映画 『 天間荘の三姉妹 』渋谷TOEI | Apocalypse NoW

映画 『 天間荘の三姉妹 』渋谷TOEI



「ようこそ、天間荘へ」


来客があるのか?
若女将が出迎えの練習をしている
なぜ?特別な客?
「初めまして、私があなたのお姉ちゃんよ」
笑顔の練習?鏡の前で……

もうひとり、二姉妹?
今日から三姉妹に……?!


旅館のポスター

三ツ瀬に甘えたい


このセカイにおいて
活きのいい魚って……?笑


回廊…………?



来客はタクシーに乗って

なんでここにいるのかわからない……

顔色が悪い……?

海沿いの路を……

ちょっとだけ「シャイニング」っぽい


向かうは

五代続く老舗旅館……?!



地表と天界の狭間……三ツ瀬?



天界に逝くのか?

地表に帰るのか?

それを自分自身で決める

猶予の場所……


でもその実は……?!


大女将は昼間っから酒浸り

意外にも人間臭い?!笑

来客は巡り巡ってやって来た奇縁?

腹違いの子供……?


MITSUSEタクシー


運搬人のイズコ

黒装束


旅館の前に広がる海……

美しき世界……

テンション高まる客人


今日から三姉妹……!?

3人とも父親が同じ


ノゾミ。カナエ。タマエ。笑

欽どこの「わらべ」か!?


怪しすぎるタクシー運転手……笑

サングラスにマスク姿

モジャモジャロン毛


連れて来られたタマエ

事故の記憶がない

飲酒運転のトラックに……

母親とは三歳の時に死別……

また逃げた父親?

ヘヴィだったこれまでの人生……

現世では臨死状態

ここではそれはリアルに感じられない……

取り敢えず海へ……


大女将はタマエのことが気に喰わない?!

出ていった旦那の子供だから?

全くの赤の他人てことになる……

姉妹とは当然血縁関係がある……



半分身内



あの娘には

生き返れる可能性……!?


私たちは

二度と地上には戻れない……?!



波打ち際

白い砂浜に大の字になって寝そべるタマエ

逆さまに……


そこから海へ……

空へと……

パンアップしてゆくカメラ


見上げた空がくれたもの……



タイトル 『天間荘の三姉妹』



歓迎の晩餐は、リアルに美味いもの

舌鼓、次々にたいらげる

口に入ってても入れる

ちゃんぽんで食べる


「すみません……」


オドオドして

すぐに謝る口ぐせ

父親似?

それはこれまでの人生を表す

世渡り言葉……


大女将から

さっさと出ていかないのなら

ここで、働くことを命じられる

それによって得られる居場所と大義名分


今の自分では生きる意味も、死ぬ意味も

見つけられない……

働くことで見つかるもの?


オモテナシの心

仲居役として……



任されたのは若女将が持て余している

気難しい老婆、ザイゼン


「美しい景色だけが見たい……」


若女将のノゾミに苦言

活けた花は最悪、その作り笑顔も……

形だけのオモテナシ……

見透かされる若女将

底が浅い。遠浅の接待。自覚あり 笑


飾ることのないタマエに好印象……



現世録



それは亡くなった人の人生の記録

これを事前に読んでベストの接客を目指す

財前は肝臓癌で緑内障を患い失明……



水族館でイルカ(タクト)の調教に勤しむ次女のカナエ


魚屋のカズマと恋仲!?

カズマが盗もうとするキスは魚と……笑


この世界でやりたいことを

生き生きと演れている姿……



早速旅館の仕事に励むタマエ

回廊を雑巾がけ

調場で魚の捌き方を板長から教えてもらう

さかなクンが魚にビビってどーする!?笑



ザイゼンに美しい景色を見せる為に

連れ出す、ノゾミとタマエ

心の眼で見る?

このあたりで有名な滝へ

心が動かない……

満足できずに海へ

海を眺めるザイゼン、放ったらかし状態

掛ける言葉がない、お手上げのノゾミ

そんなザイゼンにタマエは声を掛ける


「海が好きなんですね」


お互い訳ありの人生……?!



洗い物をしてるタマエに

クレームをつける大女将

すぐに謝るクセ……

家族ごっこしてるんじゃない

すぐにまわりの所為にする性根……


大女将はタマエの現世録を読んでいる……!?



主人はすっといなくなった……


愛用のカメラを残して


七五三の写真を一枚だけ残して……



後ろ向きか?前向きか?

それはどうとでも取れるもの



緑内障

失われた視力

汚いものが見えなくなった……


ザイゼンのサングラスを取るタマエ


この世界に来たら

全部見える……

体の痛みもなくなった……

居心地が良すぎる世界

久しぶりに見た自分の顔

そこに映った変わり果てたババァ顔

目が見える良し悪し……笑


「ステキですよ」


全肯定


この旅館を吹き抜ける

タマエは風になった……



海上、漁船の上

カナエとカズマ

波に揺られて……


このままを望むカナエ

それに全面的に同意できないカズマ……


ここにいる人たちは

震災で一度に亡くなった人たち……

だから家族ごとに居れる……


生き別れ……

親父は生き残り

息子は亡くなった……

現世、親父は新居にひとり……

それは誰にとって喜ぶべきことなのか?



目の前に広がる今は穏やかな海……



水族館。


ノゾミとカナエが幼い頃に出ていった

記憶にない父親……

母親からボロクソに聞かされてる父親像

タマエには優しかった父親……

ギャップ?!

なんで消えた……?


カナエの仕事場

イルカの学校、調教場

イルカとの触れ合い……

ドルフィンセラピー



走馬灯。



それは、今までの人生を映し出す……!?

今までの人生はないに等しい……

見たくもない……否定するザイゼン……


それは大切な証?肯定するタマエ……


誰もがそれがどんな人生であろうとも

自分の人生をそっと肯定して欲しいと

願ってる……ダメ出しは自分自身で自覚していても……


それは誰目線によって映し出されるものなのか?


一緒に振り返る人生……


マッチ一本の明かり

出づる人生の明と暗……



それは、人に見せれるシロモノなのか?

とてもじゃないが自分は観せれるレベルではない……笑

自分の暗の部分を忘れることなどない

それはふっとした瞬間に

脳内再生されるものだ……



映し出されるザイゼンの人生模様……


幼少期から大人へ……

山あり、谷あり

喜怒哀楽の日々……



スナック 「 防波堤 」



現世、病床に娘と孫娘の姿……


孫娘が自分の手を握っているのが見える

それは思っても見なかった美しい景色……?


今はタマエが自分の手を握ってくれている……



そもそも走馬灯とは何分くらいで観れる作品なのか?普通に考えれば、その人の年齢分の時間がかかってもおかしくないはずだけど、いったい何倍速で観せられるのか?もしくはなんの意思のもとに編集されているのか?知りたい……笑



天間荘では姉妹喧嘩が勃発


誰のおかげで……

少しは感謝しろ……という家族間の禁句


女優を目指した長女

結局、エキストラ止まり……

次女は旅館の仕事そっちのけでし放題……

長女も逃げ場として女将を演っているだけ?

偉そうに言えた義理はない


大女将も加わり貶(けな)し合い……


帰って来たから死んだ……?!

帰って来なければよかった!?


この世界に来ても

自分の演りたいことをやってはいけないのか?


この世界でも喧嘩や罵り合いがあるのか?

なんの為のこの場所なのか?



翌朝の朝食は意外にも大女将が作った……


オムレツ。南瓜の煮付け

たくわん。味噌汁


三人はオムレツを右端から

タマエだけが真ん中から箸を付ける


さすがの味……


結局、三人、謝りあって……

ついでにタマエも謝った……笑



天間荘に新たな泊まり客が……


革ジャン姿の尖った女の子、ユーナ

自殺未遂でここに……


絵を描くことだけが唯一の救いだった?

高校時代……

それに自らドロを塗った?盗作騒ぎ


問題児?厄介払いの為?

すぐに見せる走馬灯

それに耐えられず

走馬灯を投げつけ

ボヤ騒ぎ


もう生きたくもない

投げやり人生……


生きたくても

否応なく逝ってしまった人がいる事実

生きたくなくて、死を選ぶ人がいるのも事実

これはケースバイケース

一概にどうこう言えることではないと思う


大女将が嗜める

人に殺ってもらおうなんて甘い

自分で決めれる選択肢がある……

ここで死ぬことは許されないし

そもそもできない……



半死半生



走馬灯には

自分の演ったことだけが映る?

それとも自分が見てなくて、気づかなかったことも映る?それは大きな差になるけど……

どこまでが自分の人生なんだろう?



水族館の壁に張ってある一枚の集合写真

和気あいあいとしたカナエやカズマ、館長や館長の幼い息子や飼育員たちの姿……

それはそこに確かにいた証



現世。イルカプール

青年が声をかける

「タクト!」

タクトは今も元気に暮らしていた……

その世話をしている青年は

あの日、まだ幼かった水族館の園長の息子……

父親の園長とはあの時生き別れた……


鮮魚店、カズマの親父…

錆びた出刃包丁

息子の形見

未だに過去にできない息子の影……


息子は三ツ瀬でよろしく演ってるけどね……笑



死は極めて個人的なものてあり

それがどんな原因であれ

そこまでの過程に理不尽や後悔があったとしても、死そのものは100%受け入れるしかない

現世の人が死なないでというのは

本来筋違いなものである……


現世にいる人がどんなに思っても

それはどうすることもできなく

現実を生き抜くことしかできない


過ぎた人たちの名前は消えたとしても

自らが死ぬまで、その姿は脳内に甦り続ける……



生の実感とは、なに?

ここは地上に帰る場所であり

踏ん切りを付けて

自らの死を自覚する場所でもある



絵に現れる心象風景

それは明のカケラも感じられないシロモノ……

そんなユーナに寄り添い、友だちになろうというタマエ


半人前がふたりになったとしても

一人前にはなれやしないけど……



三ツ瀬で暮らす人は

今を生きていない……

ここにいるように見える親父も息子も

死んだものの過去の追憶……



残像思念



いつか引く幕引き……



カナエとカズマ

一緒に?いく?

一夜を共にする……

それは現世で叶わなかった望み……


翌朝、ひとりで船に乗るカズマ

来世で一緒に……?

それは叶わぬ想い……


成仏する……



嬉し恥ずかし

朝帰り 笑


イヤラシイとツッコまれる……笑



三ツ瀬にとどまり続けることは

所詮叶わぬこと


いずれこの世界のすべてがなくなる……



タマエの存在によって

凝り固まっていたザイゼンの視野も広がる

何気ない風景の中に見出す気づき……



そんなタマエも……

戻りたくない……?!

やっとできた家族……?!

友だち……?!



現世に戻ることを決めたユーナの誘いを受け入れられないタマエ……

決めるのは自分ひとり……

ザイゼンに叱責されるユーナ

しかし逆に見本を見せてみろと言い返される


裏切られたと思ったユーナはイルカの調教場でカナエの胸を刺す。そこにある明確な殺意。

でも何も起こらない。死者を殺すことはできない……


尻は自分自身で拭くもの……

ヒトに左右される人生は

生きるに値する?


汐時


イズコから迫られる選択


タマエがここに来たことによって

新たにいろんなことが見えるようになったザイゼンが、昔の自分の合わせ鏡のようなユーナと共にここを立ち去ることを決める。

送りのタクシーに乗り込み、その中でユーナの手を握り、ユーナにこのあとどちらの世界にゆくのか決めさせる……



半人前同士はこっちだった……?笑



ユーナが残したスケッチブックには

笑顔のタマエとタクトの姿が……

明らかな変化……



東日本大震災

大津波の悪夢

全てがのみ込まれ

流され、さらわれていった……



タマエの調教を見物していた

ずっと前からネタバレしていた? 笑

タクシー運転手が実は三姉妹の父親だとバレる


タマエの父親は亡くなっていた……

あの日

天間荘に向かう途中

起きた大津波

水族館の館長の息子、カイトを助ける為に

死んでいったふたりの父親……


末期癌

タマエのことを頼む為に……

確かに野放図だった生き方


「死んでなきゃ逢えませんよ」


デキの悪い父親……

でも、忘れたくても忘れられない……

お父さんのカメラ……

それが残されるている意味

それを残していった意味


全然売れなかったカメラマン

それでもそれを好きであり続けた意味

人生において、金にならない、仕事にならないことをやり続ける意味……


カナエのどこか能天気な生き方は

父親譲りだったか……笑



三ツ瀬だからこそ

久々に家族が顔を揃えた……


死んでいても

風呂に入るし

熱燗だって呑む

料理にも舌鼓



止まったままの時間……

タマシイだけの存在

この空間を変える為に送り届けられた

タマエ



優那と財前はこの世に戻って

それを待ち続けていた家族に祝福される

優那は今も絵を描き続けている

女性の肖像画、しかしなぜかその顔を描くことができない……


財前はあの走馬灯のまま

娘と孫との再会を果たす。

しかし、その視力は再び失われる……

だけどもう前とは違うものが

その目には見えているはず……



タマエのイルカショーのデビューが決まる

その一部始終をカメラに収めようとする

父セージ


今までの空白を埋めるようにタマエの……

天間荘の家族の何もかもをカメラに収めようとする……それを忘れてしまわぬように……


でも、そもそもフィルム入っているのかな?

入っている体で、シャッターを切り

心のネガにその景色を焼き付けているだけじゃないのかな……?笑



イルカショーは散々たる大失敗


タクトはタマエの指示に呼応してくれなかった

タマエの心の乱れ?


失笑する客席

死者たちが浮かべる笑顔

今を笑えるだけマシ……


大女将が告げる叱咤現実

見て見ぬふりをしてきた人々

でもそれも終演

ショーの終わり……


まだ生きているタマエに対する死者たちの想いとは?それは人それぞれなんだろうけど、もしも死者が前向きに考えられるなら、タマエの存在は祝福されるべきことなんだろう……



タマエは現世に帰ってイルカショーのトレーナーに……!?


戻ることができる唯一の存在……

タマエ自身の取捨と託されてる

三ツ瀬の行末……



極端に言ってしまえば、タマエを再生する為にこの天間荘はあり続けてきた……

それはもうこの世にはいない

大女将や二姉妹、それに父親セージの

強い想いの上に……



ヒトはヒトの中で

良くも悪くも生きつづける……



タマエの旅立ちを祝福する為に

集まった三ツ瀬の人々……

タマエに三ツ瀬のひとりひとりから

託される伝言……


冥土からのメッセージ


最後の晩餐

飲んだくれが大女将の顔に変わる……

大盤振る舞い……

タダ食い、タダ酒、タダ湯……

冥土の土産

もともとタダみたいなもんだけど……?笑


その顔をカメラに収めるセージ

それは自分が苦手だった顔かも知れない?笑



饗宴



往生際



三人は自慢の娘……


「変なオトコにだけは引っかかるなよ……」



昇華



三ツ瀬の人々が続々

ヒカリのタマとなって天に昇ってゆく…



あなたのノゾミカナエタマエ……


カナエからタマエに託される

イルカホイッスル



撮りたくても

撮ることが叶わなかった

家族五人の集合写真……


メロイックサイン

(目一杯ロックしようぜ!)


タマエをひとり残して……


その寝顔を一枚だけ、カメラに収める……



夜影


海を前にして……

クロい砂浜


家族として

最後の抱擁……

イズコに見守られて


「お逝きなさい……」


四つの人影はやがてヒカリの玉となって


海から空の高みへ……



天間荘の人々……

父親と母親、ふたりの娘も……

ヒカリになるマエとアト

マエは手を繋げても

このアトはヒトリヒトリ……


死は個人のもの

解放されるべきもの……


個人的には死は、さらにその先にゆく為の

通過点に過ぎないと思っています。



残されたタマエ

選択を迫るイズコ


現世への門


三ツ瀬の想いと共に……

生き抜く決意……


桜の花びら……


扉が開く


くぐるのは自分の意思


光の中へ


「お生きなさい」


うなづく


ここから前に進む……


その先は

崖っぷち


その下に果てしなく広がる

どこまでも続く雲海……



この世に向かってダイヴする……



現世、優那は肖像画の顔を描けた……

ダレ…………?



約束の再会


病室を訪れたたまえ


眠っていたあいだにできた友だち……


手を触れ合うと

忘れていた記憶が甦る……



財前の今を見届ける……



もうひとつの出逢いの場所

三ツ瀬へ……


今も健在してる水族館


そこで今、働いている海斗と

今も生き続けてくれたタクト


イルカショーのリベンジ


たまえの胸に光るかなえのホイッスル


今もここで生き続けている人たちは

ナニカを失った人たちばかり……


その人たちの過去と今を繋げる為に……



ショーが始まる……



クライマックス



空を見上げる……



プールにダイヴするたまえ

タクトと一体になって

水中から水上へ

リフトアップされる……



目一杯の笑顔……!!!

精一杯伸ばす手のひら……!!!




天までとどけ!!!!!






追伸


この作品によって

渋谷TOEIの閉館に立ち逢えた御縁に

感謝致します。