「ね、おはなしよんで~
」
と上の娘(幼稚園児)が擦り寄ってきました。
時間は夜の9時。そろそろ眠くなる時間です。
「ね、おはなしよんで、よんで~」
実はこういっているのです。
「『ね、おはなしよんで』、読んで~」
『ね、おはなしよんで』というのは本の名前です。
娘はこれが大のお気に入りです。
どんな本かと言うと、とっても分厚くて、
一見子どもが敬遠しそうないでたち。
表紙の絵はいわさきちひろさんの愛らしい女の子なんですけどね。
ネットで注文して、中味はみていなかったので、わくわく待っていて、
届いたときは、私自身ちょっと「あれ?予想と違った。。。
」
と思ってしまいました。
だって、開くと絵は本当に挿絵程度ですし、
2段組で小さい字がずらずら、なんですよ。
「これ、年齢に合わなかったのかな?」って思ってしまいました。
ところがなんですよ。
これが、やっぱり研究に研究を重ねて(?)
児童文学の研究者たちによって編纂されているだけありまして、
なぜか子どもの心を捉えるのですね~
すごくたくさんのお話が収録されていて、
「よんで、よんで
」
「また明日これよんで」
という感じで捉えて離さないところがあるみたいです。
さっき、『おむすびコロリン』を読み終えて、
次のページをめくったら、最後の『終りに』の章で。
これは保護者向けのメッセージなのですが、
「これも読んで~」というので、
「大人用だよ?」といいましたが、
「いいの、読んで」
というので読んでやりました。
その言葉の美しいこと。
読んでみましたら、「17年前の戦争が終わって・・・」という部分があり、
この本が編集されたのが戦後まだ間もないころだとわかりました。
その当時はもう17年も前。という感じだったのかもしれませんが、
21世紀になってしまった今から考えると、まだまだ戦後すぐ、ですよね。
そのころのにほんごって美しかったんだな、と心底思いました。
とうとうとしていて、やさしい。
この本全体がそういう雰囲気で満たされているから、
子どもも聞きたがるのかもしれません。
わたし、思えば、あまり新しく出版された絵本には興味がないのです。
うちに買ってあるのは、どれも60年代や70年代、80年代に出版されたものばかり。
子どもが欲しがるので、新しいアニメの絵本もありますが、これは絵本と思って買う、
というよりはおもちゃとして買っているに近い感じ。
本当に読みたい、読ませたい絵本は、当初のアンパンマン(絵がいびつでいい)や、
ぐりとぐらなど、永遠の輝きをもっている絵本たちです。
昨日、ニュースで、世田谷区では国語と別に「日本語」という授業があるって話が出てました。
小学生のうちから古典に出てきたようなお話や詩を読むらしい。
万葉集もいいですし、平家物語もいいですが、
「ね、おはなしよんで」の時代、昭和の時代のやさしく成熟した日本語の美しさも
紹介してくれているといいな、と思いました。
ちょうど、ミッドセンチュリーの雑貨が、レトロ、モダンと愛されているように、
当時の日本語ももう一度見直して愛せたら、今の口語も美しさを取り戻すのでは?