【文章で垣間見る世界の旅】


さくらももこ作の旅エッセイ、
【ももこの世界あっちこっちめぐり】を読んでいる。

もう20年近くも前に刊行された旅エッセイだが、
この本が刊行されたころ、さくらももこエッセイが二次性徴的にブームを巻き起こしており、母がやたらとさくらももこエッセイを買い集めていたことで、当時中学生だった俺も読んだことがある本だ。

最近、次の仕事選びに苦戦し、収入アップが見込めず世界一周旅行への貯蓄計画がうまく運ばないでいたので、せっかく書き始めた旅ブログも、疲れ果てて書くことに倦んでしまっていたのだが、今日は天気も良く久々の1日休日だったので、気を休めて今後について考えようと足を運んだ近所のブックオフで260円という格安で売っていたのでつい手に取った。

さくらももこの軽妙な文体はそのまま彼女の性格を贅肉なく率直に表現しているような気がして昔から好きなのだが、そんななかでも彼女が感じている感情の動きがわかりやすく、とても伝わりやすい。

スペインのグエル公園近郊で、ガウディ作の建造物と並んで建っているガウディの弟子の作品を見ては【へー、弟子もなかなかやるじゃん】などといった具合だ。まさしくちびまる子そのものといった風合いである。

(ちなみに俺は今、新百合の駅近のマックで本を開き、小休止がてらこれを書いている。)

最初に読んだとき、スペインに俄然行きたくなったのを覚えている。
しかし当時はまだ中学生だったから完全に海外一人旅などはまさに夢物語だったが、それを明確な目標とするに至った現在では、また一際にその気持ちが強くなった。

むろん彼女のようにファーストクラスでの贅沢旅などは望むべくもないし、今なお完全な空想世界でしかないが、俺のような徒歩旅人は貧乏旅をしてこそ旅の醍醐味といえるだろう。

一刻も早く実現したい。

思わぬところで、再び気持ちに火がついてきた。