映画 『 GODZILLA ー1、0』ゴジラマイナスワン | Apocalypse NoW

映画 『 GODZILLA ー1、0』ゴジラマイナスワン



生還

それは本来なら歓迎されるべき行為のはずだった……還ってきた仲間たちは祝福されるべき存在だったはずである

戦局が悪化するに従って戦死するものが増え続け、いつしか死んでいったものたちに対する間違った認識が生まれ、お国の為に死ぬことが美化されるようになっていった。名誉の戦士?
それは戦局や作戦の失敗による自分たちの無能ぶりを誤魔化す為の、明らかな責任転嫁のシロモノと化していく……


洋上を飛行する

一機のゼロ戦……


気がついたら死んでいった仲間たちのゼロ戦とは違う方向に操縦桿を回していた


島の穴ぼこだらけの滑走路に

慎重に着陸する

生還してきた特攻機

それはあってはならないこと?

ここは戦闘機にトラブルが起きた時に

臨時に着陸する不時着用の島



敷島浩一

恥ずかしながら生きて帰って参りました……



大戸島の整備兵たちから

注がれる不審の目……


特攻。玉砕。自決。


もう何年も前から

誰もが感じていた敗戦


その空気感の中で死ぬ意味とは?



異様な光景


島の周辺に

浮き袋を膨らませて浮かぶ多数の深海魚



呉爾羅



夜間


島に鳴り響く空襲警報


島に轟く咆哮……


それは人間が飽くなきつくってきた数々の武器とは異質なもの……


肉体的武装を極めようとしてる進化形態


何が目的なのか?

探照灯や積まれていたドラム缶ガソリンが爆発して、興奮している


ゼロ戦に装備されている

20ミリ機関砲


先制攻撃?


みんなを救うために?

敷島に命を懸けろという、この島の指揮官、橘


おそらくこの攻撃で成果はでない?

かえって反撃されて、被害が拡大するだけかも知れない……

特攻兵は怖じ気づいて

抗戦することができない

それは生物としてごく当たり前の行動……!?


しかし先に手を出したのはこちらの方

銃声。乱射。無駄な抵抗

敵の弱点をつく発想もなく

この攻撃がどう有効的なのかも考えずに

ただただ闇雲に

恐怖心からトリガーを引いてしまう

恐怖は連鎖する……


それが火に油を注ぐ


怒りが増幅されて

反撃に遭う。圧倒的な力の差

見る間に動くものが死んでいく

少しでも何かを仕掛けようとするものに

容赦のない鉄槌がくだる


破壊されたゼロ戦の爆風に飛ばされる敷島


意識を失う……

それはある意味幸運なことと云えた


翌朝……


海岸に並べられた

おびただしい整備兵たちの遺体


またも生き残った敷島

そして敷島に攻撃しろと言った橘も生き残っていた……どうして?



この下りのゴジラはキングコングっぽい?

縄張り?である島を蹂躙しているものに対する生物としての我慢ならない怒り?徹底的に排除しようとする意志。

このトリガーを引いたのはダレ?


あそこで機銃を撃っても

ダメージは与えられても

結果は同じだったんではないだろうか?



復員船


再び帰ることなく戦地に散ったもの

再び日本の地を踏む生き残ったものたち


この船上で橘と再会し

何かの紙包みを渡される


橘は自分が背負うべきものを

敷島に押し付けた。



生まれ育った東京は見る影もない焼け野原

記憶の景色は破壊し尽くされていた

予想通り生家も例外ではなく

家族も皆亡くなっていた……

戦争に行って真っ先に死ぬはずだった自分だけが生き残っている不思議……


隣のおばさんは生き残っていた……


「恥知らず!」


罵倒される敷島……


子供を亡くし、ひとり生き残った隣のおばさん……どうして?


「必ず生きて帰って来て下さい!」と言われた

家族からの言葉。


それを言い訳にして

ここまで自分を正当化してきた……

なんのために?



生きて帰ってきた意味…… 

明日を生きるためにすべきこと……



闇市である女から託された

赤ん坊……


それは今の世界ではやっかいなもの……


見捨てる?

見捨てない?


見捨てられない……


それは女も同じ


律儀に

取り戻しに来る


女も誰かから託されたらしい……


敷島の人柄を見通して

あとをついて来る……

赤ん坊の明子だけでなく、おっきい大人の典子まで、面倒を見ることになるのか?


目の前で死んでいった家族

生き残った典子……


家とは呼べないバラックのような住まいに

取り敢えず連れてくるが

「出ていってくれ」「ひとでなし!」

その不毛なやり取りの挙げ句

そのまま居座られてしまう……


見捨てられない赤ん坊

見捨てられなかった疑似親子

似たもの同士?お人好し?

このご時世に、それはいったいなんなのか……?


いきなりできた疑似家族


隣のおばさん澄子さんから

偽善者と呼ばれて……

人間も捨てた拾ったといわれるご時世……


母性と父性


知らなきゃよかったこと

見なければ済んだこと……

結局、澄子さんも放ってはおけない

まだまだ未熟なエセ夫婦には任せておけない

結局、赤ちゃんの面倒をみるようになっていく

無垢な赤ん坊を巡って

荒んだ大人たちがなんとなく救われてる図


職探し

結局なんのために……?


支度金三千円。高給……

命がけの訳あり仕事

機雷撤去の仕事


「死んだらダメです……」


それは敷島をこえて

そのまま自分たちの生活も……?!

だからその仕事を請けて!?笑


その数6万機


機雷の係維索を切断して、浮上してきた磁気式機雷を船に備えた機銃で撃って爆発させる


その距離300メートル外なら大丈夫

ミスをすれば即刻死ねる誘惑……


戦闘機乗りとしての度胸はないが

腕はあった!?


戦争とはなんなのか?

決してごっこではない

それでもごく平凡な自分が活躍できる場であるかのように錯覚している人は確実にいる

正義のためとか、お国のためとか、家族や愛する人のためとか、そんな言葉をどんなに紡いで自分を納得させたとしても、やってることは単なる人殺し、人非人の所行でしかない。

オマケの環境破壊、全く関係のない他生物たちをも巻き添えにして……

はっきり言って罪しかない……

そんな自分になりたいのか?

なった自分を想像できるのか?

殺される他者のことを考えられないのか?


夜毎、敷島を襲う悪夢の正体

それはあの呉爾羅ではない……

大戸島で死んでいった兵士……

ニンゲン……



1946年7月1日 

ビキニ環礁 原爆実験

すでにその威力をわかっていても

少しも懲りることなく

25日にも再度実験を繰り返している……



その対価……



ヤバい仕事についてから

バラックでしかなかった住まいが

家の形を成してきていた

米軍下がりの自家用バイク


表向きは少しずつ

人間らしい?生活を取り戻しつつあった……


これからもふたりと共に生きていく覚悟……

あれからずっと自分の中に巣喰っている

いつかは向き合わなければならない死の覚悟……


ここでこのままノホホンと暮らしていける訳もなく、いつかははっきりさせなければならない覚悟……その為のひとつとして仕事を見つけて自ら自立しなければならない覚悟……


このままではいつまで経っても噛み合えない

ふたりの関係……



銀座で見つけてきた事務の仕事……


着実に復興してきた銀座の街並み


いつの間にか隣の澄子さんが

明子の面倒をみるベビーシッター役に

なっている……



大破したアメリカ艦船



放射能に汚染された

謎の巨大生物?


自国の艦船がやられて被害が出てるのに

アメリカはこの件で前面に立つことなく

行けるとこまで日本だけで戦うことを選択

それは今現在もアメリカが展開してる

代理戦争の構図……?!



大戸島の悪夢……

深海から浮上してくる

浮き袋を膨らませた魚たち……



引かされる貧乏くじ

捨て駒?時間稼ぎ?


こんなボロ木造船「新生丸」に

日本の運命の一片を託すのか……!?笑


怪物退治の武器は

回収した機雷2機と13ミリ機銃だけ


重巡洋艦高雄が来るまでの足止め役

ここで撃破できなければなんの意味もない

役ドコロ



箝口令 

できれば隠しておきたい

自分たちにとって不都合なこと



敷島にとって呉爾羅は汚名を晴らすかたき役

であり恐怖の象徴



再会……



もう1艘の掃海艇があっという間に

海中に引きずり込まれる



明らかに異形化し、巨大化してる



ゴジラ相手に鬼ごっこ?

機雷攻撃を試みるが全く効果なし

機雷を喰わすことに成功し

敷島が機銃を乱射、機雷が爆発

ダメージを与えることに成功するが

ゴジラの口もとは驚くスピードで再生してゆく

ふり払ってもふり払っても消えない悪夢のように……


外的攻撃に意味がない……


その当時、旧日本海軍の中では最強と呼ばれていた重巡高雄が到着。その武力に期待が高まる……高雄の20センチ砲が火を吹くが、大したダメージも与えられず、問答無用で撃破される。


青白く燃え上がる海底

海中より強力な放射能熱線が放たれる……



はっきりと見えるゴジラからの怒りと殺意……



またも意識を失う敷島

生き残った敷島と新生丸……



死ぬべきだった命?

死ななくてもよかった命?

生き残った命

その線引き……



生存本能……



防衛線の機雷攻撃も焼け石に水


本土上陸……


復興してきた銀座が蹂躙される

 

空飛ぶ船


ゴジラの足もとを逃げ惑う人間たちは

ゴジラにはどう見えているのだろう?

脆弱で脆く、その肉体自体ほとんどなんの力も持たない、機械と一体化できなければ生存競争の中ではほぼ無価値に見えた……

自分の死さえ受け入れる覚悟もなく、ただ逃げながら叫び続けてる

おそらく踏み潰した感覚さえ

ないのではないだろうか?


銀座にいるであろう典子のことを心配して

向かう敷島


稚拙な情報統制は被害をいたずらに

大きくするだけ


歩く悪夢……


咥えられる列車

その中には通勤中の典子の姿が

間一髪外堀川にダイヴして生き残る


マツダビルの屋上から中継してた

報道陣は仕事を全うして

殉死する


破壊される建物

踏み潰される人間

振り回される鞭のような尻尾


ゴジラに追われて逃げる市民の中に

典子の姿を認める


「死んではダメだ!」


それは他人にはなんの躊躇いもなく

掛けれる言葉


手を取って一緒に逃げるが……



旧日本軍のボロ戦車が攻撃するも全くの無駄骨



地を揺るがすゴジラの咆哮


ゴジラの背びれが尾っぽの先から

せり出し始め、青く光だしゴジラの口から

強力な熱線が吐かれる。


瞬時に消滅する戦車群

吹っ飛ばされる国会議事堂

その周辺のあらゆるものが破壊される


それはさながら原爆実験で破壊された建物と同じ現象を起こす


巨大な爆風が起こり

敷島をかばって典子が吹き飛ばされていく



また生き残ってしまった

他者の犠牲のもとに

何もできずに見殺しに……



ゴジラが放った熱線の先には

巨大なキノコ雲ができている


容赦なく黒い雨が降りそそぐ


熱線を放ったゴジラの内部で核融合が起きている!?ゴジラ自身も決して無傷ではすまないのかも知れない……



絶望の中咆哮する敷島



被爆

原爆症



典子がいなくなって

残された敷島と明子それに隣の澄子さん

新たな疑似家族



米軍でも日本軍でもない

民間によるゴジラ討伐


艦が動かせるものたち

旧海軍のもの多数


せっかく生き残った命

もう二度乗ることはないと思っていた艦に

再び乗船するジレンマ


フロンガスの泡を使って

ゴジラを沈める

同じ泡でもオキシジェン・デストロイヤーとはえらく違う……


海神 (わだつみ) 作戦


やるか、やらないで黙認するのか?

ここではやれることをやるしかないと言い切って作戦遂行に舵が切られるが

今までのゴジラの行動を見ていると

攻撃してくるものに対しては容赦のない反撃が待っていた。かりにこちらから何もしなければ

ゴジラはいったい何をするのだろう?



「これ、絶対に死ぬってわけじゃないですよね」

「もちろんです」

「じゃあ戦時中より随分マシだ」


玉砕

特攻

自決

餓死

戦時中に横行した理不尽な死に樣



縄張り?

ゴジラの声、別個体?

ゴジラを生物として認識しようとする実直さ……笑



終わってない戦争……



再び戦闘機に搭乗したい?

見つかった「震電」

大戦末期に開発されていた先尾翼機

優秀な整備士の存在

大戸島の橘

生き残ったもの同士


デタラメな手紙で誘い出す

自分の特攻と引き換えに

橘を再び戦争へと引きずり込む



ゴジラが再び日本近海に接近

ゴジラはこの間何をしていたんだろう?

何しにゴジラはやって来るんだろう?


迎え撃つ為の出港は明日の0800


脆弱な装甲

脱出装置もついてない

補給軽視、現地調達による餓死、病死

それが戦死者の真実

特攻、玉砕

命を粗末にしてきたこの国の戦争のやり方を

断固否定!!


無血勝利を目指す


戦争に行ってないことは

とても幸せなこと


国を守るということ……

国とはいったいなんだ?

守らなければならない平和とは?

未来のために?

それは当然相手方にもある屁理屈……



特別仕様に改造された震電

機銃と燃料タンクの代わりに

爆弾がびっちり搭載されている



再び搭乗する戦闘機

今度は明確に特攻する意味がある?


生きて帰ってきたかった……

その為に取るべき最適解

そこを見誤れば当然結果は最悪となる

なんでもかんでも玉砕に走る

無能な上官、上層部は問題外として

大戸島での全滅は誰が悪かったんだろう?


震電に搭載されていた自推式脱出装置

そりゃあそうだろう……

かりに敷島がここで散華してしまったら

今後すべてを橘ひとりで背負い続けることになってしまうのだから……



明子と有り金のすべてを澄子に託す……



ゴジラ相模湾に侵入


震電出撃


明子の家に届く一通の電報……


ゴジラ呆気なく上陸


海神作戦、試すこともできずに

早くも失敗……?


海神全艦艇出港


成功するもしないもすべては敷島の誘導に

かかった


ゴジラからの攻撃をギリギリ避けながら

ゴジラが震電を敵と認識させることに成功

震電のあとを追ってゴジラは相模湾に戻り始めた。自らに仕掛けられた罠だとも知らずについて来るゴジラの姿は調教中の猛獣みたい……?笑


囮の艦艇に向かって熱線を吐くゴジラ

ゴジラさん、熱線は相手を見極めて慎重に吐かないとね……


海神作戦開始


決行までの間、ゴジラの注意を引く役に徹する震電


二発目の熱線が吐き出される前に

ゴジラの体は海の中に没水していった

目標深度達成

さすがのゴジラも急激な水圧変化に無事ではいられない……


ゴジラ沈黙?


しかし致命傷とはならず

第二弾としての急激な深海からの急上昇

ダイビングの減圧症でも水深30mから急浮上すると肺が破裂する怖れがあると云う

まして深海1500mから強制急浮上させられたらゴジラもたまったものではない。さすがに自己防衛本能でこの急浮上に待ったをかける


艦艇の力で無理矢理ゴジラを引き上げようとするがびくともしない……



このままの状態が続けばいずれゴジラは受けたダメージから再生し、その怒りの矛先は2艘の艦船へ、さらに日本へと向けられてしまう怖れがある。攻撃と反撃。

結局戦争とはこういうことの繰り返しになってしまうのだ。こんなことをいつまで繰り返せば戦争を無くすことができるのだろう?結局のところ、戦争を商売にしている国家や企業がいることが諸悪の根源……日本もいつわりの繁栄の為に軍需産業国家に身を堕とそうとしている……一度その一線を越えてしまえば、様々な利権が生まれ、もうもとには戻れなくなることをわかっていながら……

本来なら唯一原爆の洗礼を受けた日本は世界の先陣を切って世界平和の実現を目指すべき役割だったはずなのに……それは今起きてるホロコーストの被害者であったはずのイスラエルが全く同じことを他民族にやっている虐殺と同じ構図と云える……これらのバックには世界中で偽民主主義と偽正義を振りかざすアメリカの影がチラついている……



……このさらなるピンチに駆けつける民間人のタグボート群。作戦から降ろされていた永島のファインプレー!?


ここいらはノーラン監督の「ダンケルク」のノリ……笑



ゴジラ海面に浮上

しかし一気にとはいかなかった為

効果は半減か……?!


水ぶくれに覆われたゴジラ


ボロボロになりながらも

熱線を吐こうとする

背びれの発光から

口が大きく開かれる瞬間を待ち続けていた

敷島は躊躇することなくゴジラの口に特攻した

その背中を押したのは大戸島の兵士たちや橘であり、典子に明子。そして今まさにこの海上で戦っている仲間たちである……


ゴジラの口内で爆発する震電


ゴジラの頭部が吹っ飛ぶ


空に浮かぶ白いパラシュート

今度は明確な意志として、生き残った敷島……


敵に向かって放たれるはずだった熱線が

ゴジラの体内から四方八方

空に向かって放たれる



崩壊していくゴジラの体……



でもそれは自壊の姿に見える……

ここまでやられてしまったら修復するより

一度すべて壊してしまった方がことは早いのかも知れない……そしてそれは新たな姿を得る行為なのかも知れない……



全員敬礼!?

これは個人的にはよくわからない 笑

しのぎを削りあったものに対する敬意なのだろか?畏敬の念?なんの神?個人的には何人かが手を合わせるくらいの方が良かったように思うけど……



帰港


駆けつけていた澄子から敷島に電報が渡される

でも、有り金はわたしのもんだけど……!?笑


生き残っていた典子

なんでだ!?


病室


典子の首筋にある黒い痣の正体

典子が生き残れた理由!?

単純に考えればケロイドかも知れないけど

ひょっとすると

ゴジラ細胞と融合して、再生能力を持つことに成功?!爆風によって自壊した典子は見かけは典子でも新たな存在としてここにいる……!?




深海の奥底で再生を始めるゴジラの肉体

それはこの世から戦争が失くならい限り

恒久的に繰り返されるに違いない……



戦争とは殺すことが、死ぬことが日常になってしまう異常である。それに抗うこと。

それは命令などには従わず、何もせず、生き残り、生き続けること。

それこそが戦争に対する唯一の抵抗である。