我が国には最高権力者がいない。
江戸時代まではいた。

公方様だ。
犬公方などと呼ばれた征夷大将軍もいたが、
人々は最高権力者として公方様を認めていた。
さらに、その下に各藩の殿様がいて
忠孝の念があった。

天皇は、公方様よりさらにその上の、
なにごとかおわしましたる天子様として
人々は皇室を畏敬していた。
天子様が公方様を認知して、
征夷大将軍となれる

日本には権威と権力が別に存在した。

明治になって、権力が消えた……
総理では公方様の代わりにならないのだ。

もっと端的に言えば、
非キリスト教国では民主主義は成り立たないのだ。
なぜなら『自分自身(個人)が投じた一票がもっとも崇高である』
という認識がないから。
※そんなもの必要ないけど。
いずれにしろ、故に、選挙制度そのものが成り立たない。

日本には、形式上、公方様、征夷大将軍が今でも必要なのだ。
「征夷」は当然、もう必要ないが。

今日また総理が溶解した。
明治の改革が起きたときから、
我が国には公方様に代わる総理が存在し得ない運命なのである。

だから戦争にも負けた。