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飼われている鳥の話だ。



彼は孤独だった。


お洒落な鳥籠は、一つしかない彼の体を囲うには広すぎて、

ぶら下がる木材は、一つしかない彼にはあまりに多すぎた。



彼は何度も空を飛ぶ夢を見た。


格子越しの青い世界に何度も想いを馳せた。



彼はいつも餌を運ぶご主人様の苦労を知っていた。

彼はいつも籠を洗うご主人様の苦労を知っていた。


しかしご主人様には自分しかいないのだとも知っていた。






いや、知っていたのではなかった。


思い込んでいただけだった。


そうでもしないと、彼は彼でいることができなかったのだ。





しかし彼は気付いてしまった。

鳥籠の鍵が、いつも開いていることを。










彼は何度も飛ぶ夢を見た。

しかしもう一つ、気付いてしまった。


飛んで独りになるのはご主人様ではなく、自分であることを。





その後彼がどうなったのかは、まだ分からない。



ただ一つ言えるのは、

これは鳥の話ではないということだ。

ーー以下走り書きーー

 

これから私がやらせて頂きますのは、日本で伝統的な芸の一つ、落語でございます。面白い話を一人でこう役を変えながら話すという独特な演芸です。なかなか難しい日本語や、聞き取りづらい部分があるかと思いますが、そんなときはなんとなぁくフィーリングで笑って頂けたら嬉しゅうございます。

さて10月に入りまして、徐々に日も短く、夜も寒くなって参りましたが、まだまだ昼間は暑く感じます。日本では夏の蒸し暑い夜、暗い部屋に数人集まり怖い噺をするというのが風物詩といいますか、よく聞く話でございますが、テレビ番組などでもですね、よく「ここから、手が見えてますなあ、これは、なんでしょうね」とかいって「先祖の霊が」とかなんとか言うてますが

昔の人もですね、怖い噺が大好きでこのような形で舞台に上がった噺家が客の前で怖い噺を聴かせるというのもございまして。しかし10日間同じ噺をするものだから、いつもいる客の中には覚えてしまう人もいます。噺家が終わりに「さて恐ろしき執念かな……」と言おうとすると、それを奪って「執念かい?」、「うーん、残念だ……」。

そういえば、この近くでは姫路に伝わる有名な噺がございます。

 

「この姫路の地では昔有名で歴史ある、鉄山という男の屋敷があった。そこにはお菊という大変美しい女が仕えていて、鉄山、この女に思いを寄せて手を替え品を替え様々に口説いたんだがどうしてもお菊は言うことを聞かない。そうなれば鉄山、可愛さ余って憎さ百倍、なんとかしてこのお菊を苦しめてやろうと、家に伝わる10枚一組、葵の皿というものを持ちだして「これお菊、これは将軍から伝わる大切な宝物、もし万が一のことがあれば鉄山、身に変えて申し訳をせねばならん。必ず粗相のないように」と言われてお菊はびっくりした。「そんな大事な宝物を、女中風情の私が」と思ったが「かしこまりました」と請け負って自分の部屋へもって帰ってしまっておいた。鉄山お菊のいない頃を見計らってこの皿を一枚抜き取って、隠したのだ…。(ほうほう!)そうしておいて「これお菊、この前そなたに預けた皿、急に必要になった。こちらへ持ってこい。数改めて受け取ろう」なんにもしらんお菊さん「かしこまりました」と持ってきて一枚二枚と数えたが…。そら一枚足らんやろう。(ほうほう!)びっくりしたお菊が震える手先で一枚二枚三枚四枚五枚六枚七枚八枚九枚と

何回数えても一枚たらん。「これはどうしたことか」と泣き崩れるお菊を冷ややかに見つめる鉄山「ええい貴様、どこに隠した」と問い詰める。知らぬ存ぜぬと言い張るがついにはお菊、髪の毛を掴まれて庭の井戸へ引きずられ、上から水をざぱーん。も一度水をざぱーん。「盗みの汚名が恨めしうございます、どうかもう一度」皿の数を数えさせてくれというのを聞かず、「見せしめだ」と長い刀をザバっ、肩先からっっざばっ!袈裟懸けだ・・・。これからこれがザバッと切れた。そうして井戸に落とされ、お菊は死んでしまった。無残な最期だ。時がたち夜になると井戸からお菊の霊がぽっと浮かび上がり、そのまますーっと鉄山の枕元に向かえば、息ができなくなった鉄山、お菊に取り殺されてしまい、屋敷は荒れてしまった。これがお菊の呪いだ」

「恐ろしい話ですねええええ!昔の話でしょう!」

「ああ昔の話だが、いうとく今でも出るんやで」

「なんでござますか、今でも出る!?」

「ああああ毎晩同じ時間に井戸からは皿を数える女の声が聞こえる」

「わああ!あの!皿屋敷に!あそこの!?お菊さんに!あえんの!わぁぁ今晩に見にいってこ」

「は?」

「こんばんみにいってこwww」

「デレデレすんな。……そりゃあおめー、見に行くのは構わねえが……気を付けや、お菊が皿を九枚まで数えるの聞いたら狂い死んでまうからな。(あほなことあるかい!)ほんまやほんまや何人も死んでいったからな」「そら九枚まで聞いたらアカンな。・・・それやったら九枚きかんったらええんやろ!こう7枚くらいまで聞いてびやーーーっと」

「・・・あー・・・それはそうともいえるが・・・せやかてこう、一枚二枚三枚四枚・・・と順序良く言ってくれたらいいけど、相手が根性の悪い読み方したらどないすんねん」

「根性の悪い読み方って?」

「そらこう5枚六枚・・・七枚八枚九枚♪」

「アホなことあるかい!お前も行くか?おう行こう行こう!お前は?行かんの?なっさけない奴やなあ男を見せんかい男を!お、行く?よーしそれでこそ日本男児や!おい、お前は?お前は?」

と聞いているうちに行くメンバーも出来上がり、さて夜も更けてまいりました。ちょうどいい時間だということで、馬鹿な男が五人、ぞろぞろと屋敷に向かって歩いていきます。

「…………見えた!見えたで皿屋敷!うわぁ昼間はよう見るが、夜にくるとまた一層気味が悪く見えるもんやなあ!…………あー寒い。やっぱ10月に来るもんじゃねえよ」

「お前が行きたい言ったんやろが。(ガラガラガラ)……お、開いとる開いとる。よぉし井戸はどこや井戸は…………おいお前あほう!なに扉閉めとんねん、逃げにくいやろ!んなとこ礼儀正しくせんでええねん…………お、あったあった……あれかあー随分古そうな井戸だなあ」

「いいか、六枚まで聞いたらダッシュやで、九枚まで聞いたらダメやで、六枚まで、六枚まで」

そうこうしているうちに井戸からふっと女の幽霊が出てきて

「うらめしや……鉄山どの・・・・(でたでたでたでた!)一枚二枚(数読みだしたで・・・間違えんように聞いときや・・・)三枚四枚(後3枚でっせ…)五枚六枚七枚」

「そらいけええええええええ!!!うわああああああ!!はっはっはっはっ!!!あーこわかったあーこわかったあーーーーこわかった!!!こんな怖いの生まれて初めてやあああ怖かった!!明日の晩も行こ」

「あっ・・・あほやでこいつは・・・そんな怖かったらいかんかったらいいのに」

「そうは言うけどな!さっき走ってる時にちょっと振り返ってみたらお菊さんってべっぴんやなあwwwあんなべっぴん見たことない!明日の晩も行こ」

「あほやでこいつは!」

そんなやつがでてアクル版も7枚で逃げてなんてこともない!何や面白いもんが見れるそうやとわたしもおれもと毎晩毎晩皿屋敷に行く人数が増える一方でございます。それはもう北海道から九州沖縄まで伝わってみんなバスで見物に来る騒ぎになりまして、皿屋敷までの道なんてもう屋台がずらーっと並ぶほどにえらい賑やかになってしまいまして

「なんやあれ、菊ちゃんまんじゅうか、ほおー新しい名物ができたもんやなあ、ほ?これは?菊ちゃん人形!可愛いもんやなあ。これもお菊ちゃんがべっぴんやさかい幽霊やなかったらここまでなことにはならへん。それにしても10日ほど仕事も休んでずーっと通ってますがなかなかこっちむいてくれまへんなあ」

「あんたなあ10日やそこらでえらそうなこというたらあきまへん私なんて1ヶ月ずーっと通ってまんねん嫁はんが嫉妬するくらいに」

「えらいことなってまんな、それにしても今日はなんや幕開けが遅いようやな、昨日はこれくらいには始まってたように思いますが」

「何をあほなこと言うてまんねん幕開けなんて芝居観に来てるんとちゃいます、しかしそう言われてみれば確かに今日はちょっとばかし遅い気もしますな、もしかしたら昨日備えられてた上等な酒でものんでんのか」

「んなあほなこといいなさんな!」

わーわーわーわー言うてる内に時刻が参ります。さあお菊さん井戸からポット浮かび上がると

「わーっぱちぱちぱち!待ってましたあ!お菊さーん!にっぽんいちいいい!」

「・・・おこしやすーーww」

「今日もまた可愛らしいwww」

「へへ、よろしうおます、(髪かきあげ)んっんー、う↑らめし↓や・・・鉄山どの・・・」

「うわあそこそこ!」

「一枚二枚・・・」

「んっんー?お菊さんちょっと今日は声の調子悪いなあ」

「すんません、風引いてまんの・・・三枚四枚五枚六枚七枚」

「そらいけえええ七枚やあああ押したらイカン押したらイカン、私は押してないが後ろが押してまんねんがな」

「八枚九枚十枚十一枚十二枚」

「!?・・・ちょいとまちなはれ私の聞き間違いかも知らへんけどな、いま十二枚とかいいましたで」

「十三詣十四枚十五枚十六枚十七枚十八枚」

「わかりましたわかりました皆さんお静かに口々に云うてしまったらわかりません私がいいます私が代表でいいますこらあああああ!私が代表でいいますこらああああああ!!私がいいますこらああああああ!!こらお菊う!お前世の中に十枚しかない皿が九枚しかなくてソレが恨めしくてでてくんねんやろそれで九枚まで聞かへんようにだ~っと走って逃げるんやろソレが聞いてたら何やって?十枚十一枚十二枚ほっといたら十八枚とかいうたなお前は皿屋敷のお菊ならもっと商売について勉強せい阿呆!」

「・・・ぽんぽんぽんぽんいいなはんな、なんやねん偉そうに・・・私はあのお菊です?ソレくらいのこと分かってます?」

「・・・憎たらしい女やねえ、自分の悪いとこ認めないという女の壱番いやなトコがでましたでー。分かってて何でそんなたくさん皿の数読んだんでえ!」

「風引いてますので2日分よんどいて、明日の晩、休みますの」

 

 

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これは動画を参考に書いた走り書きです。

変換も十分にできてないものです。

しかも本番は満足に覚えられず、結局アドリブでやってました。

同じ授業だった子たちの中には「こんなの聞いてない」という部分もあるはずですw

 

はい、2週間クオリティでした。

 

参考動画:http://www.youtube.com/watch?v=EfvdNfr3wbE

「桂枝雀」先生の皿屋敷です。

私が一番大好きな上方落語の噺家なので、これを機に是非他の作品もご覧ください。