(「マリー・ラテイストの作品」より)
(第5巻「宗教全般、特にキリスト教について」第9章)
救い主イエスは、以前こう言われました
「わたしは声を張り上げて人々に言いました
『人々よ、何を求めているのですか?』
すると地の四方の隅々から
『幸福です!』
という声が一斉に聞こえてきました
ー幸福!
わたしはさらにこう尋ねました
『あなたはどこに幸せを求めていますか?』
すると、人々はぞれぞれの心の傾きに応じて答えました
わたしは守銭奴に向かって声を掛けました
『あなたは何に幸せを求めていますか?』
その人はこう答えました
『お金です、金持ちになることです』
わたしはその人に
『いいえ、だまされてはいけません
幸せはお金にあるのではありません』
と言いました
それからわたしはあらゆる時代、あらゆる状況の執念深い者、野心家、高慢な者、性的欲望の強い者、世俗的な者たちに向かって言いました
『幸福は復讐にあるのではなく、地上の財産や名誉や栄誉にあるのでもなく、生活の快適さや便利さにあるのでもなく、肉の満足や快楽、世間的な娯楽や喜びにあるのでもありません』
すると大きな声が聞こえてきました
『では、幸福はどこにあるのでしょうか?』
その時わたしは若い男女に話し掛けました
この男女は神に忠実に仕え、掟を守り、神のみ前を歩み、心のこもった礼拝を神に捧げていました
わたしは彼らに尋ねました
『あなたたちは何を求めているのですか?』
彼らはこう答えました
『幸福を』
『それは見つかりましたか?』
『はいーそれは主です』
『あなたたちはそれをどこで見つけたのですか?』
『神への奉仕、神の掟への忠実さ、神への愛においてです』
そしてわたしは
『真にあなたたちは真剣に探し求めてそれを見つけたのです』
と答えました
そうです、幸福とは神に仕えることであり、神の掟を守ることであり、自分の心のすべてを神に捧げることにあるのです」