようにみせるため

ルールを乱発し、どんどんがんじがらめになってゆく



螺旋……


インコ大王たちはヒミと共に

塔の中を上へ上へとのぼってゆく……

そのあとを追う眞人と青サギ……

つかまっていたツタが切れて落下してゆく眞人

そのピンチを仮面の青サギが救う……

それは以前ならあり得なかった光景……?!


救った青サギをロープがわりにして

自分ひとりさっさと上を目指す眞人……


追ってくる眞人をみつけ

足場を落とすインコ大王……


この下りはラスト近くの「カリオストロの城」……



昇りつめたインコ大王一行……



いしのちからは基本異物を拒否する

このせかいでは眞人だけが

受け入れられてる……



原型のインコたち(ご先祖さま?)が飛ぶ

そこは天国……?理想郷……?



せかいのバランス……



いまのバランスが崩れればせかいは終末をむかえるのか?なぜそうだと決めつけてしまうのだろう?せかいの可能性とは?未来の姿とは?

せかいはいまの延長線上にしかないのだろうか……?!



いまのせかいのありかたにノーといういし……

こんなせかいがひとびとが望んでいたせかいなのか!?



目覚めるヒミ……


世界をまもる?

めつ亡?

それはなんのことをいうのだろう……?



脈々とつづいてきたせかい

それを維持してゆくことを信じる者

これからそのせかいでいきてゆくもの

新たにうまれおちるいのち……

その与えられたせかいの是非……


ルールを守ることばかりにとらわれて

どんどん大切なあそびが失われてゆく……



「眞人は帰さなければいけないようだね」

「ヒミもおかえり」


自身の取り憑かれた妄想から解放された

大伯父を抱きしめるヒミ……

この部分は「もののけ姫」のサンと猪神様……



真っ白くみえる

いしの積み木に宿る情念


13コのいし

じしんの塔をきずく……


それでも眞人のことをくどき落とそうとする?

大伯父……それとも眞人の堅いいしを確認している……?!


ゆたかで平和な美しいせかい……?


頭に刻まれた

悪意のしるし


殺し合い

奪い合う

愚かなせかい……?


火の海……!!


裏切り行為……!?


インコ大王がその場の欲だけで積んだいしは

なんの理想のかけらもなく

崩れるべくして崩れる……


いつわりの理想のもとに

邪念を隠して積まれたいしは

いままで何度も崩れ

その度に何度も積まれ

また崩れた……


帝国の運命……?

なぜひとは帝国なんてものを

築きたがるのだろう……?!


インコ大王

怒りの鉄槌!!


にっちもさっちもいかなくなると

いつだってひとは暴力によって

ものごとを打開しようとしてきた……



描いてきた世界は

真っぷたつに割れた


それは真の意味でのリアル「ポニョ」

(せかいを洗うだけではすまなくなった……)

せかいのおわり……


鳥ニンゲン姿の青サギが

眞人とヒミに両足をつかませて飛ぶ!!

ふたりを救う……

飛べる鳥ニンゲンは……!!?



自分の時代を生きろ……

それはつぎの世代に向けた

大伯父の言葉


大伯父が信じ、必死につないできたせかい……


すべては御破算に……


若い世代に問うその姿は

まるで「ナウシカのユパさま」のようだ


時の回廊……


夏子さん

キリコさん

青サギ

ヒミ

眞人


みんなが迷わないように導くキリコさんは

まるで「カリオストロの不二子ちゃん」みたい



ここでそれぞれが本来の役へもどってゆく……

ヒミは眞人を産むために……

火事の運命もすんなり受け入れて……



ヒミとキリコさんは132番から

ひとつあけた扉のむこうへ……


母親のまなざし……

それは母が見ることができなかった眞人の姿……


眞人と夏子母さんと青サギは132番へ

そこに逃げてきた

インコたちがどっと押し寄せた……


インコたちも

この世界の姿に戻ってゆく……


与えられた役はこの時代の民衆が引きつぐ


崩れ落ちるこの世界の塔……

塔の中からとび飛びでてくるペリカンの大群

本来あるべき赤ん坊を運ぶために……?



あっちの記憶



ポケットに入っていたお守り

あっちの石ときりこさん人形


白くみえるいし……

いずれ忘れてしまうもの……

しだいに黒ずんでゆくもの……

だんだん遠くなってゆくもの……

それでも残り火のように

自分の中で燃えつづけるなにか?

それは自分にとっての大切なお守りになる……


ポケットのなかのいしは

これから自らでつみ重ねるべき

まだ白い創作の萌芽……


眞人の肩にとまってる青インコ……

きりこさんの肩にとまる

インコ大王?!


それは「ナウシカの肩にいるテト」……


いずれは忘れてしまうかもしれない

幼い頃の記憶……実感……

でも消し去ったわけではなく

必ずアタマのどこかにキズあとのようにきざまれている……

憶えていることは少しずつ改ざんされながら

いつまでも記憶のかけらとして定着され

いつか発芽する……



「あばよ 友だち」


元サヤに収まった青サギ……


人形から戻ったきりこばーさん


ふたりと共にした確かにあった冒険の日々……



あれからどれほどの日々が過ぎたんだろう?



なにごともなかったかのように帰還した……



再会……


ばーさんたちの手にホウキやデッキブラシ……

それはリアル「魔女……」?笑



終戦から2年後……


東京に戻る日……



無事に生まれた弟と

一緒に……


「君たちはどう生きるか」と共に……



登場人物たちは去り

物語はつぎのステージへ……



空っぽになった部屋にはみえない

数多の創作の記憶……



だれかの話がいつかはじまる……




大伯父の描いたせかいは

もちろんいいところもあったろうけど

いまのこのせかいをみれば

かんぜんな失敗作だったといえる……?



ウソをつくこと

それは決してわるいことではない

それが本当だろうが、ウソだろうが

そこに何を見出すか……?!

ウソ・フィクションをつくことは

人間の本質でもある



いまのようなギリギリのバランスで保たれてる世界のどこをどう守る必要などあるのだろう?このままダラダラ誤摩化しつづけていてもいつか破綻することは目に見えている。いままでのことはきれいさっぱりヤメて、全く新しい世界を築けるとしたらどんなにスッキリするんだろう……



それを守らなければ維持できないんだとしたらそんなものはぶっ壊してしまった方がいいのではないか?



現実と想像

想像した世界は豊かで自由だ

現実よりもよっぽど優れている

想像した世界で生きてゆくことは

可能性なこと……



過去作と同じようなシーンがあるけど
それは過去作からパクっているわけではなく
逆にあそこから
数々の作品が生まれでたと考えるのが自然


ひとがつくった完成品は一種のサギといえる


このせかいは常に変化をしつづけ
決して完成することはない……
あい対するひとがつくる創作物も
永遠に未完成のままであることをしる……


たとえば今が年老いて見る影もない老人であったとしても、当然そのひとにも子どもの頃や若かりし時やはじめての学校や仕事にときめいたり嫌気がさした時代があったはずであり、そのすべてが自分自身の姿であり、ほかのひとからはいまの自分しかみえないとしても、そのひとのおもいの中では様々な自分が存在している


いずれくるであろう火の海を超えてゆく
未来を描くこと……


なんのために人類は存在しているのか?

(夜のため人のためとかいう短絡的な答えでなく)もう一度根底から考えなおすべきとき……