CRK-10Aの低周波増幅段がオーディオ・フィルターになっているが、高周波段は2段クリスタル・フィルターだけでは限界がある。
 
そこで全体の選択度を少しでも改善することは出来ないだろうか?
 
前回の「オーディオ・フィルターの検証」に基づいて、フィルターの周波数特性を再考してみた。
 
フィルタ回路
現在のオーディオフィルタ回路
 
出来るだけ部品交換を最小限にすることを前提にして、R21R22の抵抗2点だけで、比較的に効果が得られることがシミュレーションで判明した。
 
R21は220KΩを330KΩに変更して、NE5532(U2A)の増幅率を原設計を考慮してR22は2.2KΩを1.8KΩに変更した。
 
特製曲線
現在のオーディオフィルタ特性
 
今回は200Hz~2KHzの帯域幅で対数表示とした。シミュレーション結果は、緑線から赤線のように高域部分の減衰が増加し、全体的なスカート特性がシャープになり、定数の関係から増幅率が上昇しています。
 
実際の運用結果は数KHz以上の音声が減衰して、信号音は聞きやすくなった。その反面、中心周波数から±200~300Hz離れると弱い信号は聞きづらくなった。
 
本機はAGC機能がないため、周波数が離れていても強力な信号は、それなりに聞こえてしまいます。
またビート音が同様(約700Hz前後)の約1.5KHz上方の信号は、ダイレクト・コンバージョンの特性上止む負えない結果となった。
 
 
 
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