エナメル線と言えば、昔は銅線にエナメル(ニス)を塗布しただけの電線でしたが、近年は、高分子系のUEW(ポリウレタン銅線)とPEW(ポリエステル銅線)になっているようです。
 
エナメル線は、モータに使われることからマグネット・ワイヤとも言われる。
 

 
バラン作成にあたって、エナメル線を使いますが、UEWとPEWの違いを意識していなかったので、改めて調べてみました。
 
UEW
UEW(ポリウレタン銅線)
PEW
PEW(ポリエステル銅線)
UEWはハンダをあてていると被覆が剥がれ易く、PEWは剥がれにくい程度の知識はあったので、UEWの方が使いやすいと考えていた。塗色の茶色もPEWの方が濃いですね。
 

 
今回調べて「クレージング現象」の違いと言うことを初めて知った。ワイヤを曲げたり引っ張ったりしたときに、水分や溶剤に触れると、細かい亀裂が発生して被覆にピンホールができるようです。これを「クレージング現象」と言うようです。
 
水分によるウェット・クレージングと溶剤によるソルベント・クレージングと言うようですが、全般的にUEWよりPEWの方が優れていました。
ところが密封湿熱劣化試験では、UEWなどに比べて「PEWが最も加水分解しやすく、絶縁破壊電圧の低下が大きい」とありました。
 
バランも密封したケースや容器に入れて、屋外に吊るしますよね。
 

 
この資料では、ワイヤを曲げたり延ばしたりした後は、「ガラス転移温度以上の温度で加熱処理」を勧めていました。ちなみにUEWのガラス転移温度110~135℃、PEWは110~130℃でした。
 
つまり、撚り線にしてコアに巻いてから組み込む前に、ヒートガンなどを使ってユックリあぶってやると良いようです。ただし、やりすぎは被覆が炭化してボロボロになるので禁物ですが・・・。
 
詳細をご覧になりたい方は、下記、日立電線のURLにPDFがありました。
 
現在は、カタログの一部になっています。(2016-04-19)
 

 
一般的に細い銅線はUEWが多く、PEWは太いワイヤが多いみたいです。今回使う予定の1.2mm前後は、丁度境目のようでした。早速、UEWの1.2mmを注文しました。
 
 
 
 
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