おはようございます。今日は金曜日、疲れも出てくる頃でしょうが、あと一踏ん張り張り切ってまいりましょう。

さて、今日はJICのCon-Cafeの続きです。
前回は石灰砕砂を大量に使うと水量が少なすぎるという事象をお話しました。そして、粘性を確保するためには、ある程度の水量が必要となるということもお話しました。

材料は供給量の問題で簡単に替える事は出来ない。そのような場合、どうすれば水量が確保出来るのか。

まずは、原理原則に戻ってみて、高性能AE減水剤を使わない事です。

私はこの1年間ですでに4組合せ、900バッチくらいは試験練りをしています。中庸熱とフライアッシュの組合せなのですが、中庸熱単体の配合と、フライアッシュを混入した配合を作ってきました。そのうちの2組合せは実際に実機練りも実施しています。

とにかく相当数試験練りをやってきているのですが、その中で高性能AE減水剤の威力に驚きます。今までも普通に使っていたのですが、実際にAE減水剤、高機能タイプ、そして高性能AE減水剤と系統的に配合を作って来て、その減水力に驚きました。

高性能AE減水剤を使うと、とにかく減水出来るため、元々水量が少ない配合だと、さらに水量を下げるか、添加率を大幅に下げるかしか方法がありません。
ご存知の方は恐らく少ないと思うのですが、水量を下げ過ぎると経時変化がとても大きくなります。これがフライアッシュの組合せになると顕著に出てきます。
添加率についてはご存知の方は多いと思います。添加率が0.5%程度までになると、試験練り時のいわゆる練直は性状を確保出来ますが、これも経時変化がとても大きくなります。

今、高性能AE減水剤が一人歩きしているかのように思います。特に購入者側は高性能AE減水剤を使用したコンクリートでないとダメだという先入観があるように思いますが、高性能AE減水剤を使う唯一最大の目的は、大幅な減水です。
この原理原則を考えてみると、必要性が見当たりません。高機能タイプでも充分にカバー出来ます。

もちろん、お客さんへの説明責任はついて回りますが、それも一つの仕事です。良いコンクリートを作るには技術力だけではなく、折衝能力も必要ですね。今の立場で痛感しています。

長くなりました。今日はこの辺りで終わりましょう。続きはまた次回。

それでは本日も張り切って参りましょう。今日は試験練りです。本日もご安全に。

前回の記事はこちら
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コンクリート技士1日1問はこちら
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コンクリート用語1日1語はこちら
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