森茉莉のエッセイを読んでいます。
彼女は文豪の溺愛した娘でしたが
いわゆるお金持ちとは一線を画した美意識を持ち
自らを硝子狂と呼んでいます、
しかもクリスタルガラスではなくて
少しあわが入っていたり
向こうがぼやけて見えるような
昔ながらの硝子を。
近所の公園で桜色の絨毯を歩いていて
折れた枝先を拾いました。
持ち帰り、
淡い海水色の小さな花器に挿しました。
ちょうど茉莉が愛したような硝子だと思いながら。
それもそのはず、後から母が幼い頃に
ヒヤシンスを水栽培した器と知りました。
透き通り過ぎない透明度が
花びらにも器にもあって
ささやかなのに印象的な佇まいになりました。
