合理主義や進歩主義は、
価値の平衡(完全なる無価値)、価値ゼロへ向かう。
近代思想が理想像を明らかにできないのは、
この無価値世界を目指しているからだ。

無価値とは、価値に対する意味でなく、
完全なる平衡による無価値だから、
厳密には無価値という言葉さえ適当ではない。

合理主義や進歩主義を正確に理解する人は、
価値とは結局道徳でしかないことが分かる。
故に、道徳=民族を敵視する。
だが、その敵視の先に何の理想像も予測もない。

多くの人は合理主義や進歩主義に迎合している。
大量プロパガンダにより、合理主義パライダムが醸成され、
合理主義かぶれが合理主義かぶれを生む連鎖にある。
ところが、この合理主義かぶれの人は、
合理主義の先に天国があるかのような妄想を持っている。
それは彼等の道徳心に基づく、完璧な道徳社会が、
合理主義・進歩主義によって達成されるような気分になっている。

合理主義、進歩主義の本質を理解するものは少数だ。
彼等は、無価値の世界を夢見ている。
価値の反対側の世界を実現しようとしている。
だが、そのことを明らかにすることはない。
巧妙な扇動者であり破壊型カルト宗教の信徒なのである。

価値の反対側の世界