ロシアがウクライナに侵攻して、1年以上が経ちました。プーチン大統領は、ウクライナのナチのような勢力をせん滅し、偉大なロシアを再構築するのだ、というようなことを言っていると日本の新聞やテレビのニュースでは伝えています。日本では、ウクライナ寄りの声が多く、ウクライナの自国を守る姿勢を称えています。私も、ウクライナの人たちは、よく頑張っているなぁと思います。

 昔、日本は、「大東亜共栄圏」という名のもとに、東南アジアを侵略し、現地の人たちにかなりひどい仕打ちをしたと、私は学んできました。8月15日の終戦記念日(日本は戦争に負けたので、敗戦の日なのですが、印象がよくないせいか、「終戦」と言われています。)には、「日本は、戦争で大きな被害を受けた。原爆を落とされた。平和が大事だ。二度と戦争があってはならない。」というような論調が多いです。今年もそうだったと思います。かつての日本の東南アジア侵略と現在のロシアのウクライナ侵略を重ね合わせ、日本の過ちを反省し、同じ過ちを繰り返さないようにロシアに訴えるべきだという論調は、あったのでしょうか。残念ながら、私は見つけられませんでした。

 現在の日本では、日本の戦争被害の面だけが強調され、日本軍(日本では、太平洋戦争は、日本軍が引き起こしたもので、日本国民総体は、悪くなかった、というような雰囲気を私は感じています。しかし、外国の人たちは、日本軍と日本を分けて考えてくれるかどうか、微妙だと私は思います。)の戦争加害の面は、ほとんど取り扱われていません。昔、日本のためにと言われて兵隊となった方々は、戦場での悲惨さは語ったとしても、自分が東南アジアで行った現地の人へのひどい仕打ちや、敵を撃ち殺したことの後悔を語る場面を、私は報道では見たことがありません。

 日本は、ウクライナ支援を継続しつつ、ドイツやイタリアと一緒になって、自分たちが昔同じ失敗をしたことをロシアに伝え、プーチン大統領をいさめることが大事だと、私は思うのですが、皆さんどうでしょうか。