集団ストーカーなる物を研究していると「声が聞こえる」と言う事を訴える人が多い。

一般的にはそれを「幻聴」と言い、幻聴=統合失調症と考える人も多い。

私は調査業と言う職業の観点から、この「幻聴」に興味を持ち、調査業の観点から研究してきた。

そして分かった事がある。

幻聴を「幻聴」と人括りにしてはいけない。
幻聴には3つのケースがある。

その1 スルーとサーチ
人は自分にとって重要な事や興味の有る事には反応(サーチ)し、重要でもなく興味も無い事はスルーしている。

日常生活で聞こえて来る他人の会話の中で、自分にとって重要であり興味の有る事は耳に止まり、自分にとって重要でもなく興味も無い事はスルーしている事が原因で起きる幻聴である。

コインランドリーの「コ」と「ドリー」をスルーしてしまえば「インラン(淫乱)」になるように、一つの単語の中、一つの文章の中で発1文字毎の音に対するスルーとサーチが行われ、全く別の単語や文章に聞こえてしまうケースだ。

その2 音韻修復(脳の補完)
これが研究していて一番面白い。
脳は聞こえなかった部分を補完して、聞き取れなかった発音を補う為雑音の中でも会話を聞き取る事が出来るのだが、この脳の補完を「音韻修復」と言う。

この音韻修復が原因で幻聴が起きる。

音韻修復による幻聴が起きる場合、必ずノイズが存在する。
ここで言うノイズとは、騒音や雑音などの会話以外の音がある環境であり、無音の情況では音韻修復による幻聴は起こらない。

これはノイズがある環境では、脳が雑音の中に何かあるかもしれないと感じ、脳が耳から入ってくる音の中から言葉をサーチしてしまう事で起きると考えられる。

音には音階があり、単語にも音階がある。
雑多な音の中から心理情況に沿った単語の音階の音をサーチし、単語に変換して「言葉」として認識してしまうと考えられる。

私は「聞こえる」系の調査には、事実関係を明白にする為「録音」を推奨する。

録音して声が録音されればその声は存在し、録音されなければその声は存在しない。
それを「録音調査」と称しているのだが、録音調査で録音された音源をスペクトラム解析する。

その録音ファイルには、その人がはっきりと受け答えしている内容が録音されている。

依頼者の前でスペクトラム解析をすると、時折面白い現象が起きる。

私にはノイズしか聞こえない所で声が聞こえると言う。
しかし解析の波形には何も変化は無い。
つまり声は存在していない事を証明している。

私には聞こえず波形にも変化が無いのにその人にか聞こえる。
しかも、その人には同じ所で同じように聞こえている事がある。

同じ所で同じ様に聞こえる人でも聞こえない時もあし、録音した時には聞こえていたのに録音では全く聞こえない人もいる。

何が原因でこの違いが生まれるのだろう?
考えられるのは、聞こえた時の視覚情報である。

「ダ」の口の形では破裂音である「バ」は有り得ないと判断して「「バ」を「ダ」や「ザ」に修復して聞かせてしまうように、音韻修復は視覚情報に左右される。

その時に目に映った物で、その時の心理状態から連想させる単語に修復されていると考えられる。

例えば、ヤシの写真を見せた後に3文字の好きな単語を書かせると、多くの人が「ハワイ」と書いてしまうのと同じ原理だ。



スペクトラム解析もせずにその人だけに聞こえれば、その人は「証拠」とするが、その人にしか聞こえない物は証拠にはならない。

故に、彼等はそれを自分だけしか聞こえない声と認識し、「脳内音声」とか「脳内送信」とか呼んだりもする。
しかし電波も音波も無い情況でそれは有り得ない。

そうした現象を科学的に説明できるのは音韻修復しかない。

こうした人に「バ」の発音の音に「ダ」の発音の映像を合成したビデオを見せると面白い事が起きる。

通常、このビデオを見ながら声を聞くと「ダ」や「ザ」等の発音に聞こえ、目を閉じて聞けば「バ」に聞こえるのが一般的なのだが、自称被害者さんは聞こえ方が違ったりする。

映像を見ながら聞いたとき「ナ」に聞こえたりする。

ある意味これは面白い。

一般の人は「濁点」が付いて聞こえるのに、自称被害者さんの中には濁点が付いて聞こえない人もいる。


このビデオを見ながら声を聞いた時と、目を閉じて聞いた時に聞こえ方が変わる原理は、「バ」の発音は「破裂音」であり、破裂音は唇を閉じなければ発音できない。
しかし「ダ」の発音は口を開けて発音する。

映像は口を開けて発音している為、脳は「バ」は有り得ないと判断して、音韻修復により「ダ」や「ザ」に聞こえる訳だ。

しかし「ダ」や「ザ」は濁音であり、「ダ」や「ザ」と聞こえると言う事は、脳は濁音で有る事は認識していると言う事である。

しかし「ナ」と聞こえると言う事は、濁音とすら認識していないと言う事であり音韻修復に問題がある事を示していると考えられる。

また「ナ」に聞こえる人が目を閉じて聞いた場合「バババ」が「バナナ」に聞こえたりするのも面白い。

これは視覚情報が遮られても音韻修復されていると考えられる。

もう一つ面白いのは「癲癇」の人にこの映像を見せた時、音韻修復が起こらなかった事だ。
映像を見ながら聞いても「バ」に聞こえていた。


その3 アドレノクロム説
いわゆる統合失調症の幻覚症状を引き起こす原因とも言われている物質である。
アドレノクロムはアドレナリンの酸化物質であり、成分はメスカリンと同じでメスカリンは幻覚作用のある麻薬である。

音韻修復は無音の状態では発生し難い為、無音でも聞こえる幻聴はこの可能性が高いと思われるのだが、無音の時に耳鳴りや頭鳴が発生し、その中に声を感じる人もいるので真の意味で無音の状態で声が聞こえる人の、聞こえている場面にはいまだ遭遇していない。



こうした「聞こえる」人の相談を受けていると面白い現象に度々遭遇する。
聞こえて来る有り得ない声の内容を論理的に指摘すると、我に返ったような顔になりその場では納得するが、暫くすると元に戻る。

我に返った時の顔には精気が戻るのだが、元に戻ると顔から精気は消え不安そうな顔に戻る。
そして我に返った時には納得し理解した事が、元に戻ると消えて不安に支配されている。

この顔の変化こそ、脳の状態を表していると考えられる。

恐らく、聞こえる人は前頭極が働いているのだろう。
前頭極が働くと前頭葉から理性を奪い扁桃体主体の脳へと変わる。

その時前頭葉の活動は抑えられている為、論理的思考が出来ない。
故に、意味不明な事をもっともらしく話すのだが、それを論理的(常識的な内容)に否定すると我に返ったような顔になり納得する。

顔の見えない電話相談でも、論理的思考が復活すると声は明るく張りが出るが、暫くすると再び不安に支配され始め張りのない暗い声へと変わる。


恐らく顔や声に精気が戻っている時は、前頭葉が前頭極の支配から抜けて元に戻っているのだろう。
しかし暫くすると前頭極の支配を受けて論理的思考が出来なくなり、扁桃体の不安に支配されるのだろう。

不安に支配されている状態ではどんな言葉も無力であり、如何に不安を消すかを優先させたほうが懸命である。

その一つの方法が投薬である。
故に受診を薦める。