今朝、「とくダネ!」を見ていたら、横浜・男性死体遺棄事件をやっていた。

その中で隣人住民は「盗聴している」「盗撮している」「監視をしてる」と、逮捕された人から言われていたと言う。


ハッキリ言って、過去19年の盗聴発見業務の中で「隣人に盗聴されている」と訴えていた人の中で、実際に盗聴されていたケースなど一件も無い。
そして、その大半は病気治療中だったり、診察を奨めて病気が発覚したりした。

そうした現状から、盗聴と言う言葉が出たら、疑うべきは盗聴ではなく精神であると考える。

そもそも盗聴と言う発想は、他者を信じている者には生まれず、疑いを持ているから盗聴と言う発想が生まれる。

それは、周囲を敵と認識している事を意味し、継続的ストレス状態に置かれている事を示す言葉でもある。
その先にあるが鬱病に代表される精神疾患だ。


私は盗聴などより、精神疾患に自覚を促し早期治療に向かわせる事こそ最重要と考える。

一般には認知度は低いが、盗聴や監視を口にする人がいる家庭には知られざる悲劇がある。

それが「突然死」

これは本人だけでなく家族にも降りかかる。

先日も、元相談者から本人が亡くなった連絡があった。
去年か一昨年には本人の息子が突然死した連絡も有った。

そのどちらも死因は「心不全」。

こうした突然死の連絡を十数件受けている。

何れも、妄想を拭い切れなかった人達やその家族だ。

本人が妄想を捨て切れなくて亡くなるのはまだしも、息子が突然死した例は、その妄想に付き合わされる事がストレスとなって心不全に至った可能性が高い。
しかし、本人は相手に何らかの方法で殺されたと思っている。

実に報われない話だ。

そうした家族の突然死を防ぐ為にも、妄想の自覚を促す人材が必要だと思う。