先月中国では5中全会が終了し、「第125カ年計画」の方針が決まりました。

この方針に沿って、これからより具体的な内容が決められていきます。

その過程で重要な役割を担うのが、中国の経済・社会政策を一手に担う「国家発展改革委員会」です。

この国家発展改革委員会のウェブサイトを見てみたら、おもしろい試みが始まっていました。

「十二五 規画建言献策活動」というもので、漢字だけみてもお分かりになると思いますが、広く人民から第125カ年計画に対する献策を集めるというものです。

具体的なことはこの声明文に記載されています。

http://www.ndrc.gov.cn/125ghfbh.pdf

おもしろいのは、献策をメールや携帯のショートメールでも受け付けていること。

ちなみにメールアドレスは「125@ndrc.gov.cn 」です。

しかも良い献策をした人は表彰されるそうです。

これを見て思うのは、中国政治がずいぶんと変わりつつあるということです。

115カ年計画のころから、周囲の意見を聞く試みは始まっていましたが、今回はさらに拡大しています。

中国としては共産党の一党支配は今後もマストとして続けていかなくてはならないわけで、インターネット人口が増えてその世論の統制が効かなくなってきている昨今、その体制をキープするには、民衆の声に耳を傾けなくてはならなくなっているようです。少なくとも、傾けているフリをする必要があるわけです。

中国メディアは基本的に共産党によって統制されています。「財経」など一部メディアはずいぶん独立編集を行う節がありますが、それでも大部分は統制されています。この統制が効かないのがインターネットです。中国のネット人口はすでに4億人を突破しています。人海戦術でネット言論統制も行っているようですが、統制しきれないのが実際のところです。

さらに、Twitterは基本中国からアクセスできませんが、方法を駆使して利用しているユーザも数十万いると言われます。ということは、中国自身がTwitterをアク禁にしているため、自らの統制もできないことになっているのです。現在、Twitterでは中国人からの政府に批判的な発言を含む、比較的自由な言論が飛び交っています。

今回中国政府がこのような「献策キャンペーン」を行っているのは、こういったご時世を考慮してのものだと推測できます。

1人の人間(毛沢東のような)がすべての政策を決定していた時代から、鄧小平、江沢民を経て、ずいぶん周囲の意見を聞く体制になってきています(少なくとも表面的には)。

政治家としての性質も変わってきたと思います。

毛沢東は神格化されたカリスマ的存在でしたが、鄧小平、江沢民、胡錦濤とくる流れの中で、段々とふつうの欧米や日本の政治家のようになってきているような印象を受けます。