私はアラサーサラリーマンラガーだ。

 

 ラグビーとの出会いは幼稚園児の頃、弟と一緒に近所のラグビースクールでラグビーを始めた。スクールは人数も少なく、活気のない、弱小クラブだった。そんなわけのわからないまま始めたラグビーは当然面白いわけもなく、時には「ラグビーに行きたくない」なんて言ったこともあった。

 

 ラグビーの面白さに気付きだしたのは、高校ラグビーの全国大会「花園」を観戦しに行くようになってからだ。高校生の華麗なプレーに各校の応援団、会場の雰囲気、私はここでラグビーのカッコよさに気付いた。今思えば、父はラグビースクールでつまらなさそうにしている私と弟にラグビーの魅力を教えたかったのかもしれない。

 

 そして、中学生になるとラグビーの魅力にどっぷりつかっていた。この頃は自分の成長が楽しくて仕方なかった。登校前や放課後に友達と集まって練習をした。神奈川県選抜に選ばれ花園で全国大会に出場した。弱小チームだったクラブは最終学年で県大会3位と優勝争いするまでになった。この頃の目標は「花園で優勝」だった。

 

 しかし、高校に入学し目標だった花園には出場すら出来なかった。大学選手権出場を目標に強豪大学に入学したが2部降格。目標には程遠い結果となった。「俺が入部したチームはなぜ弱くなるんだろう?」そんな風に思っていた。大学卒業を機にラグビーを辞める決意をした。「目標」を失ったからだ。

 

 大学卒業後、語学学習のためにオーストラリアに留学した。本場で「スーパーラグビー」を観戦した時のことだ、プレーの精度、激しさ、スタジアムの雰囲気に鳥肌が立った。初めて花園のスタジアムに行った時と同じ感覚だった。試合後、選手が家族や恋人のいるスタンドで写真を撮り、談笑している姿をみて「こんなラグビーがしたい」とそう思った。

 

 今、平日は仕事をしながらトレーニングを行い、休日には全体練習・試合といった生活を送っている。チームはトップレベルではない。が、オーストラリアで感じた気持ちが今も、これからも「目標」になり続ける。あの時感じた気持ちが続く限り走り続ける。

 

 

文章の整体師コメント

ほんの細かい点を修正しましたが、全体的によくまとまった文章です。Twitterを見ていたら「トップイーストはラグビー人生の最後に悪あがきをする所だ」とあるチームの幹部が言っていました。悪あがきできるあなたが羨ましいです。