時計は朝7:00を指していた
ホテルの正面にある公園では太極拳をしている中国人の集団が見える。
結局、この緊張した状況下、深い眠りにはつけなかった様だ。
私をコーヒ-を飲みながら、今一度この状況下を抜け出す計画の各フェーズに
分けてあらゆるケースを確認をした。
①ホテル下に今現在、奴らがいるかどうか
②チェックアウト後の空港までの移動手段
③空港到着時
④航空会社でのチェックイン
⑤出国審査
①~⑤を確実にクリアしていかなければ、おそらく日本への帰国は無と考えてよい。
現状確認の為、数時間ぶりに変更してもらった部屋からロビーに降りてみる。エレベーターがロビーに到着した際、総支配人が私に気づいて寄ってきた。
総支配人:「おはよう、よく眠れたかな?ロビーの前には奴らは居る。気づかれない様にチェックアウトをする必要があるね」
と・・小声で伝えてくれた。なんと、奴らは待っていたのである。一気に血の気が引いていく顔色を見てか、総支配人は続けて言った。
総支配人:「私にいい考えがある。まずは先にチェックアウトを済ませてくれないか?」と言われた。
ここまで親切に対応してくれたホテル側に対して私の中ではホテルに対しての不安は消えていた。英語でその内容を聞き、チェックインを例外的に先に済ましてもらい、再び自分の部屋に戻った。
部屋に帰ると時計は上海にある日本大使館に連絡をした。昨日の夜、電話をかけたが時間外で転送されてしまったので、念の為連絡をすることにしたのである。
自分が置かれている状況を説明するのにはもう慣れた。ポイントだけ伝えると「確かにぼったくりバーではあるが、金銭を払っていないと言う事はお店側があなたの飲食に関して訴えてくるケースもあります。」と余計な一言を伝えてきた。
おまけに、どうにか空港迄同行してくれないか?とお願いをすると、これはキッパリ断られてしまいました。使えない・・・所詮、お役所仕事で気にはかけてくれるけど中身が伴っていないなぁと思った。
ここまで来ると、頼れるのは自分のみ。自分の力で空港迄戻ると決心をした瞬間でもあった。
総支配人が先ほど話した内容も計画に入れ、作戦決行の10分前、私はおもむろに髪の毛を掻き揚げオールバックにしてサングラスをかけた。(続)
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次回、最終回です。(笑)