今回は、「勉強しなきゃな」とわかっていても、ついつい後回しになってしまう、というお子さんに対して有効なアドバイスを伝授いたします。
何の努力もいらない上に、拍子抜けするくらい簡単な方法です。
大事なことを先延ばしにしてしまう、という悪癖は、我々大人でもよ
くあることですが、子どもの場合の先延ばしのパターンは、次のようなものだと思います。
ゲームの好きな子が、ゲームをしています。
頭の中では、「あと30分やったら、勉強するぞ」と思っています。
しかし、実際にその30分後が来たら・・・、
「うーん、クリアできなかったから、あと30分」(苦笑)
で、結局夕食や入浴の時間になってしまい、「ああ、今日もできなかった」と、自分を責める。
自分でもわかっているんです。
「やらなきゃなあ」と。
でも、ついつい…。
わかりますよね、この気持ち…。
「ゲームは、やめなさい」なんて怒っても、ハッキリ言ってもう遅いです。
本当にそう思うのなら、最初から与えるべきではなかったのです。
今さら取り上げたりしても、せいぜい言うことを聞いたフリをして、
こっそり隠れてやるか、他の楽しみに逃避するだけです。
それよりも、こういう子には、
「順番を逆にしてごらん?」
とアドバイスしてあげてください。
1.ゲーム
2.勉強
という順番を
1.勉強
2.ゲーム
という順番に変えてみたら、どう?
ということです。
「なあんだ、それだけか」なーんて思うかもしれませんが、
よくよく考えると、目からウロコの効果があるんですよ!
まず、好きなことが後に控えていれば、嫌な勉強もそんなに嫌ではなくなります。
「ご褒美効果」とでも申しましょうか?
勉強と楽しいこと(この場合はゲーム)がセットになっている状態になるので、
これが日常的に繰り返されると、お子さんの脳に
「勉強=楽しいもの」
という刷り込みがなされていくわけです。
あれこれ説教することなく、それどころか「ゲームもしていいよ」なんて寛大な態度を保持したまま、わが子がいつの間にか勉強するようになる。なんと都合のいい(笑)方法でしょう!
ただし、言い方にはコツがあります。
「『勉強しなきゃなあ』なんて頭の隅で思いながら、ゲームをするより、先に勉強しておけば、心置きなくゲームに集中できると思わない?」
お子さんの側には、
1.堂々とゲームをしてもいいんだ、という許可をもらえた
2.心置きなくゲームができる
という、2つのメリットがあるので、おそらく比較的素直に受け入れてくれるはずです。
「勉強してほしい」という親の側の望みと、
「ゲームもしたい」という子どもの側の望みがうまく一致するわけです。いわゆる「利害の一致」というやつですね(笑)
先日、私の塾の中1の生徒にこのアドバイスをしたところ、「すっきりと気分よくゲームができますね」と言って喜んでいました。
今回は、ゲーム好きのお子さんの場合を例にとりましたが、「好きなこと」であれば何でもOKです。
特に「好きなこと」が思いつかない場合は、「好き」というほどでなくても「ついついやってしまうこと」でも応用可能です。
最近の私の例で言えば、一時期、ついつい頻繁にパソコンのメールチェックをしてしまう癖があったので、
1.仕事(50分)
2.メールチェック
という順番にしたら、ついつい後回しにしていたメルマガやブログの執筆がはかどるようになりました(笑)
お子さんだけでなく、大人でも十分役に立つアイデアなので、先延ばし癖のある方は、ご自身も試してみてください。