人間の基礎、喋ること

 

これがほとんどわからなくなったことがありました。今なら多少わかりますが。

 

友達は少ないけどいました。

 

しかし、東京へ出たりして交友関係が途絶えたことがありました。

 

その時、寂しくて誰かとしゃべりたいけれど、何をどんな風に喋ったらいいかわからなくなったのです。

 

周りで人と人が喋っているのを、何を話しているんだろう、どんな面白い話をしているんだろうと、思っていました。

 

テレビなどでも学習すれば良さそうなものですが、これも潜在意識が問題解決をさせなくしていたのでしょう、全然学習できませんでした。

 

自分の世界だけ灰色みたいでした。

 

周りの人が喋っている中にポツンといると、自分だけ違う世界にいるみたいで逃げ出したくなります。

 

自分と人と何が違うのかが、わかりませんでした。

 

自分もかつて友達と喋っていたはずなのに、その時のことが不思議に思い出せません。

 

そのうち、何か体験したことが、楽しかったとか、嫌だったとか、感情をメインに話しているのかなと思うようになりました。

 

しょっちゅう笑いもあるようです。

 

楽しい感情を抑圧してしまった(その時は、気づいていませんでした)自分には、遠い世界のことのようでした。

 

話すにしても、どういうタイミングで話し、表情、話す事柄、抑揚、語尾をどうするかがわかりませんでした。

 

東京にいた頃は、標準語だと言葉に感情がこもらないと感じたのも原因の1つかもしれません。

 

悲しいことに故郷に帰ると今度は、故郷の方言が喋れなくなっていました。