【歴史メールマガジン】2010年4月2日号
2010年3月21日、アメリカの下院において、既に上院で可決していた医療保険改革法案が、わずか7票差で可決した。アメリカは先進諸国で唯一、全国民を対象とした政府が運営する健康保険制度がない国である。高齢者や障害者のための公的な医療保険であるメディケアや低所得者のための国民医療保障制度であるメディケイドがあるだけであった。このため国民は、雇用者を通じて加入する保険か、個人で加入する高額な民間保険に加入するしかない。
そこに近年の景気低迷で失業率は上昇し、保険に加入できない人が増え、国民の6人に1人が無保険者となってしまった。このため一旦病気になると、高額な医療費を自費で支払うしかなく、医療機関にかかれずに重篤化する場合もある。
オバマ大統領は、低所得者に対して公的な補助金を拠出し、民間保険に加入させる方式で国民皆保険を目指そうとしている。財源は高額保険に対する課税や高齢者向け公的保険の効率化で補い、国民の健康維持推進のため一歩前進させようとしている。
日本では既に、1961年に国民皆保険が達成されたが、アメリカは自助努力を中心とする国で全国民を対象とする医療保険制度は馴染まなかった。他の先進国の社会保障制度にならい、ついにアメリカで医療保険改革法案が可決された。
このように他国の出来事や過去の経験が、未来の意思決定に影響してくることがあります。明るい未来を築くためにも、歴史を学ぶことが、ますます重要視されています。
2010/3/16歴史検定試験協会より」配信