パーフェクトデイズを観ました。



きっかけは先週。


メキシコ人に急に「あなた日本人?」と聞かれ

「昨日日本の映画を観てきたの。パーフェクトデイズって知ってる?とても良い映画だったわよ。」

と初めて会った人と不思議と会話が進んで。
そして映画の内容を聞くうちに興味が湧いて早速観に行った今日。

まさかの映画館でも知らないメキシコ人に
「あなたここ(メキシコ)出身?」
とポップコーンを買っている時に聞かれ、
「違いますよ、日本です。」
からの何年住んでるかとか、
何の映画を観るのかとか。
最近良く声を掛けられる。
因みに彼女はrecuerdos mortales、英語名でsleeping dogという映画を観ると言っていた。犯罪ミステリーの映画。ちょっと難しそう。

さて、
パーフェクトデイズはというと、

日本映画特有の静かな日常の中に幸せを見付けるような、とても落ち着いた映画だなとふんふんと観ていました。

台詞が少ないのに表情で伝える役所広司すごいな、とか
日本の公共トイレはこんなに沢山の素敵なデザインのものがあったんだな、と。

特に強い変化もない、それがこの映画の伝えたいパーフェクトデイズなのか。

と思っていたけれど、ラストのシーン。

普段と変わらぬ朝、いつものように運転をしながら涙目を浮かばせる役所広司。

今まで楽しそうだったのに何故だろうと。

映画を振り替えると
姉に言われたトイレ掃除をしてるの?とバカにされた感じの言葉。

素敵な言葉なのに違和感のある、
姪っ子との棒読みの会話
"この世界には色んな世界がある。"
"けれどもどれもが誰とでも繋がっている訳ではないんだよ。"
と。  

身近な家族と解り合えない寂しさ
仕事をしているのに社会に認められないような孤独感。

日常はとても静かで平和的だったけれど、心の中はどこか浮き沈みのあるような映画で

タイトルはパーフェクトデイズだけど最後の涙目を浮かべながら笑おうとしていたシーンに心と感情の分離、空しさを感じました。

メキシコ人旦那と映画の感想を話した時、
彼も「良い映画だった。日本人の自分の決めた仕事を一生懸命する姿が伝わった。」と言っていて、

「でもお姉さんに仕事のことバカにされたような発言あったよね?本人が一生懸命している仕事なのに周りから認められない空しさみたいのもあったよ、最後の涙って悲しさじゃないのかな?」と言ったら

「姉の世界は姉の世界、自分の世界とは違うって言ってたし、他人は他人、自分は自分だよ。」と答える旦那。

そうは思っても完全に独りには慣れないのが人間なのではと

最後の涙目に色々考えさせられる映画で、
個人的に好きでした。