おはようございます。今日は水曜日、折り返し地点です。時間を無駄にすることのないよう、張り切ってまいりましょう。


次のテーマについて600~800字で記述しなさい。
所定欄にあなたの仕事の分野、小論文の内容を表す標題を記入しなさい。

近年、首都高を始めとした、社会基盤の建替えが大小含め計画されている。
建替えには直接的、間接的に多くの費用を要することから、建設の段階で、適切な耐久性を確保したコンクリート構造物とすることが求められている。
コンクリートの製造や施工において、高耐久的なコンクリートとするための具体的な例を二つ上げてその内容を記述しなさい。
また、コンクリート技術者としてどのような役割を果たすべきか、あなたの考えを記述しなさい。

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私は生コン工場において品質管理に携わっている。

耐久的なコンクリートを製造するために必要なポイントとして今回は、
①良質で安定的な骨材を使用する。
②可能な限り水量を少なくした配合とする
について私が経験したことを述べる。

①については、品質低下が指摘されている昨今、良質で安定的な骨材を確保することは難しい。しかしながら、低品質の材料であったとしても押さえるべきポイントを押さえれば、一定水準以上の骨材とすることは可能である。
押さえておくべきポイントは様々にあるが私が特に重要と考えるのは、
①アルカリシリカ反応性の有無
②微粒分量
③粒形判定実積率
の3点である。
アルカリシリカ反応性については、対策を講ずれば無害でない骨材の使用について問題はない。ただし、特に高強度域のコンクリートについてはアルカリ総量を3.0kg/m3以下とするのが難しく、使用する骨材は無害である必要がある。そのため、アルカリ骨材反応性試験を行って無害であることを確認したうえで使用する。
微粒分および粒形判定実積率については特に砕石において、製造者によってある程度の調整は可能である。そのため、製造者と協議のうえ、要求品質を明確にすることで、一定水準以上の品質を確保する事は可能である。これらは単位水量と直結する性質であり、耐久性に及ぼす影響は大きい。

②については、配合設計の段階で最適な材料比率、最適かさ容積などを決定することが重要である。また、求められる水準に応じた化学混和剤の使用は、水量の低減に有効である。

上記のような配合であっても、良質な施工が伴わなければ高耐久的なコンクリートとする事は難しい。そのため、製造側は施工側の要求水準を十分に理解し、適切なアドバイスを行うことは我々製造側に求められる大きな役割の一つである。