(「マリー・ラテイストの作品」より)
(第4巻「天使と人間」第7章)
「ルシファーだけではなく、天の天使たちも試練の時を迎えました
ルシファーは創造者である神を認めようとせず、神が自分に課そうとしている試練を受け入れる代わりに
『私はいと高き者のようになろう』
と言って神に立ち向かいました
『私はいと高き者のようになろう』
神に反逆したのはルシファーだけではありませんでした
彼は天国の9つの階級の中から相当の数の天使を連れて行きました
ルシファーは最も完璧な天使であり、反乱を起こし、他の(堕)天使たちを鍛錬することによって、最も罪深い反乱軍の指導者となったのです
ルシファーはその罪によって、高慢で虚栄的なすべて子のたちの王となりました
しかし、彼はもはや天とその高みに君臨することはなく、そうしたすべての(堕落した)天使たちと共に、地獄の深淵の深みにいるのです
その数は忠実な天使たちの数には及ばないものの、ルシファーが引き連れて行った天使たちの数は膨大なものとなりました
ルシファーはすべての天使を神から引き離そうとしましたが、他の(忠実な)天使たちは彼に対抗して立ち上がり、こう言いました
『神のような存在とは、誰ですか?』
そしてルシファーはこの言葉の重さと、至高者の怒りのまなざしに押し潰され、永遠の呪いの中に投げ込まれたのです
ルシファーは(忠実な)天使を引き連れて行くことができなかったので、人間を引き連れて行こうとしています
彼はアダムを誘惑し、神に対する反抗心を抱かせ、そしてアダムのすべての子どもたちにも同じようなことをさせようとしています
そのため、守護の天使と闘い、人に誘惑し、善の道から遠ざけ、神に対する復讐のための犠牲者とし、神の意志への永遠の反逆者にしようとしているのです
この目的のために悪魔は策略をめぐらし、あらゆるものを用い、善を約束して悪を与え、生を示して死に導き、人々に快楽を味わわせます
しかしこの快楽は苦しみに代わり、人を神から遠ざけるのです
娘よ、悪魔に誘惑されないように気をつけなさい
悪魔はあなたの破滅とキリスト者の破滅を望んでいます
わたしが悪魔の帝国を倒すためにこの世に生まれて以来、悪魔は出来る限りわたしからの征服を免れようと、日々努力を続けています
しかしそれは無駄な努力であり、悪魔は悪魔に身を捧げ、悪魔に降伏し、悪魔と共に歩もうとする者に対してでなければ、決して力と権威を振るうことはできないのです
わたしの恵みは悪魔を撃退し、わたしの力は悪魔を追い払い、わたしの旗は悪魔を遠ざけます
そのわたしの旗とは十字架です
十字架にしがみついているなら、悪魔はあなたから逃げ去るでしょう
わたしの力は死と地獄に打ち勝った十字架の力です
私の十字架で武装するなら、悪魔を恐れさせることができるのです
わたしの恵みは十字架から注がれます
無尽蔵の泉のようにそれを汲み上げるなら、悪魔を撃退することができるでしょう
『わたしはあなたと共に、あなたのために居ます』
歩きなさい、娘よ
そして尋ねなさい
『では、誰が私に敵対することができるでしょうか?』と」