ＪＡ１ＰＳＢ　すべてはハムのために

ハムの中には色々とこだわりを持っている人は多いが、人並み外れた「こだわり」を持っている局が身近にいる。

こう書くと、如何にも奇人変人のように思われるだろうが、これが極めつけの常識人なのだ。

以前にも触れたが、アマチュア無線のために、リタイヤ後の居宅を地方に移し、無線のし易い家を新築した当局の高校時代からの友人です。

茨城県ひたちなか市のＪＡ１ＰＳＢ菱沼さんは、数町歩ある敷地に現在３．５ＭＨｚフルサイズのウィンドム・アンテナを上げて、ＨＦオールバンドにＱＲＶしています。

彼のリタイヤ後の計画は、「晴耕雨読」ではないが、農業を営みながら何時でも電波を出せる・・・ことだったようで、それを実現することが出来たようです。

仕事で転勤することも多かったようだが、開局以来５０年間、継続してアマチュア無線を続けていた。何時でも電波を出せる状態にしておくことが、菱沼さんのポリシーのようだ。

Ｘさんからの抵抗も、相当厳しかったのではないかと思われるが、終始一貫「すべてはハムのために」という姿勢を崩すことはなかった・・・と思います。

一方で、根っからの自作派で、開局時の受信機もトリオの９Ｒ－４２ＪやデリカのＣＳ－７に似たアイディアルのケースに組み込んでいました。

また彼は、まだＶＨＦにメーカーが手を出さない時代から、５０／１４４ＭＨｚの自作ＡＭ送信機とクリコンで電波を出していた。１４４ＭＨｚ八木アンテナを水平偏波にセットしていたのも、彼らしいこだわりと云えそうです。

新築したお宅も、アンテナからの引込は露出することなくシャックまで配線されているが、シャック以外でもＱＲＶできるように、リビングの壁にもアンテナ・コネクタ、ＬＡＮジャックなどが付いていた。

現在は、２００ＷでＱＲＶしているが、キロワットへの変更申請を準備しているようだ。これも菱沼さんのこだわりで、すでに壁には２００Ｖ電源が用意されていました。

メインのリグは、これまたこだわりのＪＳＴ－２４５で、サブにＴＳ－４３０、１４４オールモード機のＩＣ－２５１、５０ＭＨｚ機のＩＣ－５５１、ＩＣ－Ｒ７０００が並んでいます。古い機械を修理しながら使い続ける菱沼さんらしいセットアップですね。

写真では見えませんが、シャックの窓越しにアンテナの給電点がいつでも見えるような配置になっていました。

ところで、シャック内の一角に目を転じると、同じ部屋かと見紛うばかりのキタナさ（失礼）。

これがＪＡ１ＰＳＢ菱沼さんの本来の姿で、この工作デスクで無線機や古い真空管ラジオの修理をしたり、自作機や管球アンプの組み立てを行っているようです。

各種電源や測定器類も充実していました。

反対の棚には、修理待ちのトリオのＴＸ－８８Ａ、９Ｒ－５９、ＴＳ－５１０とＶＦＯ－５Ｄ、ＴＸ－２６、ＶＦＯ－１、ヤエスのＦＴ－６２０、福山のＭＵＬＴＩ－２０００などが並べられていました。

ポータブル／モービル機もＴＲ－１３００、ＴＲ－８３００，ＣＱＰ－６３００、ＲＪＸ－６０１、ＦＴ－６９０ｍｋ２、ＮＤ－４２００などなど・・・よくもこれだけ集めたものだと驚きますが、これはほんの一部で、倉庫にはまだまだ沢山眠っているようです。

中でもご自慢は、光波のＥＣＨＯＭ－２／Ｍ３とラファイエットのクランプ管変調送信機ＶＯＹＡＧＥＲ　ＨＥ－２５だそうです。

ＪＡ１ＰＳＢさんは、ＣＱ誌を開局１年前の１９６３年６月号から全号取ってあって、新築する際には床を補強して本棚を作ったほどです。５０年分のＣＱ誌は、情報量も多いが重さも相当なモノなんですね。

今度は１．９ＭＨｚのウィンドム・アンテナを計画中とのことで、Ｖ／ＵＨＦアンテナの整備も進めているようです。

最後の写真は、懐かしい昔のコールサイン門標です。こんな物持ちの良さも菱沼さんらしい一面でしょう。

独自の発想で、こだわり続けるＪＡ１ＰＳＢ菱沼さんは、チャレンジしてみて達成感を感じることが目的だそうで、ゴーイングマイウェイを地で行くハムです。

2013年の暮れも押し詰まった12月27日に、ＪＡ１ＰＳＢ菱沼さんはＶ／ＵＨＦのためにワカマツのクランクアップタワーを建てて、アンテナを整備しました。

アンテナの構成は以下の通りです。