あ、はい。ムーチョだけど。


うちの塾には、大学院で哲学を専攻しているT先生という講師がいます。

見た目からして頭良さそうで(眼鏡かけてるし)、実際、哲学はもちろん日本史から三国志、はたまた漫画やゲームに至るまで「なんでそんなことまで知ってるの?」というくらい知識が豊富です。


先日も、「世界一長い国の名前は?」と生徒に突然聞かれて、淡々となめらかに答えてしまい、凄すぎて生徒一同(そして私も)爆笑!という場面がありました。


で、「これ、おすすめですよ」と言われて彼に今借りている「哲学の教科書」という本。教科書などいう固いイメージのタイトルに似ず、なかなか面白いのです。


哲学の教科書 (講談社学術文庫)/中島 義道


コンプレックスだらけの悩める高校生のときは、私も図書館で哲学や心理学の本をよく読んでいたのですが、最近はまったくこの手の分野から遠ざかっていました。

久々に哲学に触れることで、脳味噌の普段使っているのとは違う部分が刺激されたような、知的な快感がありました。


個人的には感銘を受けた箇所はたくさんあるのですが、「死後の世界はあるのか」と問う人に対して、


もし私が超能力者で死後の世界を実際知っているとして、「死後の世界は完璧に存在するが、あなたはその世界において永遠の無意識状態でしょう」と答えるなら「そんな世界ならないと同じことだ」と反論されるに決まっている。


という一節には、「なるほど、確かに!」とうなずきました。

単なる新しい知識より、よくある現象の中に新鮮な視点を得た時のほうが、私は感銘を受ける癖があり、ウキウキ嬉しくなってしまいました。


不思議ですよね?なんでこんなことが嬉しいんでしょうね?別にこんなことを知ったって、何の得もないのに。


でも、こういうことが、もしかしたら純粋に哲学的な喜びなのかも、などとまったくの素人が勝手につぶやいてみたりして…。


意外と読みやすいので、知的興奮への入り口に立ちたい人は、ぜひどうぞ。

哲学の教科書 (講談社学術文庫)/中島 義道
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