2011年2月10日,サイバーフロントから発売される予定のRPG,「アルカニア ゴシック4」(/。以下,アルカニア)の魅力を,なんと2010年から2011年にかけて,数回にわたって紹介していこう,という記事の第1回だ。今回は,システムなどを中心に,ゲームの基礎を説明する。
人間やオーク,ゴブリンなどが一緒に暮らすファンタジー世界を描いた「Gothic」シリーズは,ヨーロッパでは人気の高いRPGとしてよく知られている。とはいえ,日本での知名度はいまいち。せっかく日本語版が出るのでもったいない,ぜひ知ってもらいたい,というわけだ。
ちなみに,今回の記事ではXbox 360版を使用しているが,開発中のバージョンなので,リリース予定の製品版とは微妙に異なる部分があるかもしれない。その点は,あらかじめご了承願いたい。
アルカニアは,メインとなるストーリーはあるものの,実際には気ままにフィールドを駆けめぐり,人々が集う村などでNPCからさまざまな情報を聞いてクエストに挑んだり,怪しい洞窟などを探検したりなど,プレイヤーの裁量で自由に世界を冒険できる自由度の高いシステムが特徴だ。
ゲームの世界では時間が経過したり,天候が変化したりなど,刻々と状況が変わっていく。NPCの動きもリアルで,雨が降ると酒場に駆け込んで一杯やり,雨がやむと店を出て行く。人々が寝ているらしい夜は人の姿が減り,代わりに騎士達がタイマツ片手に見張りに立つなど,ファンタジー世界ならではの生活感にあふれる描写が見られる。
キャラクターカスタマイズについては,顔のパーツを細かく調整してオリジナルの主人公を作るとか,性別を選ぶといったことはできないが,装備品で能力をアップさせたり,見た目を若干変えられる。スキルの選択も自由で,どのように育成していくかはプレイヤー次第だ。
ゲームの背景となる広大な世界には,人間やオークの集落があちこちにある。名前のあるNPCと会話すればクエストや情報がもらえるので,積極的に話しかけよう 時間が流れ,天候も変化する。雨が降って稲妻が閃き,夜になれば見回りの兵士がタイマツ片手に歩く。そこは,生きている世界だ
シリーズ初となるコンシューマゲーム機向けタイトルコントローラで遊びやすいよう,工夫された操作
2001年にリリースされた第1作「Gothic」以来,これまで3作が作られてきた「Gothic」シリーズだが,今回のアルカニアでシリーズ初となるXbox 360版が制作される。こういう場合,操作性が気になるところだが,実際にプレイしてみるとそれほど複雑ではない。
基本操作は,左スティックでキャラクターの操作,右スティックでカメラの操作,Aボタンで決定,Bボタンでジャンプ,Xボタンで近接武器での攻撃,Yボタンでブロックといった具合。メニュー画面へは,スタートボタンを押すことでアクセスできる。少しいじっていればすぐに覚えられる感じで,普段からコンシューマ機でゲームを遊んでいるなら,問題なく操作できるだろう。
戦闘は,Xボタンの連打だけでコンボが出せるお手軽仕様で,敵があまり強くない場合など,それだけで全滅させられるだろう。そのほか,Rトリガーで弓矢を使い,RBボタンで魔法攻撃が出せる。このように,攻撃が3つのボタン(トリガー)にまとめられているため,例えば魔法を使って敵の動きを止め,近接武器で攻撃といった動きも簡単に行えるのだ。手軽な操作で,さまざまなアクションを繰り出せるのが楽しい。
近づいて剣や斧で攻撃するか,離れたところから弓矢や魔法を使うか,戦闘スタイルは自由。単純にボタンを押しているだけでも,派手な攻撃が出せるので,爽快だ
HUDの中では,やはり画面下部の体力,スタミナ,マナの3つを気にする必要がある。画面右上のミニマップのオレンジ色のカーソルは,北を指している この世界で生き抜ていくうえで大切なのは,画面下部に表示される「体力」(赤色),「スタミナ」(黄色),そして「マナ」(青色)という3つのパラメータだ。敵の攻撃を受けると体力が減り,0になったらおしまいなので,戦闘中は体力に常に注意を払っておく必要がある。敵の攻撃をブロックしたり回避したりして,なるべく食らわないようにすることが基本だ。ピンチになったら,ポーションを使ってすぐにでも回復したいが,周囲に敵がいなければ,しばらくじっとしているだけで体力は自動的に元に戻る。
スタミナはスキルを使ったときに,また,マナは魔法を使ったときそれぞれ消費される。体力と同じく,じっとしているだけで勝手に回復するが,強敵と戦っているときなど,すぐに回復させたい場合は,スタミナ/マナ専用のポーションを使うことになるだろう。
体力,スタミナ,マナの下にはバーがあり,Lineage2 RMT,これは現在獲得している経験値の量を示す。バーが満タンになるとレベルアップするが,そのとき何ができるのかについては,のちほど説明しよう,rmt。
序盤はチュートリアルクエスト説明書を読まなくてもゲームのシステムを学べる
ここで,アルカニアの舞台を紹介しよう。ゲームのスタート地点は「フェシル」という小さな村で,主人公は羊飼いの青年だ。とはいえ,どうやら秘められた力を持っているようで,剣や弓矢などの武器を使いこなしたり,なぜか魔法も使えるなど,タダ者ではない。
悪夢から目覚めた主人公は,恋人で村長の娘でもあるアイヴィーから,彼女の父親が呼んでいるというメッセージを伝えられる。ここで「主人公がアイヴィーとの結婚を許してもらうために,試練に挑む」というクエストが発生する。硬派なRPGとしてはちょっと異色な雰囲気だが,これがチュートリアルになっており,敵との戦い方やNPCからのクエストの受注方法,マップの見方など,さまざまなことを学んでおける。世界観を確認しつつ,システムも覚えられるので,一石二鳥だ。
ロバール3世の前に立ちはだかるガイコツの戦士や,アークデーモン。突然こんな状態でゲームが始まるので,ちょっと戸惑うが,ここでゲームオーバーにはなる心配はない。とにかく倒し続けよう
この試練をクリアしたあと,主人公はある用事を済ませるために,村から離れる。彼が村を出ている間,夢の中に出てきたロバール3世が率いるミルタナ王国の騎士団が村に攻め込み,フェシルは壊滅してしまう。生き残った主人公は,自分のすべてを奪ったミルタナ王国に復讐するため,冒険の旅へ向かうというわけだ。
ここからゲームが本格的に始まるのだが,アルカニアには「ゴシック物語」というメインクエストが用意されており,ストーリーの進行状況によって,ここに新しい項目が追加されていく仕組みだ。
クエストを受注すると,メニュー画面にも詳細が表示される。多くのクエストでは,クリアするために複数の目標を達成していかなければいけない 例えば上記のクエスト「グロマールの許し」は,主人公がアイヴィーと結婚するための試練を1つクリアしていくごとに,内容が更新され,すべてクリアすることで新たなメインクエストが追加され,ストーリーが進むのだ。
クエストはかなり多数用意されていて,マップで発生ポイントが確認できる。誰に話を聞けばいいかは,対象となるNPCの頭上に「!」マークが示されているので,すぐに分かる。ここでその人物に話しかければ,クエストを請け負えるわけだ。
発生するクエストはゴシック物語に絡むメインのものと,サブクエストがあるが,複数のクエストが同時に受注できるし,受けたクエストをどの順番からクリアしても構わない。とりあえず受けるだけ受けて,面倒そうなものは放置しておいても問題なし。
クエストで行くべき場所には,マップに「○」マークが付いているので,そこを目指して進めば迷わないだろう。コンシューマ機向けタイトルらしく,いろいろとユーザーフレンドリーな仕様になっており,プレイしやすい。
アルカニアの世界は非常に広大だが,移動は徒歩が基本になる。集落から集落へ移動するのにも結構な時間がかかって大変だ。ただし,特定の場所に「テレポーター」と呼ばれる一種のワープ装置があり,ある区間を一瞬で移動できる仕掛けも用意されている。ただ,テレポーターまでは,どのみち歩いて行く必要がある。
レベルアップでパワーアップスキルの覚え方次第で,キャラクターの個性がつけられる
基礎パラメータはインベントリで確認可能。武器や防具によってパラメータは増減するし,スキルによっても変化する RPGの醍醐味といえば,主人公にさまざまなスキルを覚えさせ,自分だけのキャラクターを作るところにある。成長することで,これまで難しかった強敵を倒せるようになったり,行けない場所に行けるようになったりして,プレイの幅が広がっていくのだ。
アルカニアでは,敵を倒したりクエストで目的を達成することで経験値が得られる。画面下部には経験値の獲得量を表示するバーがあり,これが一杯になればレベルアップする。レベルアップによって体力や攻撃力といったパラメータが上昇し,スキルポイントが3つもらえる。
スキルには,「気骨」「正確」「隠密」といった8つのカテゴリーが用意され,ポイントを割り振ることでこれらのいずれかが上昇していくというシステムだ。また,特定のレベルに達すると「ユニークスキル」も使えるようになる。
スキルポイントを獲得したら,伸ばしたいところに割り振るだけ。ユニークスキルを覚えて,戦闘で活用しよう。右のスクリーンショットは,連続攻撃を繰り出す「疾風」を使ったところだ
スキルが上がれば,攻撃後にタイミングよくボタンを押すことで,スタミナを消費して連続攻撃を繰り出したり,弓矢で狙いを定める際,ズームインで狙いが付けやすくなるといったことができるようになる。
また魔法では,「炎ダメージ+追加ダメージ」「氷ダメージ+行動速度のダウン」「雷ダメージ+麻痺」といった具合に追加効果が使えるようになる。これらの追加効果は十字ボタンに割り振ってあるので,状況に応じて素早く切り替えよう。
どのように育てればいいかの指針はなく,基本的にプレイヤーのやりたいようにやればいいのだ。まんべんなくポイントを振り,武器も魔法も得意なオールラウンダーにしてもいいし,特定のものを集中して鍛えるのもアリだろう。とはいえ,ポイントを割り振って確定させると,もう取り消しはできないため,ここは慎重に考える必要がある。
いずれにせよ,こうしたシステムによって,プレイヤーごとに個性的な主人公を育てることができる。きっと,RPGの醍醐味を体感できるはずだ。
個人的には,普通に敵を倒していってもそれほど多くの経験値を得られないが,クエスト中に敵を倒すと,より多く経験値をもらえるという印象を受けた。クエストは大小合わせてかなりの数が用意されているので,メインクエストにこだわらず,多少寄り道してクエストをこなしながら進めていくほうが,成長は早まりそうだ。
アイテムコレクションも楽しめる素材を集めて新たなアイテムを作るのも楽しい
アルカニアには,クエスト同様,かなりの数のアイテムが用意されている。カテゴリーとしては以下に述べる7つがあり,それぞれのアイテムは「店で買う」だけでなく,「フィールドで拾う」「倒した敵から奪う」など,さまざまな手段で入手可能だ。主人公に武器や防具を装備させると,見た目にも反映されるので,気に入ったコーディネイトを見つけるという楽しさもありそうだ。では,カテゴリーについて紹介しよう。
武器や防具を装備させることで,見た目が変化する。装備によっては,すれ違う人から驚嘆されたりして楽しい
?近距離攻撃用武器
その名のとおり,剣や斧など接近戦で使用する武器を指す。近接武器としては片手で持てるものと,両手で持つ巨大なものの2種類が用意され,両手武器の場合,敵の攻撃を武器で防ぐこともできる。
?遠距離攻撃用武器
弓や弩などの遠距離攻撃用の武器。弓なら普通の矢だけでなく火矢を放てるし,弩なら太矢という威力の高い矢を使える。どちらもヘッドショットなら,ダメージ30%アップ。
?装備品
装備品という名称が少々紛らわしいが,鎧,兜,盾,アクセサリなどの防具のことだ。
?消耗品
体力やスタミナなどを回復するポーションや食料品などを指す。
?その他
錬金術や料理の材料になる,各種素材のことを指す。
?クエストアイテム
読んで字のごとく,クエストをクリアするために必要となるアイテムのことだ。
?巻物
料理のレシピ,錬金術でアイテムを作る際に必要な「錬金調合書」などを指す。レシピや錬金調合書を使用すると,「アイテム生成」メニューにその項目が追加される。ほかには,マナを消費せずに使える「ルーン」というマジックアイテムや,使い捨ての巻物なども,巻物のカテゴリーとして扱われる。
本作ではアイテムに「重さ」などの概念はなく,持ち運べる量にも制限はない。とりあえず目に入ったものを入手しておけば,あとで役に立つこともある。それぞれのアイテムがどういうものであるかの確認も簡単だし,その説明を読むことで,世界観の理解がより進むというメリットもあるだろう。
巻物の項目でも少し触れているが,アイテム生成がアルカニアの大きな特徴だろう。店で購入したり,クエストクリア時の報酬として得られるレシピや錬金調合書を使うことで,食材を組み合わせた料理(回復アイテム)や,戦闘補助アイテムを作ることができるのだ。
装備品も作れるので,素材を集めて剣や篭手などを作り,冒険のすべてを自給自足でまかなうことも可能だ。アイテム生成のために特定の場所に行く必要はなく,どこでも可能になっている。素材さえあれば,戦闘中でもポーションが作れ,それを使って体力を回復させたりできるので,これはプレイの幅を広げる非常に便利なシステムだといえる。
素材と素材の組み合わせて新しいアイテムを作ること自体が面白いし,さまざまなアイテムをコレクションしていくという楽しさもある。
アイテム生成でいろいろなアイテムを作ろう。レシピや錬金調合書を読んで製造方法を覚え,素材を揃えていくのだ。ある程度ゲームを進めなければ,武器や防具などは作れないが,かなり強力なものもできるらしい
ファンタジーテイストのRPGを遊びたいならこれマニアから初心者までオススメできる一本
さまざまなクエストを追ってもいいし,ストーリーとは関係なく,フィールドを歩き回ってもいい。素材を集めてアイテムを作ったりなど,この世界での生活を好きなように楽しめるところが,アルカニアの最大の魅力だと思う。
街や集落にいるNPCと会話して情報を聞くことで,世界観の理解も進んでいくし,簡単操作でさまざまなアクションが繰り出せる戦闘を楽しんでもいい。いろいろなことをすればするほど,ゲームが楽しくなっていくのだ。
ローカライズも丁寧に行われており,メニューまわりはもちろんのこと,膨大なテキストもしっかりとした文章に落とされているので,会話の内容も理解しやすい。チュートリアルも充実しており,ゲーム内で新たな要素が発生すれば,必要な情報がポップアップしてくれるという仕様も親切だ。
ファンタジーテイスト溢れるシングルプレイRPGに仕上がっており,マニアから海外RPG初心者にもオススメできる一本といえるだろう。さて,今回はシステム面を中心に紹介したが,次回からは別の切り口で魅力を紹介していこうと思う。お楽しみに。
関連トピック記事:
人間やオーク,ゴブリンなどが一緒に暮らすファンタジー世界を描いた「Gothic」シリーズは,ヨーロッパでは人気の高いRPGとしてよく知られている。とはいえ,日本での知名度はいまいち。せっかく日本語版が出るのでもったいない,ぜひ知ってもらいたい,というわけだ。
ちなみに,今回の記事ではXbox 360版を使用しているが,開発中のバージョンなので,リリース予定の製品版とは微妙に異なる部分があるかもしれない。その点は,あらかじめご了承願いたい。
アルカニアは,メインとなるストーリーはあるものの,実際には気ままにフィールドを駆けめぐり,人々が集う村などでNPCからさまざまな情報を聞いてクエストに挑んだり,怪しい洞窟などを探検したりなど,プレイヤーの裁量で自由に世界を冒険できる自由度の高いシステムが特徴だ。
ゲームの世界では時間が経過したり,天候が変化したりなど,刻々と状況が変わっていく。NPCの動きもリアルで,雨が降ると酒場に駆け込んで一杯やり,雨がやむと店を出て行く。人々が寝ているらしい夜は人の姿が減り,代わりに騎士達がタイマツ片手に見張りに立つなど,ファンタジー世界ならではの生活感にあふれる描写が見られる。
キャラクターカスタマイズについては,顔のパーツを細かく調整してオリジナルの主人公を作るとか,性別を選ぶといったことはできないが,装備品で能力をアップさせたり,見た目を若干変えられる。スキルの選択も自由で,どのように育成していくかはプレイヤー次第だ。
ゲームの背景となる広大な世界には,人間やオークの集落があちこちにある。名前のあるNPCと会話すればクエストや情報がもらえるので,積極的に話しかけよう 時間が流れ,天候も変化する。雨が降って稲妻が閃き,夜になれば見回りの兵士がタイマツ片手に歩く。そこは,生きている世界だ
シリーズ初となるコンシューマゲーム機向けタイトルコントローラで遊びやすいよう,工夫された操作
2001年にリリースされた第1作「Gothic」以来,これまで3作が作られてきた「Gothic」シリーズだが,今回のアルカニアでシリーズ初となるXbox 360版が制作される。こういう場合,操作性が気になるところだが,実際にプレイしてみるとそれほど複雑ではない。
基本操作は,左スティックでキャラクターの操作,右スティックでカメラの操作,Aボタンで決定,Bボタンでジャンプ,Xボタンで近接武器での攻撃,Yボタンでブロックといった具合。メニュー画面へは,スタートボタンを押すことでアクセスできる。少しいじっていればすぐに覚えられる感じで,普段からコンシューマ機でゲームを遊んでいるなら,問題なく操作できるだろう。
戦闘は,Xボタンの連打だけでコンボが出せるお手軽仕様で,敵があまり強くない場合など,それだけで全滅させられるだろう。そのほか,Rトリガーで弓矢を使い,RBボタンで魔法攻撃が出せる。このように,攻撃が3つのボタン(トリガー)にまとめられているため,例えば魔法を使って敵の動きを止め,近接武器で攻撃といった動きも簡単に行えるのだ。手軽な操作で,さまざまなアクションを繰り出せるのが楽しい。
近づいて剣や斧で攻撃するか,離れたところから弓矢や魔法を使うか,戦闘スタイルは自由。単純にボタンを押しているだけでも,派手な攻撃が出せるので,爽快だ
HUDの中では,やはり画面下部の体力,スタミナ,マナの3つを気にする必要がある。画面右上のミニマップのオレンジ色のカーソルは,北を指している この世界で生き抜ていくうえで大切なのは,画面下部に表示される「体力」(赤色),「スタミナ」(黄色),そして「マナ」(青色)という3つのパラメータだ。敵の攻撃を受けると体力が減り,0になったらおしまいなので,戦闘中は体力に常に注意を払っておく必要がある。敵の攻撃をブロックしたり回避したりして,なるべく食らわないようにすることが基本だ。ピンチになったら,ポーションを使ってすぐにでも回復したいが,周囲に敵がいなければ,しばらくじっとしているだけで体力は自動的に元に戻る。
スタミナはスキルを使ったときに,また,マナは魔法を使ったときそれぞれ消費される。体力と同じく,じっとしているだけで勝手に回復するが,強敵と戦っているときなど,すぐに回復させたい場合は,スタミナ/マナ専用のポーションを使うことになるだろう。
体力,スタミナ,マナの下にはバーがあり,Lineage2 RMT,これは現在獲得している経験値の量を示す。バーが満タンになるとレベルアップするが,そのとき何ができるのかについては,のちほど説明しよう,rmt。
序盤はチュートリアルクエスト説明書を読まなくてもゲームのシステムを学べる
ここで,アルカニアの舞台を紹介しよう。ゲームのスタート地点は「フェシル」という小さな村で,主人公は羊飼いの青年だ。とはいえ,どうやら秘められた力を持っているようで,剣や弓矢などの武器を使いこなしたり,なぜか魔法も使えるなど,タダ者ではない。
悪夢から目覚めた主人公は,恋人で村長の娘でもあるアイヴィーから,彼女の父親が呼んでいるというメッセージを伝えられる。ここで「主人公がアイヴィーとの結婚を許してもらうために,試練に挑む」というクエストが発生する。硬派なRPGとしてはちょっと異色な雰囲気だが,これがチュートリアルになっており,敵との戦い方やNPCからのクエストの受注方法,マップの見方など,さまざまなことを学んでおける。世界観を確認しつつ,システムも覚えられるので,一石二鳥だ。
ロバール3世の前に立ちはだかるガイコツの戦士や,アークデーモン。突然こんな状態でゲームが始まるので,ちょっと戸惑うが,ここでゲームオーバーにはなる心配はない。とにかく倒し続けよう
この試練をクリアしたあと,主人公はある用事を済ませるために,村から離れる。彼が村を出ている間,夢の中に出てきたロバール3世が率いるミルタナ王国の騎士団が村に攻め込み,フェシルは壊滅してしまう。生き残った主人公は,自分のすべてを奪ったミルタナ王国に復讐するため,冒険の旅へ向かうというわけだ。
ここからゲームが本格的に始まるのだが,アルカニアには「ゴシック物語」というメインクエストが用意されており,ストーリーの進行状況によって,ここに新しい項目が追加されていく仕組みだ。
クエストを受注すると,メニュー画面にも詳細が表示される。多くのクエストでは,クリアするために複数の目標を達成していかなければいけない 例えば上記のクエスト「グロマールの許し」は,主人公がアイヴィーと結婚するための試練を1つクリアしていくごとに,内容が更新され,すべてクリアすることで新たなメインクエストが追加され,ストーリーが進むのだ。
クエストはかなり多数用意されていて,マップで発生ポイントが確認できる。誰に話を聞けばいいかは,対象となるNPCの頭上に「!」マークが示されているので,すぐに分かる。ここでその人物に話しかければ,クエストを請け負えるわけだ。
発生するクエストはゴシック物語に絡むメインのものと,サブクエストがあるが,複数のクエストが同時に受注できるし,受けたクエストをどの順番からクリアしても構わない。とりあえず受けるだけ受けて,面倒そうなものは放置しておいても問題なし。
クエストで行くべき場所には,マップに「○」マークが付いているので,そこを目指して進めば迷わないだろう。コンシューマ機向けタイトルらしく,いろいろとユーザーフレンドリーな仕様になっており,プレイしやすい。
アルカニアの世界は非常に広大だが,移動は徒歩が基本になる。集落から集落へ移動するのにも結構な時間がかかって大変だ。ただし,特定の場所に「テレポーター」と呼ばれる一種のワープ装置があり,ある区間を一瞬で移動できる仕掛けも用意されている。ただ,テレポーターまでは,どのみち歩いて行く必要がある。
レベルアップでパワーアップスキルの覚え方次第で,キャラクターの個性がつけられる
基礎パラメータはインベントリで確認可能。武器や防具によってパラメータは増減するし,スキルによっても変化する RPGの醍醐味といえば,主人公にさまざまなスキルを覚えさせ,自分だけのキャラクターを作るところにある。成長することで,これまで難しかった強敵を倒せるようになったり,行けない場所に行けるようになったりして,プレイの幅が広がっていくのだ。
アルカニアでは,敵を倒したりクエストで目的を達成することで経験値が得られる。画面下部には経験値の獲得量を表示するバーがあり,これが一杯になればレベルアップする。レベルアップによって体力や攻撃力といったパラメータが上昇し,スキルポイントが3つもらえる。
スキルには,「気骨」「正確」「隠密」といった8つのカテゴリーが用意され,ポイントを割り振ることでこれらのいずれかが上昇していくというシステムだ。また,特定のレベルに達すると「ユニークスキル」も使えるようになる。
スキルポイントを獲得したら,伸ばしたいところに割り振るだけ。ユニークスキルを覚えて,戦闘で活用しよう。右のスクリーンショットは,連続攻撃を繰り出す「疾風」を使ったところだ
スキルが上がれば,攻撃後にタイミングよくボタンを押すことで,スタミナを消費して連続攻撃を繰り出したり,弓矢で狙いを定める際,ズームインで狙いが付けやすくなるといったことができるようになる。
また魔法では,「炎ダメージ+追加ダメージ」「氷ダメージ+行動速度のダウン」「雷ダメージ+麻痺」といった具合に追加効果が使えるようになる。これらの追加効果は十字ボタンに割り振ってあるので,状況に応じて素早く切り替えよう。
どのように育てればいいかの指針はなく,基本的にプレイヤーのやりたいようにやればいいのだ。まんべんなくポイントを振り,武器も魔法も得意なオールラウンダーにしてもいいし,特定のものを集中して鍛えるのもアリだろう。とはいえ,ポイントを割り振って確定させると,もう取り消しはできないため,ここは慎重に考える必要がある。
いずれにせよ,こうしたシステムによって,プレイヤーごとに個性的な主人公を育てることができる。きっと,RPGの醍醐味を体感できるはずだ。
個人的には,普通に敵を倒していってもそれほど多くの経験値を得られないが,クエスト中に敵を倒すと,より多く経験値をもらえるという印象を受けた。クエストは大小合わせてかなりの数が用意されているので,メインクエストにこだわらず,多少寄り道してクエストをこなしながら進めていくほうが,成長は早まりそうだ。
アイテムコレクションも楽しめる素材を集めて新たなアイテムを作るのも楽しい
アルカニアには,クエスト同様,かなりの数のアイテムが用意されている。カテゴリーとしては以下に述べる7つがあり,それぞれのアイテムは「店で買う」だけでなく,「フィールドで拾う」「倒した敵から奪う」など,さまざまな手段で入手可能だ。主人公に武器や防具を装備させると,見た目にも反映されるので,気に入ったコーディネイトを見つけるという楽しさもありそうだ。では,カテゴリーについて紹介しよう。
武器や防具を装備させることで,見た目が変化する。装備によっては,すれ違う人から驚嘆されたりして楽しい
?近距離攻撃用武器
その名のとおり,剣や斧など接近戦で使用する武器を指す。近接武器としては片手で持てるものと,両手で持つ巨大なものの2種類が用意され,両手武器の場合,敵の攻撃を武器で防ぐこともできる。
?遠距離攻撃用武器
弓や弩などの遠距離攻撃用の武器。弓なら普通の矢だけでなく火矢を放てるし,弩なら太矢という威力の高い矢を使える。どちらもヘッドショットなら,ダメージ30%アップ。
?装備品
装備品という名称が少々紛らわしいが,鎧,兜,盾,アクセサリなどの防具のことだ。
?消耗品
体力やスタミナなどを回復するポーションや食料品などを指す。
?その他
錬金術や料理の材料になる,各種素材のことを指す。
?クエストアイテム
読んで字のごとく,クエストをクリアするために必要となるアイテムのことだ。
?巻物
料理のレシピ,錬金術でアイテムを作る際に必要な「錬金調合書」などを指す。レシピや錬金調合書を使用すると,「アイテム生成」メニューにその項目が追加される。ほかには,マナを消費せずに使える「ルーン」というマジックアイテムや,使い捨ての巻物なども,巻物のカテゴリーとして扱われる。
本作ではアイテムに「重さ」などの概念はなく,持ち運べる量にも制限はない。とりあえず目に入ったものを入手しておけば,あとで役に立つこともある。それぞれのアイテムがどういうものであるかの確認も簡単だし,その説明を読むことで,世界観の理解がより進むというメリットもあるだろう。
巻物の項目でも少し触れているが,アイテム生成がアルカニアの大きな特徴だろう。店で購入したり,クエストクリア時の報酬として得られるレシピや錬金調合書を使うことで,食材を組み合わせた料理(回復アイテム)や,戦闘補助アイテムを作ることができるのだ。
装備品も作れるので,素材を集めて剣や篭手などを作り,冒険のすべてを自給自足でまかなうことも可能だ。アイテム生成のために特定の場所に行く必要はなく,どこでも可能になっている。素材さえあれば,戦闘中でもポーションが作れ,それを使って体力を回復させたりできるので,これはプレイの幅を広げる非常に便利なシステムだといえる。
素材と素材の組み合わせて新しいアイテムを作ること自体が面白いし,さまざまなアイテムをコレクションしていくという楽しさもある。
アイテム生成でいろいろなアイテムを作ろう。レシピや錬金調合書を読んで製造方法を覚え,素材を揃えていくのだ。ある程度ゲームを進めなければ,武器や防具などは作れないが,かなり強力なものもできるらしい
ファンタジーテイストのRPGを遊びたいならこれマニアから初心者までオススメできる一本
さまざまなクエストを追ってもいいし,ストーリーとは関係なく,フィールドを歩き回ってもいい。素材を集めてアイテムを作ったりなど,この世界での生活を好きなように楽しめるところが,アルカニアの最大の魅力だと思う。
街や集落にいるNPCと会話して情報を聞くことで,世界観の理解も進んでいくし,簡単操作でさまざまなアクションが繰り出せる戦闘を楽しんでもいい。いろいろなことをすればするほど,ゲームが楽しくなっていくのだ。
ローカライズも丁寧に行われており,メニューまわりはもちろんのこと,膨大なテキストもしっかりとした文章に落とされているので,会話の内容も理解しやすい。チュートリアルも充実しており,ゲーム内で新たな要素が発生すれば,必要な情報がポップアップしてくれるという仕様も親切だ。
ファンタジーテイスト溢れるシングルプレイRPGに仕上がっており,マニアから海外RPG初心者にもオススメできる一本といえるだろう。さて,今回はシステム面を中心に紹介したが,次回からは別の切り口で魅力を紹介していこうと思う。お楽しみに。
関連トピック記事: