私のバイブル
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色っぽい

メンバーから出したソロの提案。綺麗に折半されていたギャラ。身内に犯人がいないという証拠は十分過ぎる。が、すべて現場証拠であって武器にはならない。が、何だこの感じは…。俺は彼女を疑いたいわけではない。それなのに……
いや、考えても答えなどでない問題なら、答えがでるようにし向けるだけだ。

俯いていた彼女がゆっくり顔を上げ呟いた

『…孤児院春風…』


『…………』


『あなたのことです……調べはついているのでは?』

顔に掛かる髪を指でどかす彼女の姿は実に色っぽい

『たいした情報はない。仲間が今調べているところだが…お前が話してくれたらそれはそれで助かる…』


『……………』

無言のまま見つめる彼女。この視線を外すわけにはいかない。なぜなら追い込むための最後の生命線。自ら逃がしてたまるか。


『春風は…私達の故郷です。17になってみんなで歌手になるため出ました。それ以外…何もありません。』


『……ほんとうか…?』

『えぇ、よくしてもらっていましたから。みなさんには』

そういって微笑む彼女。
『暴行があったはずだが?』

『…はい…たしかにありました…』

彼女の笑みは続いている
『よくそれで何もないといえるな。』


『簡単なことです。悪魔でも体罰。私達がいたずらをした時だけなので。悪いとは実感しているから否めないんです』


『今の教育委員会に聞かせてやりたい位だ……それで、その孤児院は?』

『風の噂でなくなったと。なんせ出てから一度も顔を出していないので詳しくは…』

『なくなった?原因は…』

『わかりません。おそらく孤児がみな巣立ったのだと思います。だから悲しみません、いいことですから。』


隙がない。話しがシンプル過ぎる。だから……責められない…






『嘘は……よくないですよ』



後ろから聞こえる声。振り向くとそこには長い黒髪を一つに結んだ女。口元を手帳で隠しているが笑っているのがわかる。

『……敦美……』


『ごめんね、少し手間かかっちゃって』

そういて敦美は俺の隣の椅子に座り俺のお茶を飲みだした。


『……あなたは?』

不思議そうに見つめる白川とは逆に敦美はグラスを置き笑った。


『あきのパートナーで敦美といいます。千春さん』

後ろで結んでいた髪を解き頭を2、3回軽く振る。


…色っぽい…

悪魔

その瞬間、俺は唾を飲んだ。千春の後ろからゆっくりと近寄る黒い影、銀髪に長いコートを翻しながら近づき、その右手には、180センチほどにもなる大鎌が目に入る

「ちっ、こんな時に。」
俺は千春を退け、黒髪に近づく

「見つけましたよ、千春様。デュラン様がお待ちかねです。」

白く薄気味悪い顔で微笑む男"地獄の門番クラリッジ"だ

千春もクラリッジの存在に気づき、怯え始めた。
「クッ…クラリッジ!?どうして…あなたが…」
「いやですね~私の仕事はあなたをデュラン様のところにお連れすること、そのためにはどんな事でもしますよ♪たとえ…立ちはだかる相手が、アキヒト…あなたでもね♪」

「気色悪い奴だぜ…まったく…」

俺はため息混じりに目を閉じ、愛刀の獅柳仙桔梗(シリュウセンキキョウ)を抜きクラリッジに向けた。

「てめぇにはまだ借りを返してなかったな…クラリッジ。」

「フフ♪気にしないで借りといてくださいな♪」

「…………行くぞ」

その瞬間アキヒトは一瞬に姿を消し、クラリッジの背後に廻り桔梗で切りかかる

「早い!!」

クラリッジも即反応し体の向きを後ろに向け鎌で抑えた

「びっくりしました♪前会ったときとは格段に強くなりましたね♪」

「チッ…」

アキヒトは後ろに下がり距離を開けると再び一瞬にし姿を消した

「その速度、なれましたよ♪」

クラリッジは目を上に向けアキヒトを確認すると、鎌を頭上で回し始めた。それと同時に彼を中心として風が帯始める

「バラバラにしてあげますよ~♪」

しかし、頭上にいたアキヒトは再び姿を消した

「え!?」


「誰をバラバラにするって…?」

その声はクラリッジの背後から聞こえていた

「しまった!!」

クラリッジが気づいた時には遅かった…

アキヒトの一振りと同時に、クラリッジの右腕は宙に上がった。

「クッ!!」

クラリッジは左手に鎌を持ち換えアキヒトと距離をあける。

その時、クラリッジは自分の目を疑った。アキヒトの体から蒸気のように出る黒いオーラ、そして、赤くなっている目。

「なるほど♪あなた、悪魔に魂を売ったわね♪」
クラリッジは右手の痛みから出る汗を流しながら、微かに笑っている。

「貴様に話すことはない…楽にしてやる…クラリッジ」

続く

修羅

彼女の部屋に着くまで、お互い会話を交わさなかった。彼女を中心とした領域、テリトリーに入る事だけを避けて歩く事で、俺にそんな余裕はない。
部屋は25階立てのマンションの9階。新人といっても流石売れっこグループ、立派なマンションだ。
中は白と黒のシックな感じで統一しており、中は基本薄暗い。部屋で飼っている熱帯魚の青の蛍光灯が、不気味さを増している。

「飲み物は、冷たい物の方がいいかしら?」

キッチンで冷蔵庫を開けながら俺を見つめてきた
「あぁ、すまない。」

彼女は俺の返事を聞くと笑顔を見せ中からウーロン茶を取り出し、コップを二つ持ってテーブルに置いた。
俺も彼女がグラスにウーロン茶を入れるのを確認し、部屋を見回すを辞めテーブルの脇に立った。
「どうぞ、座って」

グラスに注いだウーロン茶を一番近くの席の前に置き、俺を促した

俺は促されたまま席に着くのを確認すると、彼女も向かいに座り、グラスを口に運ぶ。

俺も彼女に目をやりながらウーロン茶を口に運んだ。

「それて、何から話したらいいのかしら?」

彼女の切り出し少し驚きながらも、冷静にグラスを机に置く。

「独身女性の部屋に、長居するつもりはない…短刀直入に聞こう…」

白川は笑みで答えた

「お気になさらずに、ゆっくりしていってください…探偵さん」


長居したら、こっちが危ない。勝機があるとしたら、初めから全力でいき、相手に攻撃をさせないことだ…それなら…


「……他のメンバーを消したのは…お前か…?」

「いえ、違います…」


表情に変化なし


「犯人の、見当は…?」

「ありません…全く」

変化なし

「他のメンバーが、自分から抜けたと思うか?」

「それは…ないと思います」

「なぜだ?」


「みんなは…そんな人じゃないです…」

「僻んでたんじゃないのか…?白川千春だけがソロを出す事に」


「そらはありません…」
「なぜ言い切れる」

「なぜって……みんなが提案したことだから…」

……何……?



今……なんていった…?


他のメンバーが……だと…


「ちょっと待て!!…他の奴らが、やれっていったのか!」

俺は勢いよく席を立った反動で、机のグラスが揺らいだ。
白川は揺らぐグラスが倒れると思ったのか、手を出したがその手を使う事はなかった。

「はい……そうです…」

「なっ、なぜだ…?」

俺は見上げる白川を目を見開いて見つめた


「わかりません……私は断ったんですが……どうしてもって…」


なんだ……何かが……おかしい…
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