《神のご意志の霊性⑧》
【聖母マリアと神のご意志】
聖なる教会が聖母マリアを崇敬するあらゆる崇高な特権は、他ならぬ聖母を支配された神のご意志の働きによるものです
神が私たちの御母を通してどのように働きかけられ、神のご意志が被造物の中で支配するという神のご計画において聖母がどれほど重要な存在であるかを見ていきましょう。
・神のご計画におけるマリアの役割ー新しいイヴ
アダムとイブが本来の聖性と正義の状態から堕落したとき、彼らは神のご意志の王国を失いました。
しかしイエスは将来、人の中に神のご意志を回復する救い主が現れるという約束を告げられました。
最初のイブは蛇の言葉に耳を傾け、不従順になりました。
新しいイブは神のご意志に完全に従順でした。
彼女は、創世記3章15節に記されているように、神が種、すなわち受肉されたみ言葉を産み出す女性であり、その御子と共にサタンの頭を打ち砕かれるのです。
イエスは天国の書の中で、将来の救世主の約束がなされた際に「女」として聖母マリアが果たした役割の重要性を明らかにされています。
彼は欺瞞に満ちた蛇にこう言われました。
(イエスからルイサへ)
「『お前は女を利用して、わたしの神聖なる意志から男を奪い取りました。
ですからわたしは、わたしの命令の力をその力に宿す別の女を通して、お前の傲慢さを打ち砕き、その清らかな足で、お前の頭を粉砕するでしょう。』」(「天国の書」第29巻 /1931年5月19日)
聖母マリアは、選ばれた者の中の選ばれた者であり、「女の中で祝福された方」です。
私たちはアヴェ・マリアの祈りの中で、聖母マリアは神のご意志の王国を再建し、人類にイエスを伝えるために召されたお方だと唱えます。
・無原罪の御宿り
原罪という壁があまりにも高く、人間と神との間に隔たりを生み出していたため、原罪を負わずに宿られた処女が必要とされました。
聖三位一体は、ナザレのマリアを、ご自身の母となるべき処女として選ばれたのです。
聖母マリアは決して人間の意志にいのちを吹き込むことはありませんでした。
聖母マリアが原罪なく生まれたという事実は重要ですが、聖母マリアは『神の意志の王国における聖母マリア』の中で、ご自身の生涯がいかに神のご意志の王国の中で形作られていたかを私たちに示してくださっています。
この書の中で、聖母は神がご自身を通して至高のご意志を授けるために取られた手順を私たちに示してくださっているのです。
初日、彼女はご自身の受胎についてこう語っておられます。
(聖母マリア)
「…あなたは、私が人間の意志を知っていたのは、それを創造主への敬意を表すために捧げるためだけであったということを知っておかなければなりません。
私の人生はすべて神の意志によるものでした。
受胎の最初の瞬間から、私は神の光の中に形作られ、温められ、置かれました。
その光は私の人間の種をその力で浄化し、原罪のない状態で受胎しました。
ですから、もし私の受胎が汚れなく、神の家族の栄誉を形成するほど輝かしいものであったとしたら、それは全能の神の御意志が私の種に注ぎ込まれ、私が純粋で聖なる存在として受胎したからに他なりません…」(『神の意志の王国における聖母マリア 第1日目』より抜粋)
彼女はあらゆる悪から完全に解放され、生涯を通じて神のご意志に従って生きたため、聖三位一体に対して絶大な力を持っていました。
そして、聖三位一体は彼女の中に神のご意志を見出されたため、彼女が神のご意志に従って生きる模範となることを願った子どもたちへの母性愛に抗うことができませんでした。
・マリアの使命
人類の運命を安全に守る使命ー神の母性
聖母マリアは神のご意志を宿しておられたので、その愛は聖三位一体を結びつけ、聖母は子供たちのために祈る彼女の祈りに抗うことができませんでした。
イエスはこう付け加えられました。
(イエスからルイサへ)
「…聖母マリアの無原罪の懐胎は、アダムによって断ち切られた創造主と被造物とのつながりを再び築いた、最初で唯一の被造物でした。
聖母は、神と人間を結びつけるという神聖な使命を受け入れました…」(『天国の書』第30巻/1931年12月8日)
神と私たちすべてに対するこの母性をもって、マリアは神のご意志の王国の子どもたちを地上で育て、人類家族の運命を安全な場所に導くという崇高な使命を受けられました。
彼女は、自分の子どもたちが天国にいるだけでは満足せず、祝福された者たちがすでに天国でそうしているように、彼らにも神のご意志の王国で地上に生きてほしいと願っておられるのです。
神と人類の間の平和の仲介者
『神のご意志の王国における聖母マリア』によって、堕落した人類の状態を思い出された聖母が悲しみ、永遠のみ言葉が降臨してその状態から救い出してくださるように祈られたことが分かります。
聖三位一体は、幼子であった聖母マリアに深くみ心を動かされ、聖母マリアを、聖三位一体と人類との間の平和の仲介者とされました。
聖母マリアに宿る神のご意志の力によって、聖三位一体は「衰退し、危険にさらされた哀れな人類に平和の口づけを与える」ことを強いられたのです。(『神の王国における聖母マリア ・第九日』)
・神のご意志の御母にして元后
「したがって、彼女が持つ数多くの称号の中で、彼女に与えられる最も美しい称号は、「神の意志の母にして女王」です」(「天国の書」 1923年11月16日、24日)
聖母マリアは、無原罪の御宿りによって生まれ、永遠の昔から神の聖母として選ばれた、私たちの天上の母であり、神のご意志の元后です。
アダムの堕落によって人間が神のご意志を失って以来、神のご意志の物語を理解していたのは、この天上の存在でした。
マリアは神のご意志の悲しみを理解し、人間が神のご意志から自らの意志を断ち切ることによって神のご意志を束縛し、神が人間にその恵みと創造の目的を伝えることを妨げてしまったことを理解していました。
天の御母は、この最大の悲しみと、神のご意志から背く人間の大きな悪を理解しておられました。
マリアはすべての被造物を守るために、常に自らの命を捧げられました。
彼女は聖三位一体にこう告げられました
(聖母マリア)
「至高の陛下、私はあなたの腕の中にいます。
どうが、あなたの望むままに私を扱ってください。
私はいのちさえも捧げます。
もし私が被造物の数だけいのちを持っていたなら、それらを被造物とあなたの御手に委ね、すべての被造物を安全にあなたの父なる御腕の中へ導き入れるでしょう。」(『神の意志の王国における聖母マリア』より抜粋)
マリアは自分が神のみ言葉の御母となることを知らなかったにもかかわらず、心の中に「二重の母性」を感じていました。
すなわち、神に対する母性と、被造物に対する母性である。
彼女は自分がすべてのものの母であると感じていました。
(イエスからルイサへ)
「…では、この最もいつくしみ深い御母が、どのような食物によってその子らを養っているか、わかるでしょうか。
御母は、自らの生涯、想像を絶するような苦痛、そして息子のいのちさえも犠牲にして、わたしの意志というこの豊かな食物を自らの内に蓄え、やさしく愛情深い母として、すべての子らを養う準備を常に整えてきました。
御母はこれ以上子どもたちらを愛することはできませんでした。
この食物を与えることによって、御母の愛は究極の域に達したのです。
ですから母が持つ多くの称号の中でも、最も美しい称号は『神のご意志の母にして元后』なのです。」(「天国の書」第16巻 / 1923年11月24日)
・なぜマリアはご意志の御母なのか?
イエスは天の元后がなぜご自身の真の母であるかを説明されています。
それはマリアが神のご意志のいのちを宿しておられたからです。
神のご意志だけが、マリアに神聖な豊穣の種を与え、イエスを彼女の胎内に宿らせ、彼女の息子とすることができたのです。
イエスは、神のご意志がなければマリアはイエスの母にはなれなかったと語られます。
創造主を被造物の中に宿らせることができるのは、神のご意志だけなのです。
実際イエスは、もしご自身のご意志が処女の胎内に宿っていることを感じていなかったなら、処女の胎内に降りることはなかっただろうと述べられています。
天の至高の元后は、神のご意志を宿すことによって、天の故郷と何ら変わらない形で、イエスのために胎内に天国を用意されたのです。
(イエスからルイサへ)
「…神聖なる母性という使命のために、彼女は非常に多くの恩寵に満たされており、天上のものも地上のものも含め、他のすべての被造物が持つものすべてのものを合わせても、決して彼女に匹敵することはできないでしょう…。」(「天国の書」第17巻/1925年5月1日)
・なぜマリアは元后なのでしょうか?
マリアの元后としての地位は、まずイエスとの母子関係に基づいています。
古代ヘブライにおける「王母」という概念は、メシア的王であるイエス・キリストの母としてのマリアに当てはままります。
カトリック教会は聖母マリアを多くの称号で崇敬しており、その中でも最も重要な称号の一つが「元后」です。
マリアの元后としての地位は聖書と伝統の両方に根ざしており、8月22日に祝わわれます。
詩篇45篇には次のように記されています。
「…あなたの右には、オフィルの黄金の王妃が立っている。」(詩篇45:9)
この詩篇は王の花嫁について語っていますが、教父たちとその後の伝承は、この詩篇の中に、王であるキリストとの関係におけるマリアの元后としての地位の予型を見出したのです。
・受胎告知
教会は、天使ガブリエルの受胎告知の際に聖母マリアが発した「お言葉どおり、この身に成りますように」(ルカ1:38)という言葉の美しさを称えます。
これは聖母マリアの「フィアット・ミヒ」であり、イエスは聖母の「フィアット・ミヒ」が神の「フィアット」と出会った時に、どれほどの力が働いたかを私たちに語っておられます。
イエスは私たちにこう言われました。
(イエスからルイサへ)
「…ああ!わたしの意志における彼女のご意志の力よ――神のご意志が御母のご意志と出会った瞬間、ふたつはひとつになりました。
わたしの意志は御母を育て、聖化し、覆い尽くし、人間の介入なしに、御母は神の子であるわたしを身ごもりました。
御母がわたしを身ごもることができたのは、わたしの意志においてのみでした。
わたしの意志は、母に広大さ、無限性、豊穣さを神聖な方法で伝え、だからこそ、広大で永遠で無限なる方が御母の中に身ごもることができたのです。
母が『フィアット・ミヒ(わたしに身を委ねる)』と言われた瞬間、御母はわたしを所有しただけでなく、すべての被造物、すべての創造物を共に覆い尽くしました。
御母は被造物すべてのいのちを自らの内に感じ、その瞬間から、すべてのものの母であり元后として行動し始められました。
御母のこの『はい』には、どれほどの予兆が含まれていたことでしょう――もしわたしがそれらをすべて語ろうとしたら、あなたは決して聞き終えることはないでしょう。」(「天国の書」第12巻 /1921年1月10日)
聖母マリアの「はい」という返事は、神の御母となるよう召されたことに対する、信頼に満ちた従順の応答でした。
それが一体何を意味するのかわからなかったものの、神のご意志に完全に身を委ねて生きてきたマリアは、神の愛を信じて「はい」と答えられました。
こうして、彼女が愛を込めて産んだ息子、私たちの主イエス・キリストにおいて、人間性と神性がひとつになったのです。
マリアの「み心のままに」という応答は、全人類の救いと、神の御独り子である御子における神のご意志の王国の地上での統治をもたらしました。
信仰による彼女の従順は、エデンの園におけるイヴの不従順を償い、全人類が神のご意志におけるいのちを失ったことを覆い隠しました。
こうして、マリアは新たなイヴとなり、完全な愛をもって神のご意志に完全に服従し、神のご意志の元后となられたのです。
・被昇天
イエスはまた、教会が8月15日に祝う被昇天祭の真の名称が「神のご意志の祭日」であるべきだと述べてられいます。
常に神のご意志を完全に実行し、その生涯がまさに神のご意志そのものであったことによって、天の元后は天を開いたのです。
イエスが天を開き、天の元后が天に昇られた時にはすでに多くの聖人が天の祖国を所有していたにもかかわらず、イエスは、すべてのことにおいて至高の意志を成就した御母であり女王こそが、その主要な原因であったと述べておられます。
イエスは聖母被昇天の祭日に、天の元后についてこう語られました。
(イエスからルイサへ)
「…それゆえ私たちは、至高の意志をこれほどまでに尊び、至聖なる意志の真の奇跡を宿した彼女が、至高の意志のための最初の宴を催すのを待っていたのです。
ああ! 至高の意志の永遠の太陽に囲まれたこの崇高な元后が天上の宮廷の真ん中、至高の意志の永遠の太陽に照らされながら天国に入るのを見て、天国全体が永遠の意志をいかに崇め、祝福し、称賛したことでしょう!
…そして彼らは驚嘆して彼女を見、こう言いました。
『昇ってください、もっと高く昇ってください。
至高のみ旨をこれほどまでに尊び、私たちを通して天上の祖国にいるのは、まさにこの方こそが最高の玉座に座り、私たちの元后となるべきなのです。』
そして、わたしの御母が受けた最大の栄誉は、神のご意志が栄光を受けるのを見ることだったのです。」(「天国の書」第18巻 / 1925年8月15日 )
・マリアの使命
母なる元后のの使命は、神のご意志が地上の被造物たちの間に君臨するまで終わることはありません。
「最後には、私の汚れなきみ心が勝利するでしょう!」
ファティマで、聖母マリアは私たちに「最後には、私の汚れなきみ心が勝利するでしょう!」と告げられました。
そして、この言葉によって聖三位一体に懇願しておられます。
(聖母マリア)
「愛すべき陛下よ、ご覧ください
彼らは皆私の子どもたちです。
私の勝利と栄光は私の子供たちのものです。
これらは私が征服し、彼らに与えるためのものです。
母が勝利し栄光を収めるなら、その子どもたちもまた勝利し栄光を収めるのです。」(『天国の書』第34巻/1936年12月20日)
マリアはご自分の子どもたちが自分に似て、母の遺産を受け継ぐことを望んでおられます。
子どもたちの中に宿る神のご意志こそ、聖母マリアの汚れなきみ心の勝利なのです!
したがって偉大なる元后は注意深く見守り、あらゆる心を尽くして愛して、神のご意志に従って生きようと願う者をどんな形であれ助けようとされているのです。
ですから、どんな困難に直面しても、私たちの母なる存在が私たちの周りに居られ、私たちを支え、力づけ、私たちの意志を母なるみ手に委ね、至高のご意志のいのちを受け取らせてくださるということを知ってください。
私たちがなすべきことは、ただ求めることだけなのです!
《汚れなき元后への祈り》
「愛するイエスよ
あなたに抱きしめられながら、
私の愛と感謝、そして被造物としてなすべきすべてのことを
あなたに示したいと思います
なぜならあなたは私たちの汚れなき元后、
最も美しく、最も聖なる、恵みの兆しなる御母を創造し、
あらゆる賜物で彼女を豊かにし、私たちの御母としてくださったからです
そして私は過去、現在、未来の被造物の名においてこれを行ないます。
私は被造物のあらゆる行為、言葉、思考、鼓動、歩みを捉え、
そのひとつひとつを通してあなたを愛し、
感謝し、祝福し、礼拝することを、
私の天国の御母と、
あなたの御母のためにあなたがなさったすべてのことについて
あなたに伝えたいのです・・・」
(「天国の書」第12巻/ 1920年12月18日)
※この記事はアメリカとフィリピンにある「神のご意志の小さな子どもたち」という信徒グループのホームページから私個人の信心のために翻訳・ブログアップしたものです
