先日アムステルダムに用事があったので、少し早めに行ってNEMO Science Museum(1923年設立の科学センター)に行ってきました。


橋の先にある巨大な建物がNEMO

 

ここは主に子供たちが科学を体験しながら学べる施設のようですが、私の目的はオランダの性教育についての展示を観るためでした。

 

沢山の展示ブースには子供たちが体験できるものがあり、どこもにぎわっていましたが、そういうところは軽くみて、私は早々に人間の体について学べる展示に向かいました。







 

そこには、「ここは自分をもっと知るため」の場であると説明がありました。



 



まず目に入ったのは円形の柱に様々なセクシャリティの人の裸体写真があり、その写真を囲むように洋服の写真が重ねられている展示でした。

中心の裸体は動かず、洋服だけを回せるので、誰がどんなセクシャリティなのか一見しただけではわからないことが、わかりやすく説明されていました。




学校のフィールドトリップで来ていた子供たちはここで洋服をグルグル回しながら、「女の裸だー」とかいいながらはしゃいでいました。


 

裸体の成人写真も様々なセクシャリティの人がいたので、シス女性、シス男性以外の性で生きている人の体も見ることができました。

 

 

他にも、性に関する質問が書かれたボックスを開けると、答えが中に書いてあるブースがあり、誰かに聞きたくても聞けないような質問の答えも包み隠さず書かれていました。




女性のクリトリスの模型。男性のように外に出ていないので、なかなか見ることができないものです。



オルガズムを感じた時の人々の様子も「映像」で見られるようになっていました。



子供たちがポルノを観なくても(見る前に)、ここで色んな「性」のあり方を見たり知ったりできるのは素晴らしいと思いました。

 

 

他にも人間の体の差異(親指と小指をくっつけた時、手首に筋が浮き出る人の割合は85%など)、心臓の音や物の匂いを感じるブースなど、子供達が好奇心を持って学べるエリアや、楽しみながら五感を感じる展示が沢山ありました。

 

 

 

大きなパネルに写った人の下にはヘッドホンがあり、その人の人生を聞ける展示もありました。


以前トランスハウスで会った女性の写真もありました。


彼女は幼い頃、母に愛されず周りに承認や愛を求めるようになり、ドラッグ中毒などで苦しんだ体験を話していました。



これはハグを体験できる展示。





この展示の説明には「みんなが体に触れられることが好きなわけではない」とあり、他者からハグされた時に自分はどう感じるのかを知ることができるブースです。


また小さい頃から「誰もが体に触れられることが好きではない」ことを知ると、自然に自分と他人との境界線を学べると思いました。

 

 

ここにきて、生と性はつながっているし、その中から「性教育」だけ切り離すことなどできないことがよくわかりました。

 

そしてオランダは性教育を隠さず、オープンに学ぶことで、性的な関わりで「(極力)気持ち悪い人」を作らない社会になっているのかもしれないと思いました。

 

日本の観光ガイドには、「NEMOには性教育コーナーがあるので(お子様ずれの際は)ご注意ください!」という警告がされていましたが、

「ご注意」どころか、日本では国がここまでの性教育をしてくれないのです。

ないものにされ隠されているのです。


だからむしろ学びたくても自分の体や性を学べない日本の子供達にぜひ来て体験して欲しいと思いました。


性教育は自分を知るとても大切な機会だし、そこから他者を知る貴重な機会だと、ここを訪れて思いました。

子供だけじゃなく大人も学べる非常に価値ある性教育エリアでした。

 

 

 

NEMOの後は、そこから歩いて5分程度の距離にあるアムステルダム中央図書館にも立ち寄りました。

 











広々していて、設計やデザインが美しい図書館で大好きです。

エスカレーターで上に行くと特別公演などで使用されるシアターもありました。

 

アムステルダムには沢山の観光名所がありますが、個人的にはNEMOの性教育エリアと喧騒から離れられるこの中央図書館はオススメです。


今日も読んでいただき、

ありがとうございましたウインク


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