ムーチョでございます。
前回予告したとおり、
1.短期的な「快」より、長期的な「快」を見据えている
2.短期的な「不快」のなかにも「快」を見つけ出すことができる
3.大きな長期的な「快」のためならば、小さな短期的な「不快」を乗り越えることができる、ということを知っている
という、継続できる人の3箇条を踏まえた上での、子どもへの接し方についてお話しします。
まず、第一に言いたいのは、
「快」を求めるのは人の本性なのだから、「快」を求めること自体を責めるのは間違っている、
ということ。
ドMの人から反対意見もあることは承知で言います。
でも、「快」というのはもっと一般的な言葉で言いかえれば「幸せ」ですから、「幸せ」を求めない人生なんて意味がわかりません。
子どもが試験勉強をほったらかしてゲームに興じている姿を見て、我々親は注意したり、忠告したり、嫌味を言ったり、ため息をついたりします。
でも、ゲームをして「幸せ」を感じていること自体が悪いわけではないですよね?
ゲームよりも大事なことをおろそかにして、のちのち不幸になってしまうことを恐れているんですよね?
だったら、それを伝えればいいのです。
そうしないで、ついつい短絡的な発想に陥り、極端にな場合はゲーム機を取り上げたり、隠したり、壊したりするわけです(苦笑)
ゲームというのはもちろん一例にすぎません。
テレビだって漫画だって携帯だってパソコンだって野球だってサッカーだって、好きなことをやって、一時的、短期的なものではあれ「快=幸せ」を感じていることは、責められ、なじられるようなことではないはずです。
この辺りをうまく伝えないと、子どもは「楽しむことは悪いこと」だということを学んでいきます。
で、将来、いい年こいても「自分が何をしたいのかわからない」という大人になってしまうのです。
「快」を抑圧することで、自分の夢や望みを持てない人間になっていくのです。
ものすごく嫌味な言い方をしてしまいましたが、これは私の完全なる本音ですので訂正はいたしません。
「今の子は夢がない」とか言うエライさん(死語?)がたまにいますが、自分たちが夢を奪っていることに気づいていないわけです。
「じゃあ、どうすればいいのよ?ほっとばいいの?」
と、思った人も少なからずいると思います。
無論、「ほっとけばいい」とは思いません。
無理強いするのでもなく、ほっとくのでもなく、
選択肢を見せてあげればいい、
というのが私の意見です。
自分なりやり方で勉強した結果どうなるのか?
ゲームだけをやった結果どうなるのか?
詳しく、具体的に教えてあげればいいのです。
簡単ではありません。
親自身、場合によっては勉強したり調べたりしなければならないかもしれません。
でも、ちゃんとした情報を与えなければ、選ぶ気すら起こしてくれないでしょう。
そして、最終的な判断、つまりどれを選ぶかは、子ども自身に委ねるのです。
子どもは気づいていないだけなんです、より大きな「快」があることに。
そこに、気づかせてあげればいいんです。
で、もし、ゲームを選んだのなら、いったんはあきらめ、また別の機会に、どんな選択肢があるかを教えてあげればいいのです、根気強く。
同じやるにしても「自分で選ぶ」ということがポイントなんです。
私はよく、うちの塾の講師たちに「勉強を通して、生徒に自己決定力を身につけさせよう」と言って、
「やらなくても別に先生は困らないけどね」という態度を貫くように促しています。
やればできるようになるよ、行きたい高校に行けるよ。
やらなければできるようにならないよ。行きたい高校には行けないよ。
いたってシンプルです(もちろん、実際は生徒によって言い方を変えています)。
私自身、一見やる気のなさそうな塾生に対して、わざと言うときがあります。
「どうしてもやる気がないんだったら、帰っていいよ」と。
そうすると、帰らなかった場合は、「帰らない=やる気がある」ということを自ら宣言したことになります。
自分で決めたので、もう、やる気のない態度は見せられなくなります。
「ほ~ら、自由に好きなものを選んでいいのよ~」
という母性的なイメージではなく、
むしろ選択肢を「突きつける」という、父性的なイメージです。
自己決定力。
これが大人にも子どもにも、圧倒的に欠けている気がします。
大人は自分で頑張ってもらうとして、せめて子どもには、身につけてもらうよう最善を尽くすべきです。
そして、自己決定においては、「どれを選ぶか」が重要なのではなく、
どれを選んだとしても「自分で選んだ」という実感が大事なんだ
ということも、お伝えしておきたいです。
親に選ばされた道なら簡単に否定できますが、
自分で選んだ場合は、簡単には後には引けなくなるし、あとから進路変更するときも相当な覚悟が必要になります。
ゲームを選んだのだったら、それはそれで学校の勉強になんか目もくれず(笑)、徹底的にゲームをやって、果ては自分でも作って、ゲーム会社を立ち上げる人だっているんですから(私の同級生です)。
・・・・・
以上で、長々と語ってきた「コンフォートゾーンの秘密」は終わりにします。
なんか、当初予定していたこととだいぶ話がそれた上に、コンフォートゾーンというタイトルとあんまり関係ない話になったような気もします。
書こうと思えばまだ書けるのですが、どんどん言いたいことが溢れてきてしまって収拾がつかなくなり、過激なことを言ってしまいそうなので、続きは別の機会に譲ることにします。
ここまでお付き合いくださった方には心より感謝します。
明日からはまた、もうちょっと気楽な記事に戻ります。