ひな祭りに
近所の女の子のOさんから
男友達数人とお招きを受けた。
その女の子の家は
大きな家で
高い塀に
囲まれていた。
塀からは
大きな木が
枝を出していた。
夏になると
その屋敷の木には
沢山の蝉が鳴いていた。
竹竿の先に
蠅取り紙のネバネバを
擦り付け、
道路側から
蝉を捕っていた。
道路から、
どうしても捕れない蝉は
家人に断って
庭に入れてもらっていた。
お招きを受けた三月三日、
勝って知ったる他人の庭なので
男友達と庭から縁側に回った。
縁側から見ると
広い畳の座敷に
七段飾りのお雛様が
飾ってあり、
Oさんと既に来ていた
女の子数人が
談笑していた。
その女の子の中に
カネゴンもいた。
カネゴンは
成績優秀な女の子で
しっかり者だった。
カネゴンには
よく注意を受けていたので
少し苦手だった。
ちょっと引けたが、
Oさんは可愛くて
少しの恋心も有ったので
座敷に上がって
甘酒やお菓子を頂いた。
でも何だか落ち着かない。
男友達だけで
コソコソと話をして
女の子の祭りに
長居をしては
男の子沽券に関わる
と言うことになり
直ぐに帰ることにした。
帰る時、
家には姉がいるけど
雛人形はない。
姉が少し可哀想になった
写真や動画は
今日撮った
我が家の
お雛様です。
七段飾りでは無いけれど
お雛様を飾れるように
なりました
※カネゴンは決して顔が怪獣のカネゴンに似ているから付けた愛称ではなく、由来は名前からです。しかも数十年も前のことなので許してね。
