足趾の骨折後の後遺障害(左第3~4趾の鈍痛・歩行困難)と整体治療
患者Sさん=29才-女性-無職の症例
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① Sさんの病歴・・・
患者Sさんは、3年前に右の足先をコンクリートにぶつけた際、右の第4趾を骨折したそうです(☚基節骨、中節骨、末節骨かは不明)。数か月で骨折自体は治癒したそうですが、その後も第4趾の付け根付近に痛みが残っているそうです。鍼灸や接骨院、オステオパシーなど、色々な治療に行かれたそうですが、今も続いていて、歩行にも支障が出ているそうです。
② Sさんの問診と診察所見
・直近の画像検査では、骨折部はキチンと治癒しているとの事で、他に特段の異常は無いそうです。
・痛む部位は、右の第4趾の付け根で(第3,4中足骨頭付近)、その背側は常時痛むそうですが、数十分歩くとその足底側も痛くなるそうです。痛みの性状は鈍痛だそうです。
・歩行時は真っ直ぐに歩きづらく、地下街などの混雑する場所を歩いていると、他者とぶつかったり、転倒しかけたりするそうです。
・下肢の運動機能に特段の異常所見はありませんでしたが、知覚検査では左下腿の外側部(外側腓腹皮神経領域)に知覚鈍麻(右下腿-同部位の5/10)がありました。
・下肢の触診上、全体的に筋肉の緊張があり、特に左右膝窩部は著明な緊張と圧痛がありました。
・足の触診上、右の第4趾の付け根(第3,4中足骨頭付近の皮膚)に軽度の腫脹(浮腫み?)がありました。圧痛はありましたが、発赤や熱感はありませんでした。視診上、変形等はありませんでした。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 右第4趾の付け根(第3,4中足骨頭付近)の腫脹(浮腫み)を解消する
⑵ 背側/底側中足動静脈、弓状動静脈、深足底動静脈の還流を回復し、免疫細胞の浸潤促進と、炎症残渣などの排出を促進する
・趾背腱膜解放テクニック
・背側中足動静脈、足底動静脈弓解放テクニック
・膝窩動静脈解放テクニック
・左3,4,5趾の筋肉ポンプ (☚10診目より追加)
④ 経過と結果・・・
・2診目来院時、「一週間ほどは痛みもほとんど無く、スムーズに歩けました。でもその後は少し戻りました。」と仰っていました。
・5診目来院時、「左足の指(第4趾)の痛みは2週間ほど軽かったのですが、3週目から痛み出し、元に戻った感じです」と仰っていました。また、前回まで改善していた同部の浮腫み感も、少しだけ戻っていました。5診目まで、来院の間隔が4週間から6週間と、比較的開いていましたので、Sさんに相談して、次回からは出来るだけ間隔を開けずに来院して頂くよう、お願いしました。施術後は、左足の指(第4趾)の痛みはかなり軽快し、腫脹(浮腫み?)も少し解消していました。
・8診目来院時、「今月は、ほぼ痛みを感じる事はありませんでした。歩行も問題なく歩けています。」と仰っていました。また触診上、左足の指(第4趾)付近の腫脹(浮腫み?)は、ほぼ消失していました。しかし、第3~4中足骨の間隙深部にだけ、硬結が残っていました。
・9診目来院時には、、第3~4中足骨の間隙深部の硬結と痛みも、ほぼ解消していました。しかし10診目来院時には、少し、第3~4中足骨付近の痛みがぶり返していたそうです。その理由としてSさんは、近頃かなり踵の痛みが改善してきたので、ご自身で左の足趾の運動を繰り返していたそうです。その時左足の3,4,5趾付近で「ピキッ」と音がしたそうですが、それ以降左足の3,4,5趾付近と踵に痛みが生じるようになっていたそうです。そこで、左足の3,4,5趾の筋肉ポンプを追加しました。
・11診目来院時、「この2週間は、足の指も踵もほとんど痛みがありませんでした。真っ直ぐ歩くことができ、(人込みで)人とぶつかる事もありませんでした。」と仰っていましたので、今回の集中治療を終了する事にしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
◆ 炎症残渣(ノコリカス)が痛みの原因か?!
・事故などによる骨折等で、後遺障害が残る事はよくあるお話です。ケースによって様々な原因があるのでしょうが、Sさんについては、骨折時に生じていた内出血や炎症産物が処理しきれずに残存した「痕」が関係するのでは、と思いました。それが左第4趾の付け根(第3,4中足骨頭付近)に残存し、疼痛の原因になっていたのでは、と推測します。
・その根拠ですが、一つは「触診上、右の第4趾の付け根(第3,4中足骨頭付近の皮膚)に軽度の腫脹(浮腫み?)」がありましたが、左の同部位にはこの様な腫脹は無かった事です。おそらく、動脈の流れが低下している事で免疫細胞の浸潤が減り、炎症残渣などの貪食が進まなかったのでは。あるいは同様に、静脈還流の阻害もその運搬を低下させる事になるので、残渣が蓄積する結果となり、腫脹が生じているのでは、と考えました。
・もう一つの根拠として、「下肢の触診上、全体的に筋肉の緊張があり、特に左右膝窩部は著明な緊張と圧痛があった」事です。下肢の筋肉全般の筋緊張だけでも、足の動静脈循環が阻害されている可能性が推測されますし、さらに膝窩部の著明な緊張は、足からの動静脈流阻害に直結する可能性が高いと思われます。この事は、上記根拠の裏付けになるのでは、と考えられます。
◆ 血流の促進で炎症残渣(ノコリカス)の排出促進!!
・ここまで仮説が立てれば、後は実践あるのみです。そこで「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる、
⑴ 右第4趾の付け根(第3,4中足骨頭付近)の腫脹(浮腫み)を解消する
⑵ 背側/底側中足動静脈、弓状動静脈、深足底動静脈の還流を回復し、免疫細胞の浸潤促進と、炎症残渣などの排出を促進する
を治療目標とし、
・趾背腱膜解放テクニック
・背側中足動静脈、足底動静脈弓解放テクニック
・膝窩動静脈解放テクニック
を施術する事にしました。運よく2診目来院時には痛みもかなり改善し、歩行もスムーズに歩けたことから、概ねこの仮説で妥当なのでは、と思いました。
・ただSさんの都合で、通院間隔がかなり開いたり、来たり来なかったりだったので、順調に快方に向かわず、症状が行きつ戻りつした事があったり、あるいは10診目には、勇み足的に足のリハビリ運動をやり過ぎたために、患部が少し悪化した事もありました。そこで10診目には、「左3,4,5趾の筋肉ポンプ」を追加する一幕もあったりしました。そんなこんなで色々と迷走しましたが、11診目にはほぼ完治と言ってよい状態でしたので、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思います。
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