oyaji塾 since 2007
オヤジプロデュース歴2年。

今現在、人生の勝ち組になったオヤジ数59人。

世の中のオヤジ達に告ぐ。

「あんたの負け組人生変えてやる。」





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誇り

どうぞお入りになって

「・・・・」

あたしはオタクのオヤジを部屋に招き入れた。

アタシは個室持ちの風俗嬢だ。

指名客が多く売り上げに貢献している風俗嬢達に与えられる特権。

オヤジはもじもじして立っているのでアタシは言った。

「お飲み物は何にされます?」

「えっと・・・」

「冷たいウーロン茶なんてどうかしら?」

「ハイお願いします」

風俗に通い慣れた客は大抵自分から服を脱ぐか脱がしてと言ってくる。

しかしこのオヤジはおそらく慣れていない。

アタシは冷たいウーロン茶を飲み終えた男に

「お風呂用意してきますね」

と言った。

その間に男はまだもじもじしながらうつむいていた。

アタシはの気質を持っているのでこういう男を見ていると蹴ってやりたくなる。


男の服を脱がせる。

「んっ・・・恥ずかしいです。」

「お客さんアタシとHしたくてきたんでしょ?」

「でっでも・・・ボク・・・」

「いいからいいから起立!!!」

「はいっ」

男の服を一枚ずつ脱がしていく。

アイロンのかかったシャツだ(女アリ)

香水付けてる(意識してる)

ひげはそってるの?

抜いてるの?

この人S?それともM?

いやこの様子だとMだな。


男を全裸にするまでに色んなことを分析する。


このオヤジはオタク暦40年以上、生まれたときから母親に厳しく育てられ一度もハメをはずした事の無いまじめな几帳面。普通ならA型に見えるけれどもアタシの直感でいくとO型だろう。そしてもしかしたら童貞かも知れない・・・


コレがアタシの分析した結果だった。

あとで解ったのだが、男の血液型はA寄りのOだった。
色んな人間を見てると結構当ってしまうんだよね。

男を裸にしてあたしはまずスケベ椅子に座らせた。

その間に丁寧に泡を立てる。

ココが勝負ドコロだ。

絹の様にきめ細かく、そして女の肌の様に暖かくしっとりとした儚げな、極上の泡を作るのには経験と才能がいるだろう。

アタシは男にキスをした。

情熱的とはまだ言えない「あなたを私に委ねてください」そんな感じの口付け。

コトバを使わなくたって気持ちは伝えられるもの。

男は先ほどと比べると若干緊張がほぐれたようでアタシもにっこり笑った。

伝わったようだ。

爪の先から自分では見えないところまで丁寧に洗ってあげる。

コレだけでイッテしまう客もいるがこのオヤジには色々聞きたいこともあったのでなるべくぎりぎりにしておいた。

お風呂ができたのであたしは男の手を引き一緒に入る。

最近話題のローズの入浴剤を入れ自分の気持ちも落ち着かせる。

「おきゃくさん麗乃とはお知り合いなんですか?」

「実は・・・・」



風俗に通う男たちはこの時間が一番落ち着くのだろうとアタシは思う。

家庭の事。

会社の事。

女の事。

自分の事。

お金の事。


時には、「もう死んでしまいたい。」「今日死ぬんだ。」

そういう客も来る。

みんなみんな、表面に出してないだけで色んな事を悩んでいる。


強い人間なんていないんだ。

お風呂ってそんな人間の心の垢を一枚、又一枚はがしてくれる不思議なパワーがあるんだよね。

そんな心の垢スリ場に勤めていることをアタシは誇りに思っている。

次回からオヤジの秘密の話をします。




















雨 雨 雨

その日、ひどい土砂降りの雨だった。


店も暇だったので、仮病でも使って早退しようと思いマネージャーに帰ると言いにフロントへ行こうとこたつから腰を持ち上げたその時だった。


「瑠璃さんご指名で~~~~~す。」



スタッフルームのインターホンが鳴った。


最近入った、いかにも金融あがりのボーイの声だ。


「げっ、タイミング悪~~~~っ」


しかたなく用意をし、鏡を見る。


「スマイルスマイル!」


後ろで先輩の美羅が笑ってる。


そう、この仕事は客が来ない事には仕事が無いと言いきってもいい。


客に「チェンジ」って言われれば即退散。


次の客が自分を選ぶ迄延々と待っていなければいけない。


OKがでるまでだ。


最近の客は平気で「チェンジ」といってくる。


こうなったらプライドなんて捨てるしかないっ・・・・


ホントにシビア。


悲しいくらい他人と比べられる世界。


顔がよければ指名はされる。


でも何か特別なモノを持っていなければ次が無い。


一度きりということだ。


何回も来てくれる客が出来てこそフロらぬ、プロになれるとあたしは思っている。





「ご指名いただきありがとうございます。瑠璃子です。」


客が応接間から出てくる・・・


あたし達は、客の前にひざまずき右手を差し出す。


OKだったら手を引く、


チェンジなら無言で手を叩きボーイを呼ぶ。


これがこの店のルールだ。


今日の客は・・・・・・・・・


手を引いた。



うわっ、汗ばんだ手だなぁ((o(-゛-;)


そう思って顔を上げて驚いた。


あの雨の日に来たオタクのオヤジだったんだ。















あたし。

瑠璃子  (ルリコ)


これがあたしの裏の顔の時の名前。


何で瑠璃子にしたのかというと、特に意味は無い。



ちょっとだけ自己紹介



年齢   19


国籍   父日本人、母アメリカ人のハーフ


似ていると言われる芸能人  赤西仁


職業   風俗嬢


性格   顔に似合わず、一人が好き。


趣味  人間ウォッチング



ざっとこんな感じ。


「何故、風俗で働く様になったか。」


一日一回は必ずと言っても良い位客に聞かれる質問。


あたしは答える、「なりたかったからなった。」

大半の客はそれ以上聞いてこない。


しかしながら、中には興味本位で根掘り葉掘り聞きたがるのもいる。


そういう時は「人の役にたちたいから」はっきり言ってやるんだ。別に誇りを持っているわけではないが、少なくとも風俗に通う世の中のオトコの人達の役にはたっている事は確かでしょ?


今の所それ以上聞かれたことは無い。





そう、なんでもよかったんだ。





人に感謝される仕事なら・・・





それがたまたまこの仕事だっただけの事。



自分については今日はこのぐらいにしておくね。


とにかく毎日を何の目的もなく過ごしてた。

あの男に出逢うまでは・・・・・