私の住んでいる岐阜市では、コロナ前には、地元の新聞社2社がそれぞれ主催して、夏休みに2回の花火大会が、長良川の河原で行われていました。地元の人たちは、この花火大会を河原にシートを敷いて、のんびり楽しんでいました。堤防には、屋台が並び、ぞろぞろと人が歩き、夏の風物詩でした。

 今年は、久しぶりの開催でした。しかし、二つの花火大会は、一つのまとめられ、すべて有料観覧席となりました。4000円から1万円の料金です。少し離れたところからは、自由に見ることは可能でしたが、以前のように勝手気ままに寝転がっというわけにはいきません。この方式での花火大会について、有料観覧席の観客を対象としたアンケートが行われ、満足度が74%に達したと、新聞発表されました。「おおむね好意的に受け止められた」と新聞のコメントがありました。どうして、市民全般を対象としたアンケートではないのでしょうか。

 テレビで、他の花火大会でも、花火会場の周りを塀で囲って、自由に花火を見る機会を少なくしていく動きがあると報道されていました。昔から住んでいるお年寄りが、「今までは、家の窓から花火が見えたのに…」と残念がっている様子もテレビで流れました。おおらかに、無料で楽しめていた花火大会は、「有料のイベント」になりつつあるようです。私が読んだ新聞にも、県外からの観光客が多くいたと書かれていて、花火大会は、地元の風物詩から「お金をもたらす観光イベント」に変わっていくような気がします。

 岐阜市長は、次年度の開催に向けて「無料で観覧できる場所の情報や関連イベントについても発信を強化していく」方針を示したそうです。ということは、もはやコロナ前のように、有料観覧席がなく自由に河原で花火を観覧できた状態に戻す気はないようです。この流れを皆さんはどう思いますか。私は、少し寂しく思います。