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ここは、あの世にある、輪廻転生高校。

数々の魂を、銀河系の星に輩出している。






その、2年B組に所属するタマ子。毎日とくに刺激もなく、ぼーっと過ごしている。そんなタマ子の教室に放課後、輪廻転生回数が多く物知りな3年A組のアヤ先輩が来る。









アヤ先輩「タマ子、タマ子!アンタ、地球に今度生まれるらしいじゃない!アンタあそこの星初めてでしょ?」

タマ子「そうなんですよ。でも、全然情報なくって。超人気だから、行ける人少ないみたいですね。どんなとこなんだろう。」

アヤ先輩「あの星、面白いからってめちゃくちゃ人気で、本当、なかなか行けないんだから!何年も何年も、思いが募って、強い想いじゃないとあそこに生まれることはできないの。でもね、実はこないだ、ついに行ってきたわけ。念願のよ!200年待ちだったから待ちくたびれたわアタシ。」

タマ子「えっ、まじっすか!先輩!どんなとこですか、地球って!?」








アヤ先輩「でもアンタびっくりするわよ。地球ってとこでは、肉体って入れ物に入らないと私たち動けないのよ。それで、その肉体ってやつに入ると、こっち(あの世)でできるみたいに、他の人に透き通っていっちゃうことがないのよ。それでね、みんなその肉体ってやつに入ってて、肉体を本体だと思って、魂のこと忘れてんのよ。まぁ、生まれて産道を通る時、忘れるように自分でするんだけど。だってそのほうがリアルっぽくて面白いじゃない。それでね、肉体はきちんとケアしなきゃガタがくるのよ!きちんとかえりみないと、本来の魂の状態から大きく外れるとね、病気って言ってね、その肉体に不具合が出るの。だから、食事をしたり、お風呂に入ったり。肉体を休ませて、魂がこっちに帰るためにも、睡眠といって毎日充電が必要なのよ。不思議でしょ?」

タマ子「へぇ、肉体って、不便ですね…」

アヤ先輩「そうなのよ。でもね、あえてそうなってるのよ。不自由を味わいたくて行くわけだからね。」

タマ子「あっ、そうか。」








アヤ先輩「それにね。地球は3次元でできてるから、わたしたち魂みたいに『思うだけ』では叶わないのよ!つまり、叶えたいことがあったら、願う+その願いを叶えるための第一歩を踏み出さなきゃいけないわけ。これ、超~ドキドキするの。だって本当にリアルだから、失敗したらどうしようって、恐いわけ!でもすごくない?恐いって感情を味わえるなんて…そうやってね、恐かったり、楽しかったり、悲しかったり、うまくいかなかったり…そんな経験全てが愛おしいの。『わたし、地球に生まれたんだ』って思えるのよね。」

タマ子「へぇ~、すごいですね、地球って!でっかい遊園地みたいなんだ!」

アヤ先輩「そう、そうなのよ。わたしたちは、もともとひとつでしょ?地球ではそれを『神』って呼ぶみたいなんだけど。もともとひとつだからこそ、他人との摩擦や、交わりを学ぶために分離したのにね。」

タマ子「へぇ~、そんなことも、全部、忘れちゃうんだ。」








アヤ先輩「タマ子、その地球に行くならね、ひとつアドバイスするわ。それはね、『思う存分無駄を楽しめ』ってことよ。魂の世界は無駄がないから、スリルに欠けるのよね。だって、想いだけでなんでも一瞬で叶うもの。あー、でも、本当に楽しかったわ。おかしいのよ、移動も、わざわざ歩いたり、乗り物にのらなきゃ動けないの。わたしたちみたいに、何万光年の速さや、瞬間移動できないのよ。でも地球って、楽しいのよ。愛を学ぶのに、あれほどの場所はないわ。本当に人気だから、志願者多いし、次いつ生まれ変われるかわからないのよ…



それにね、とくに今の時代ってね、さらに人気で、志願者の倍率が上がってるの。ほら、銀河系全体がレベルアップの時期じゃない。それにほら、今、地球は7回目で、すごく大事な時期なのよ。はるか昔、地球人が神や宇宙人と呼ぶ存在が、降り立ったのよね。実は神ではなくて、わたしたちよりずっと進化した魂で、より神に近い存在、かしら。その存在が魂が学ぶ場を作るために、地球に降り立ったのよね。そして当時、地球にいた、サルという生き物の遺伝子と彼らの遺伝子をかけあわせて、地球人を作ったの。だからね、地球人ってときには神のように、ときには悪魔のようになるのよ。だって、神と動物のハイブリッドなんだもの。だからね、面白いの。そうやって、神と動物のハイブリッドを作って、その中から愛を学び、進化を遂げたよりぬきが、進化してまた次なる学びの場を作りに、宇宙へ出るためにね。でもね、思考と愛のバランスが崩れると、いけないのよね。思考は、エゴとも言われてる。つまりエゴが愛より大きくなると…

そうやって、地球は何度も滅びたわ。アトランティスの時代、あれ歴史で習ったでしょ?」

タマ子「あ、はい、でも、テスト赤点でした…」

アヤ先輩「いいのよ、歴史は歴史なんだから!アトランティスの時代、今の地球よりずっと進化していたのよ。愛に溢れ、音楽や美術が盛んで、それはそれは美しかったわ。皆ゆったり生きていてね、政治も公平で、素晴らしい文明だったのよ。学校では、個々の能力を伸ばし、ドラムを使ってトランス状態で意識を集中させて、愛のエネルギーの練り方を学んだりしたのよ。」

タマ子「すごい!地球にも、そんな時代があったんだ。じゃあ、なんで滅びちゃったんですか?」

アヤ先輩「あんた、歴史の時間、居眠りしてたわね!?」

タマ子「す、すいません…」

アヤ先輩「あるときね、残ったエゴが、はびこってしまったの。信頼していた人々は互いに不信感を持ち、疑心暗鬼になった。ひとりが、皆よりも多く持ちたいと思い始めて、政治も少しずつ腐敗していった…そうしてね、ついにエゴが愛より大きくなってしまったの。神は愛だから、愛なしには繁栄はありえないのよ。そしてね、ソドムとゴモラの話、覚えてる?ついには、エゴで恐れに負けた人々は、インドラの矢、つまり核兵器で、自滅したの。地球は、ボロボロになったわ。」

タマ子「そんな悲しい歴史があったんですね。それでまた再生した地球が今の状態ですか?」

アヤ先輩「そうなのよ。アトランティスのときに、愛のレベルがとても高かった人は、既に肉体の扱い方がわかっていたから、地球の中へ避難したのよね。そしてまた荒廃した地から、一から再生したのよ。」

タマ子「壮大な話だなぁ。それで、なんで今が地球の大事な時期なんですか?」

アヤ先輩「今ね、確かに地球人は進化した。でもね、エゴと愛が同じくらいなの。だから今、愛を知り、魂の記憶を取り戻すことが地球を救うことになるのよ。」

タマ子「めちゃくちゃ大事な時期じゃないですか、それ!」

アヤ先輩「そうよ。だから、今の時期に地球へ行ける人はラッキーなのよ。もしくは、『選ばれし者』ってかんじかしら。だからね、地球に生まれたら、思う存分遊んで、力いっぱい愛を表現するの。恐がる必要も何もないわ。だって、全ては神の、まばたきの一瞬なんだから。それにね、少しずつ、魂の記憶を取り戻してる人が増えてきたから、大丈夫よ。だから、楽しんでね。」

タマ子「先輩、さすがですね!地球に行けたなんて。本当に、本当に、行きたい人しか行けないからなぁ。みんな、自分でゲームの初期設定決めて行って、それを乗り越えるから面白いのに、忘れちゃうだなんてまたそれも魅力的!あー、ワクワクして今日寝れないなぁ。明日はついに地球に生まれるし、今日は早くかーえろっと!」














翌日…

赤ちゃん「オギャー!」

パパママ「あー、ついに生まれたね!パパとママ、待ってたよ。」

アヤ先輩「タマ子、おめでとう。とにかくたくさん遊んで、失敗するのよ。殻に閉じこもらないで、小さな勇気で、人生を切り開いていってね。」











こうして地球で、無事タマ子は生まれたのです。輪廻転生高校2年B組だったことは、全て忘れて…




To be continued...


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