DO IT MYSELF | MIDICRONICAブログ「米粒みたいな人格と宇宙の考察」by Ameba

DO IT MYSELF

★特別企画★


716先生からのリクエスト!ちょっと訂正とかもしたけど出来るだけノーカットでお届けします。


026 aka 大高ジャッキー先生(super stupid & chietronix) からのメール。


おそらくMIXI(?)の日記かなにかで書いてたものをまとめて送ってくれたみたいです。


でわ本題へ


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MIDICRONICAから最新のアルバム「403 forbbiden」と言う、自称ブート盤、500名限定のCDが届いた。

MIDICRONICAとの出会いは、約5年前で、まず、メンバーの716さんと知り合った。


そして、メールやmixiのメールなどで、コンタクトを取るようになって、オレ様が提供した「son of a gLitchy」が、本当に彼らの2ndアルバム「#209」に収録されてしまった。


オレ様みたいな「変態」の音楽に彼らは上手くラップを乗せている。


こういった掟破りが出来てしまうヒップホップ・グループは数すくないだろう。


オレ様は、彼らの大ファンで、音源は全てPCといPodに取り込んであり、いつも聴いているのだ。


716さんは、以前自身の日記で、「製作以外でもメンバーと会いたい!」と書いていて、本当にMIDICRONICAのメンバーたちは仲が良くて、それはとても大切なことだと思う。


メンバーがそれぞれのメンバーの才能にリスペクトしていて、どんどん曲のクオリティーが高くなってきている。

オレ様は、「403 forbbiden」にノック・アウトされた。MIDICRONICAとの出会いから現在までを、簡単に書いてみようと思う。


2005年ごろは、sashaやJames Zabieraなどがブレイクスと言う、ブレイク・ビーツをさらに発展させたテクノがU.K.で流行っていて、そのシーンのDJたちのブートのMIX CDとかを聴いて研究していた。


また、ダブにも非常に興味があった。テクノのルーツはクラフトワークにあるが、マッド・プロフェッサーなどのダブもルーツのひとつなのだ。


そこで、ライブが見たくなった。


オレ様の「Mother」にコーラス参加をしてくれて、後にPizza of Death Recordsで働き、音楽活動もしていた、マイミクさんでもあるマサミくんのユニット「GUMUNA」を見に行った。

場所は渋谷のルビー・ルームでオールナイトだった。マサミくんは、GUMUNAデモCDとアナログ盤をくれた。

それらは、今でもよく聴いている。そのライブにゲスト参加でラップを歌っていた人が、716さんと言う人だった。

GUMUNAのライブは最高だった。


そして、オレ様は思い切ってラッパーの716さんに話しかけてみた。

彼は気さくな人で、super stupidを高校の時に聴いていた、と言ってくれ、名刺をくれた。

そして、半年ぐらい経って、オレ様はchietronixの原型となるグリッチに出会っていて、オレ様流のグリッチを作っていた。その中でビートの効いた面白い曲が出来たので、思い切って716さんに送ってみた。


それから、1ヶ月ぐらい経って、716さんたちMIDICRONICAのメンバーたちが、本気でオレ様の曲にラップを入れて、そのデータを送ってきてくれた。

オレ様は感動した。

そして夢中でエディットをした。その出来上がった曲を、彼らに送ったら、以外にも喜んでくれた。

そして、彼らMIDICRONICAは、ちょうど2年ぶりとなる2ndアルバムの製作中で、この曲も収録したいと言ってきてくれた。そして、彼らは新しいマイク・プリ・アンプを買ったらしく、ラップのデータを新しく録音して、また送ってきてくれた。


しかし、オレ様は自分のラップトップのデータの整理をしていた時に、MIDICRONICAの曲のデータを誤って捨ててしまい、アルバムへの参加を一度諦めた。

でも、納得が行かなかったので、3曲ぐらい作って、ラップを乗せて実験をしていた。

この曲は「son of a gLitchy」と言う曲だ。

いろいろ作ってみて、中から2曲716さんに送った。そうしたら、またもや以外にも気に入ってくれた。

しかし、オレ様はもっと破壊的な曲にしたかったので、また新しく作った。それも送って気に入ってもらえた。

あるバンドのライブを見に行った時に、MIDICRONICAのメンバーが来ていて、716さんと再会できた。そして、彼らの1stアルバムをもらった。

MIDICRONICAの2ndアルバムは、いろいろなアーティストとの競演があって、下北沢のAndy's Musicと言う元々はシンセの老舗のお店がやっているレコーディング・スタジオでミックスをしていた。

オレ様も呼ばれて、そのスタジオに行った。

オレ様の「son of a gLitchy」は、60チャンネルあった。


エンジニアさんの314さんにEQで整理してもらって、完成したのだが、894さんのコーラスがもっと欲しかったので、それを入れてもう一日スタジオに入った。


スタジオではメンバーたちが気楽に過ごしており、オレ様とも仲良く話しをした。本当に良いひとたちだ。

そして、時間はかかったが、最強の2ndアルバムをリリースして、タワー・レコードのチャートで2位になった。

この頃、オレ様はあるイベントの企画に参加しており、どうしてもGUMUNA & 716を招待したい、とわがままを言って、そのイベントに彼らは来てくれた。

そして、彼らのライブは最高だった

。エンターテイメントを追求している。

オレ様の息子はGUMUNA & 716の「imitation」と言う曲のラップを暗記していて、ライブでは、オレ様と息子で、その曲が始まったら大喜びで合唱した。


さらに、MIDICRONICAは、前進して今度は全曲コラボのミニ・アルバム「.co.lab」をリリースした。

このアルバムはたぶん最初からPro Toolsで録音していて、音がハンパなく良かった。

そして「Color」「花魁DUB」などの名作を生み出した。


オレ様が思うに、日本のヒップホップの他のグループはなんかイマイチなのだ。

その点MIDICRONICAは、冒険家で、トラックもメンバーたちで作っているし、センスが良い。天才集団だ。


MIDICRONICAは、どんどん人気が出てきた。

ちょっとマニアックなリスナーたちならみんな知っているだろう。


そんな彼らが、また新作をリリースした。今度は自称ブート盤で500枚限定。

MIDICRONICAのホーム・ページにあるショップとライブ会場のみでの発売だ。その売り上げの5%をハイチに寄付するという素晴らしいこともしている。

オレ様はショップに予約した。そうしたら、716さんからメールがあり

「ジャッキーさんには、是非聴いて欲しいので送りたいです」とありがたい言葉を頂き、注文をキャンセルして、CDを送ってきてくれた。


この「403 forbidden」と言うアルバムは、本人たち曰く

「力を抜いて作った遊び的な作品です」

と言っていたが、そんなことはない。
すごすぎる!!

これから、その「403 forbidden」の曲の感想を書こうと思う。


01:Kolkata


この曲はインドについての曲だ。

メンバーの181さんは、父親から受け継いだ和太鼓のプロ奏者で、その和太鼓のチームでヨーロッパ公演もしていて、すごいのだが、インドにも演奏しに行ったそうだ。たぶん、そのインド公演の時のことが、インスピレーションになっていると思う。181さんは、和太鼓とダンス・ミュージックを融合させたngomaと言うバンドでも活動している。

歌詞がとにかく面白い。


オレ様もインドに何回も行っているので、分かる単語がいくつも出てくる。バックパッカーたちの面白おかしい行動のことを歌っている。ラップの歌詞は、本当に頭を使う仕事だと思う。


02:Wild Turky


トラックがソウル・ミュージックからのサンプリングだ。違うメンバーが歌っているのかな?

894さんのラップがすごい早口で神がかっている。

DJ Korosukeさんのスクラッチも健在。


03:idea mouse


イントロのメロディーは尺八か?181さんの独特のハモり、それから大サビではAuto Tuneをうまく使ってある。

716さんのラップも早口で神がかっている。


04:black coffe


ベースとリズムだけのシンプルな曲だ。時々ピアノが入ってくる。最初から716さんのサビが入ってくるのだが、ハモりも上手いし、歌詞もすごい。


MIDICRONICAは、製作の時にみんなで集まって、その日のお題を決めていっせいにみんなでリリックを書いてすぐにレコーディングしてしまうそうだ。


殆ど、即興なんだろう。


05:tabasco chase


この曲はMIDICRONICAのMy Spaceで聴いたことがある。サンプリングが上手い。ドラムはMPCでの手打ちだろう。

やはりサビが素晴らしい。

みんなで歌うビッグ・コーラスのメロディーを作るのは本当に難しいんだ。

オレ様は、音楽家の最終評価は「作曲」だと思っている。

彼らは、普段どんな音楽や映画、本からインスピレーションを受けているのだろうか?

06:smorkaz sweet


ちょっと不安になる音作りをしてある。181さんのサビのハモりは恐ろしく緊張感があって素晴らしい。

ぺキさんのラップもすごい早口で上手い。ピッチ・シフターで音程を変えてあるラップもある。

普通、16小節づつとか32小節づつとかに決まってラップを交代したりするのだが、彼らは変則的に交代する。

オレ様が作った「son of a gLithcy」のver.1もそういった作りになっている。

MIDICRONICA「son of a gLitchy ver.1」
http://www.voiceblog.jp/chietronix/


07:hummer circuit


ベースラインがカッコいい。ロックっぽい。そう言えば、716さんと894さんはAstroと言うヒップホップ・グループもやっていて、そっちはメジャー。716さんの早口ラップが神がかっているのだが、この曲の歌詞は、どうやらメジャーでバンバンつまらない曲をヒットさせて儲けてるメジャー産業の考えに対しての挑戦状だ。

彼らが「あえて」メジャーではなくインディーで頑張っている姿勢が伝わってくる曲だ。

181さんの声質は本当に良いなあ。


08:an auto dance crazy


この曲にはプリンスのフィーリングを感じる。ちょっとノリノリのテンポで、ライブではウケそうだ。


894さんの歌詞にはすごくユーモアを感じて、頑張りすぎていないとことが逆にカッコいい。

894さんとは、彼がスタジオに遅れてきたので、あまり話しこめていない。今度ライブに行った時に、ゆっくりと話してみたい。


09:Lucky Strike Diamond


この曲のシンセはプリンスの「I would die 4 U」のフィーリングを感じる。ブラック・ミュージックに近い曲作りになっている。

普段オレ様は洋楽しか聴かないので、歌詞は殆どスルーして聴くのだが、MIDICRONICAは歌詞を一生懸命聴こうとさせる「誘惑」と言うマジックがある。殆ど固まって聴いている。

普通のいわゆるヒップホップは、ラップがあって、サビは女性コーラスがあって、といったスタイルが多いのだが、MIDICRONICAは、そのいやらしい女性コーラスみたいなものを入れていない。

サビのメロディーも自分たちで作って自分たちで歌っているし、その歌唱力もオレ様は評価したい、実はメンバーひとりひとり独自で発声の練習を積み重ねているのだと思う。


10:wreck a band 894 素豚度 remix


これは、894先生によるリミックだろうか。

TB-303が鳴っていて、彼らのトラック・メイカーとしての評価も高いものがあると、オレ様は言いたい。

716さんもMPCというサンプラーを持っていて、Heavy Soundsなどのリミックスをやっていて、自分でトラックを作って、ラップも入れてしまうのだ。


11:no brake siliconvalley padtricks


remix、この曲は「.co.lab」に入っている808さんとコラボした曲のリミックス。808さんのバージョンはライブでウケそうだ。

踊るには良いテンポだし、ちょっと明るいサンプリングが効いていて、聴きやすい。


それで、このリミックスはダークでミニマルな「テクノ」なサウンドになっていて、シンセのループが聴いていて気持ちいい。181さんは、Pro Tool LEと言うソフトを使っていて、シンセはKorgのTritonだ。彼はそのTritonにいろんなサンプリングをして、それをキーボードにアサインして、シーケンサーのレコーディング・ボタンを押して、鍵盤を弾くのではなく「叩く」のだそうだ。そうやっていろいろ試して、偶然の産物を探しているみたいだ。



以上が、オレ様がこのアルバムを30回ぐらい聴いての感想だ。


もちろんiPodにも入れたし、これからさらに聴きこむので、また新しい発見があるだろう。


オレ様もMIDIでのプログラミング歴は長いし、その時代によっていろいろな機材を使ってきた。

オレ様は、残念ながら歌唱力に恵まれなかった。いろいろソロで歌ったりしてきたが、自分の限界を感じた。

それで、テクノに出会ったころの原点回帰みたいにインストの曲を作り続けて、テクノの中でも様々なジャンルがあるので、それらを研究して作曲をしている。


chietronixで活動を再開した時にはライブもやっていたので、様々なアーティストたちと競演した。

オレ様はあまりヒップホップを聴かないが、アブストラクト・ヒップホップとでも言うのだろうか、テクノから影響を受けたヒップホップをやっているアーティストたちがいる。


オレ様が競演したアーティストでウクライナ出身、イギリス育ちのXillさんなんかは、自分でライブの時に、もう一人のMCをゲストに加えて、Abelton Live!と言うソフトとMIDIコントローラーを使って、即興的に曲のサイズをやフレーズを変えて、ラップは英語なので意味が分からないのだが、超早口だし、そのパフォーマンスは素晴らしいものがあった。

彼は自主でアルバムをリリースして、オレ様はiTunes Storeで買って聴いているのだが、最近の彼のサウンドは5年ぐらい前からイギリスで流行り始めたダブ・ステップと言うジャンルだ。それに上手いことラップを乗せている。

Broken Haseと言う日本人のアーティストは、ドイツの変態テクノ・クリエーター、リチャード・ディヴァインとも共作していて、Xillさんもラップで参加している。独特のブレイク・ビーツで攻めているし、今結構注目されている。

Jamapureと言う静岡のアーティストも独自の音を持ったアブストラクト・ヒップホップで、結構面白かった。彼は、ライブではCubase SXと言うオレ様と同じソフトを使って、プラグインで一時期流行った「Glitch」というものを使って、ちょっとビートを即興的に崩して頑張っている。


オレ様がイベントの企画に関わって、GUMUNA & 716にライブをしてもらった時は、マイアミのSeven Starと言うコロンビア系のラッパーの来日公演で、Xillさんもオレ様も競演したのだが、最後にDJたちと即興でフリー・スタイルのラップを歌いだして、Xillさんの友達(外国人)たちも、参加した。Xillさんの友達は4人ぐらいいたが、クラブの受付のところで、DJやアーティストたちが出している音に合わせて、自分のラップを自由に歌っていた。

ラップはそれほど、彼らにとって生活の中にあるものなのか、と思って感心した。そのフリー・スタイルのライブの最後にぺキさんがみんなに押し出されて歌った。DJたちの流すビートもその場でサンプリングしたものだった。ぺキさんのラップは素晴らしかった。


他のラッパーたちもマイクでヒューマン・ボイスをかましていたが、最後にラガマフィンっぽくなって、その時に、ぺキさんはMIDICRONICAの1stに入っているレゲエっぽい「The Jet Set Radio」と言う曲のラップを歌って、その場は超盛り上がった。


AstroのライブはYou Tubeでしか見たことがないが、みんなエンターテイメントを心得ていて、すごく盛り上がっている。

716さんも

894さんもラップがすごく早口で、神がかっているのだが、特に716さんのラップは、自分に挑戦しているのか、と思わされるぐらい早口だし、ラップの歌詞も普段から相当考えているんだな、と思い深く考えさせられる。

彼らは、本当に素晴らしいアーティストだ。


ところで、MIDICRONICAのメンバーはみんな数字3桁で呼ばれている、と書いた。「son of a gLitchy」のミックスも終わって、chietronixの「sTretch gLitch」が発売された時に、「voco」と「SentiMental gLitchMental」と言う曲を自分のMy Spaceにアップしていたのだが、ぺキさんから電話があり、「chietronixは間違っていないと思います!」と言ってくれて、さらに「SentiMental gLitchMental」を気に入ってくれて、その曲にすでに少しラップを乗せて遊んでいるとも言ってくれた。


そして、3桁の名前は何にしますか?と言われ、それは彼らMIDICRONICA住人の世界の先輩のぺキさんに考えて欲しかったので、そう伝えると、「実は、もう考えてあります、026はどうですか?」と言われた。

026とはお風呂のことだ。オレ様が「son of a gLitchy」でリバーブやディレイをハンパなく使っているので(それらはお風呂でなっているようなエコーの効くエフェクト)、026になった。自分でも結構この名前は気に入っている。そして、何よりもMIDICRONICAの住人になれたことを本当に誇りに思っている。


彼らとの出会いなしにしては、今のオレ様は語れないのだ。


MIDICRONICAの新作「403 forbidden」は、オレ様が絶賛した11曲入りで、なんと1000円!これは買ったほうが良い。

MIDICRONICAのCDを聴き終えた時には、一冊の本を読み終えたかのような満足感があり、そして学ぶべきところがたくさんある。

それをみんなにも是非体感して欲しいのだ。


J-Rapは、みんな腐っている。


MIDICRONICAには、ハードコアさを感じるのだ。


MIDICRONICAのメンバーたちは、メンバーたちがそれぞれ、違う活動もしている。716さんと894さんは、Astroと言うちょっとロックっぽいヒップホップ・グループをやっていて、181さんはGUMUNAのマサミくんたちと、181さんの和太鼓を取り入れた、ダンス・ミュージック・バンドngomaで活動。DJ Korosukeさんは、MIDICRONICA、ngoma、chietronixをリリースしたsonimage-Lab.incと言うレーベルのボスで、彼は、今年の夏ぐらいにKaoru Inoueさんのレーベル、Seeds and groundから、初のソロ12'epをリリースする予定だ。


MIDICRONICAの世界は、P-Funk(パーラメントとファンカデリック)のような、自由変芸にどこのユニットにも行ったり来たり出来る、兄弟同士の絆がある。


オレ様は、彼らを本当に尊敬している!


本当に素晴らしい作品を作ってくれて、どうもありがとう!


「ドッカン、ドッカン!!」


MIDICRONICA オフィシャル・サイト
http://midicronica.com/

MIDI TV No.13「son of a gLitchy」2008
http://www.youtube.com/watch?v=CbDCJfL-4Js

026 aka 大高ジャッキー(super stupid & chietronix)


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明日からまた通常通りの営業でございます。


おやすみNASA